今年2024年は、カルティエが原宿に、
日本初となるブティックをオープンしてから50年目の節目の年。
それを記念して、現在、東京国立博物館の表慶館では、
“カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』展”が開催されています。
テーマはずばり、カルティエと日本。
カルティエと日本を“結”ぶさまざまなストーリーが紹介されています。
まずはじめに紹介されていたのは、カルティエ創業者の孫であり、
カリスマ的な経営者でもあった3代目ルイ・カルティエと日本の結びつきです。
実は、ルイ・カルティエは日本美術のコレクターでもあったそう。
しかも、ただコレクションしていただけでなく、
日本美術からインスパイアを受け、そのエッセンスを、
カルティエのアイテムにしばしば取り入れていたそうです。
例えば、こちらのヴァニティケース。
そのデザインソースとなったのは・・・・・
そう、印籠です。
ルイ・カルティエの手にかかると、
日本の印籠が、こんなオシャレアイテムになるだなんて。
もし、フランス版の『水戸黄門』が作られたなら(←?)、
フランス版の格さんは、カルティエのヴァニティケースを出すのでしょうね。
また例えば、こちらのブローチ。
青海波模様を想起させるこのデザインは、
日本の型紙にインスパイアされて制作されたそうです。
この他にも、北斎の波を思わせるコームや、
ビリケンがアイコニックなミステリークロックなど、
日本の影響が見て取れるアイテムが多々紹介されていました。
ちなみに。
それらの中で個人的に最も印象に残ったのが、
1931年に制作されたという時計付きデスクセットです。
竜宮城をイメージしたのでしょうか??
原宿にある外国人向けのお土産屋さんにも似ています。
さてさて、本展では、1984年に設立されたカルティエ財団と、
日本人アーティストの密接な関係についても紹介されていました。
実は、カルティエ財団は、その創設以来、
日本人アーティストの発掘や再発見を積極的に行っています。
ヨーロッパにおいては、いわばそのパイオニアともいえる存在で、
これまで何度となく、日本人アーティストの展覧会を本国で開催してきました。
それらの中には、杉本博司さんや束芋さん、
さらには、三宅一生や横尾忠則さんも含まれています。
意外なところでは、こちらの絵を描いた人物も。
「世界のキタノ」こと北野武、ビートたけしです。
カルティエ財団で2010年に行われた個展、
“Gosse de peintre(絵描き小僧)”によって、
映画監督ではなく、画家としての才能を広く世に広めることに。
なお、その展覧会は2012年に、
東京オペラシティアートギャラリーに凱旋しています。
ちなみに。
カルティエと日本と言えば、
カルティエの展覧会は日本で過去に5度ほど開催されているそうです。
記憶に新しいのは、2019年に国立新美術館で開催されたもの。
さらに、その10年前の2009年には、
本展と同じく、トーハクの表慶館にて開催されています。
クリスチャンディオールとか、シャネルとかティファニーとか。
ここ最近、ハイブランドの展覧会は、
国内でよく開催されている印象はありますが。
本展を観てしまうと、カルティエ以上に、
日本と最も結びつきが強いハイブランドは無い気がしてきました。
そして、本展を通じて、カルティエに強い親近感を覚えました。
これからは気後れせず、カルティエのお店に入れそうです(←?)。