知られざる大正の家具デザイナーの展覧会に、
究極の名車模型作りに情熱を傾けるモデラーの展覧会に、
種子のデザインを取り上げた展覧会に。
毎回、意外なパンチを繰り出してくるのが、京橋にあるLIXILギャラリー (INAXギャラリー、改め)
そんなLIXILギャラリーで、現在開催されているのが・・・
“山と森の精霊 高千穂・椎葉・米良の神楽 展” という展覧会。
こちらは、宮崎県の高千穂・椎葉・米良の3地域に伝承される仮面舞踏会・・・
ではなく。
仮面を付けて夜通し舞い遊ぶ 『夜神楽』 の世界を紹介する展覧会です。
(今回の展覧会も、かなり予想外のパンチといったところ!)
3地域それぞれの夜神楽を、写真パネルを用いて紹介するだけでなく、
映像で紹介していたり、実際に夜神楽でも使われていた仮面を交えて紹介していたり。
これまで、能面をテーマにした展覧会を観賞したことは何度かありますが。
九州の民俗仮面を、このような形で、まとめて観賞したのは、初めてのこと。
能面とは違って、洗練さは、まったく無いですが (笑)
素朴で原始的な力強さが、ダイレクトに感じられました。
ピカソやモディリアーニが、アフリカの仮面を見て、
かなり衝撃を受けたというエピソードが、ありますが。
今回、僕が九州の民族仮面を見て受けた衝撃は、
ピカソやモディリアーニのそれに匹敵すると思います (笑)
さてさて、仮面の数々も衝撃的でしたが、
今回の展覧会のハイライトは、こちらの米良地区の村所神楽の舞台を再現したスペース。
(注:画像は、大阪会場のものです)
この舞台の手前に、椅子が設置されており、
その椅子に座れば、舞台越しに、プロジェクションされた米良地区の夜神楽の映像を観ることが出来ます。
正直なところ、神楽には、そんなに興味が無かったので、
ちょっと座って、ちょっと映像見たら、退散しようと思っていたのですが。
気づいたら、30分くらい、ボケ~っと映像を眺めてしまっていました。
自分でも、ビックリです。。。
実際の米良の夜神楽は、夕方から早朝まで、
完全に夜通しで、33番もの夜神楽が奉納されるとのこと。
実際に、夜神楽の映像を見るまでは、
「いやいや、途中で飽きるでしょwww」
と思っていたのですが、あの映像で見る限り、
ボ~ッと長時間、夜神楽に見入ってしまうのがわかる気がします。
夜神楽を舞う人物の不思議な動きといい、音楽といい、妙なトリップ感があるのです。
自分は、千葉県出身。
しかも、団地出身ゆえ、このような伝統的な民俗文化とは、
全く無縁に生きてきたので、全然実感がわかなかったのですが。
このような横溝正史のミステリ小説に出てくるような伝統行事が、今でも、日本でも行われているのですね。
日本のプリミティブな一面を垣間見ることが出来る興味深い展覧会でした。
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山と森の精霊 高千穂・椎葉・米良の神楽 展
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