国立新美術館では、 “リヒテンシュタイン展” 。
東京都美術館では、 “メトロポリタン美術館展” 。
東京国立博物館では、 “中国 王朝の至宝” 。
・・・・・と、さすがに芸術の秋だけあって、
現在、都内の各美術館で、大型美術展が開催されています。
そんな状況の中、西洋美術の殿堂・国立西洋美術館で開催されているのは、
“手の痕跡 国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描” という美術展。
展示されているのは、サブタイトルそのままに、
国立西洋美術館所蔵作品を中心としたロダンとブールデルの彫刻と素描です。
実は、ロダンの彫刻を58点 (!) 、
ブールデルの彫刻作品を11点も所蔵している国立西洋美術館。
しかし、これまでに、それらを一堂に展示した美術展は、一度も開催されたことがなかったそうで。
意外にも、国立西洋美術館のロダン&ブールデルコレクションが紹介されるのは、今回の美術展が初の機会。
そういうこともあって、 「さぞかし、気合の入った美術展会場なんだろうなぁ♪」 と思いきや・・・
意外とシンプルwww!!
ただ、このシンプルさが、
ロダンとブールデルの彫刻の持つ力強さを最大限に引き出しているような気がしました。
「余計な演出をしない」 という演出が、功を制した美術展。
さてさて、国立西洋美術館の常設展で、静岡県立美術館で、
ブリヂストン美術館で…と、これまでに、ロダンの彫刻作品は何度も目にしていることもありまして。
正直なところ、 「もうロダンは、いいかなぁ…」 と食指気味だったのですが。
今回、改めて、ロダンの作品を、まとめて目にしたことによって、
「やっぱり、ロダンはスゴい!!」
ということを強く実感させられました。
特に、印象に残っている作品が、こちらの 《泣く女》 ↓
彫刻作品と頭ではわかっているつもりですが、
どうにも、大理石から顔が浮かび上がっているようにしか見えなくて、ゾッとします。
この “大理石から顔が浮かび上がっているシリーズ” (←?) には、
もう1点 《洗礼者ヨハネの首》 もありました。
こちらも、ゾッとします。
インパクトが大きかったと言えば、こちらの 《国の護り(武器をとれ)》 も。
勝利のポーズを取っているのは、戦争の女神なのだとか。
・・・・・それにしても、テンションが高すぎです (笑)
(↑「エイドリア~ン!!」 と叫んでいるようにしか見えないw)
人体の彫刻しか作っていないイメージのロダンですが。
《嘆きの獅子》 のように、動物をモチーフにした彫刻も制作していたのですね。
しかし、このライオン君は、何を嘆いているのでしょう?
シマウマに逃げられたとか??
ロダンは、 “嘆き” が好きだったのでしょうか。
《嘆きの獅子》 とは別に、もう1点、 《嘆き》 というタイトルの作品がありました。
・・・って、どんな嘆き方だ (笑) ?!
最後に、もう1点だけ、ロダンの作品を。
こちらは、 《エヴァ》 という作品。
エヴァはエヴァでも、エヴァンゲリヲンのエヴァではなく、アダムとイヴのエヴァ (=イヴ) です。
羞恥心で身悶えているさまが、デフォルメ的なくらいに表現しています。
明らかに観て欲しくなさそうなエヴァ。
しかし、それでも、僕は観賞するのです。
なんなら、写真も撮っちゃうのです。
・・・わしゃ、変態か。
こんなにも、観賞していて、罪悪感が芽生える彫刻作品も珍しいです。
ちなみに、ロダンばかり紹介してしまいましたが、
ブールデルの作品も、素晴らしい作品が多かったです。
とりわけ印象的だったのが、こちらの手をモチーフにした彫刻↓
タイトルは、ズバリ 《絶望の手》 !
確かに、絶望感が漂っています。
“手の痕跡” を、たっぷり楽しんだ後は、是非、国立西洋美術館の前庭へ。
無料で観れるがゆえに、いつもは有難味を感じない前庭のロダン&ブールデルの彫刻作品ですが。
一味も二味も違った風に、見えてきますよ。
美術ブログのランキングにご協力をお願いします。
↧
手の痕跡
↧