三が日も終わりましたので、本日が今年の美術館はじめ。
2013年記念すべき一発目に訪れる美術展は、こちらに決めました↓
三井記念美術館で開催中の “ゆくとし くるとし ―茶道具と円山派の絵画―” です。
昨年12月8日より開催されていた、こちらの美術展。
“ゆくとし” に当たる12月8日から12月24日までは、
去りゆく辰年にちなんで、円山応挙の 《雲龍図》 を展示していたようなのですが。
“くるとし” に当たる今月は、
同じく円山応挙の筆による国宝 《雪松図屏風》 が展示されています。
新年早々、国宝の屏風絵が観れるだなんて、こいつは春から縁起がいいわい。
この 《雪松図屏風》 を観るだけでも、十分に行く価値アリ。
《雪松図屏風》 の魅力は、是非、その目で実感して頂くとしまして。
こちらの 《雪松図屏風》 を中心に、展示室では、
三井記念美術館のコレクションの中から他の応挙作品や応挙の弟子の作品が紹介されていました。
その中でも、特にオススメなのが、
応挙の弟子にあたる亀岡規礼 (1770~1835) が描いた 《酒呑童子絵巻》
とても100年以上も前の作品とは思えないほどの色鮮やかさもさることながら、
クライマックスである源頼光vs酒呑童子のバトルシーンが、タランティーノ映画ばりに迫力満点!
血がドバドバ出るわ、鬼の首や腕が簡単にもげるわ。
新年早々、エラいものを見た気分です (笑)
それと、個人的にツボだったのが、
酒呑童子退治の命を受けた源頼光一行のメンバー全員が同じ顔をしていたこと。
どれが源頼光なのか、正直、全く分かりませんでした (笑)
さてさて、今回の美術展では、円山派の絵画だけでなく、
三井記念美術館のコレクションの核となる茶道具の名品の数々も展示されています。
むしろ、割合としては茶道具の名品の展示の方が多いです。
《黒楽茶碗 銘 俊寛》 に、
《赤楽茶碗 銘 鵺》 に、
そして、国宝 《志野茶碗 銘 卯花墻》 までもが展示されています。
茶道具好きには、たまらない美術展と言えましょう!
僕は、どちらかと言えば、茶道具に興味がない方なのですが。
そんな僕でも、上で紹介した3点に関しては、やはり感じ入るものがありましたし。
それ以外にも、いくつか印象深い茶碗がありました。
例えば、 《黒樂茶碗 銘 雨雲》
こちらは、本阿弥光悦が手捏ねした茶碗とのこと。
雨雲という銘が、ピッタリとハマっており、
まさに、茶碗全体に雨雲が立ち込めているかのような印象でした。
どことなく、廃墟感もあり、観れば観るほど、心の中に嵐が吹き荒れるようでした。
ちなみに、 《大井戸茶碗 銘十文字井戸》 が、今回の美術展でのマイベスト茶碗。
画像は横から写したものしか見つかりませんでしたが。
上から覗き込むのが、マイベストアングル。
こちらの茶碗は、 『へうげもの』 でお馴染みの古田織部が、
大振りな大井戸茶碗を、自分の嗜好に合うように、一度十文字に割って (←!)
一回り小振りにした上で、漆を使って接いだという、超へうげものな茶碗。
だから、内部には、バッチリと十文字にヒビが入っています (お茶が漏れちゃうのでは??)
そのフリーハンドの線っぽいヒビと、アクセントになっている赤い釉薬部分の対比が、
どことなくクレーの絵画を彷彿とさせて、実に可愛らしい茶碗なのです。
お茶碗以外にも、年末年始の茶席をイメージした茶道具が、たくさん展示されていましたし。
円山派の絵画や茶道具だけでなく・・・
エリザベス女王を描いた切手なんかも展示されていました。
・・・ん?切手??
何の脈絡もなく切手が展示されていたことで、
全体的に、まとまりのない美術展だったような印象を受けてしまいました。
この何でもアリな感じは、お正月特番のような感じに近い気がしなくもないですが・・・。
今年も、美術ブログランキングにご協力をお願いします!
(皆様のおかげで現在7位まで上がりました!)
↧
ゆくとし くるとし ―茶道具と円山派の絵画―
↧