こんばんは。
ATN(=アートテラーニュース)の時間です。
『世界ふしぎ発見!』や『ブラタモリ』といった、
長寿番組が最終回を迎える今年2024年の春ですが。
2020年の4月より、読売新聞夕刊カルチャー面「Pop Style」にて、
毎月第2水曜日に掲載されてきたアートテラー・とに~氏による連載、
『モーソウ美術館』も、明日3月13日掲載回が最終回となることがわかりました。
とに~氏よりコメントが届いております。
「この連載が始まったのは、今からちょうど4年前。
コロナにより、美術館や博物館が閉館し始めた頃でした。
そういったどんよりとした時勢だったこともあり、
“くだらないなぁw”と笑い飛ばせる連載にできないものかと、
担当記者さんと相談しながら、『モーソウ美術館』が誕生しました。
美術に興味がない人でも目にしたことがあるであろう、
古今東西の名画を1点取り上げ、それを徹底的に“モーソウ (=妄想)”する。
逆にいえば、名画の解説のようなものは一切しないと決めました。
知名度の高い名画はそこまで多くないですし、
モーソウのパターンも、そんなにバリエーションもないですし。
なんとか1年分12回乗り切ってみよう!
と全力で走り出してみたところ、
あと1年、もう1年、さらにまた1年と、
おかげさまで結果的に4年も走り続けることになりました。
そうとわかっていたら、1年目から飛ばさなければ良かったです(笑)
この4年間で生まれたコラムは、計47本。
《ミロのヴィーナス》にはじまって、ゴッホの《ひまわり》、
レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナリザ》や岡本太郎の《太陽の塔》、
ピカソの《泣く女》やデュシャンの《泉》、遮光器土偶を取り上げたこともありました。
毎回、生みの苦しみだったので、
どのコラムも思い入れが強いのですが、
しいて一番苦労したものを挙げるとすれば、
葛飾北斎の《神奈川沖浪裏》(2022年10月掲載)をテーマにしたコラムでしょうか。
せっかくなので、原文をそのまま掲載いたします↓
モネやゴッホといった西洋の画家たちに大きな影響を与えた葛飾北
その影響は美術界に留まらず、音楽の世界にも。
北斎の《神奈川沖浪裏》
交響詩《海》を生み出した、
ということは、日本を代表する音楽界のスターたちが、
《
例えば、
荒れ狂う嵐の中で船を必死に漕ぐ人々の視点に立って、こんな感じの歌詞になるのでしょう。
♪いつになれば大江戸 恋人に逢えるの
落ちぬように身を寄せて 低気圧のTyphoon達の大乱舞
狂乱にざわめくOcean あの波濤を蹴散らして 富士山にkissをしよう
80年代に若者たちから支持を集めた尾崎豊がこの光景を歌にした
♪盗んだ小舟で沖へ出る 行き先も解らぬまま
荒れる海の波間の中へ ウェーブ
いつになれば 俺は陸に上がれるのだろう
となるはず。
平成生まれのカリスマ、
♪舟にしがみつく君が 濡れたコメツキバッタに似てる
この波が静まりますように 少しだけ 少しだけ そう思わせて
と歌うのでは?
ちなみに、北斎はドイツで生まれた人工顔料ペルシャンブルー、
その辺りも踏まえて、
♪ガッデム この浮世絵のメインは僕じゃない
辛いけど否めない せめて気づいて欲しいのさ
たったひとつ確かなことがあるとするならば「摺りが綺麗だ」
さてさて、最終回で取り上げるのは、
あらゆる名画の中でもっとも最終回に相応しいあの名画。
最終回の時は、あの名画でモーソウしようと、早い段階から決めていました。
なので、無事に理想の最終回を迎えることができ、
寂しい気持ちもあるものの、達成感の喜びもあります。
連載は終わりますが、ブログなどでも、
引き続きこれからもモーソウは続けていくので、
これからもどうぞよろしくお願いします!」
アートテラーのとに~氏が、最終回で、
どんなモーソウをしているのか、非常に気になるところです。