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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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幕末・明治の美女たち

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美人コンテストに、bijin-tokei(美人時計)に、 『美人すぎる○○』 に。
日本人は (特に男性) 、美人が大好きです。
その美人好きのDNAは、今も昔も変わないようで・・・。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-風俗三十二相 遊歩がしたさう


月岡芳年の 《風俗三十二相 遊歩がしたさう》 のように、
美人を描いた、いわゆる美人画の浮世絵は、数限りなく生み出されています。

現在、太田記念美術館では、約1万2千ある浮世絵コレクションの中から、美人画の数々を、
それも幕末・明治期に描かれた美人画に絞って紹介する “幕末・明治の美女たち” を開催中です。
女性の皆様は、より美しくなる秘訣を探りつつ、
男性の皆様は、鼻の下を伸ばしつつお楽しみくださいませ (笑)
星


さてさて、一口に 『美人』 と言っても、様々な美人がいるように。
一口で 『美人画』 と言っても、様々な美人画が紹介されていました。
その中から僕が独断と偏見で選んだ・・・

『第1回 全太田記念美術館国民的人画コンテスト』

の結果を発表したいと思います。

まずは、クール部門賞
受賞したのは、揚州周延 《真美人 三十一(眼鏡の婦人)》 です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-真美人 三十一(眼鏡の婦人)


明治31年の作品とは思えない、斬新なフレームが受賞の理由です。
耳に掛ける部分が、耳全体を巻き付けているスタイルというのも気になります。


続いて、職業美人部門賞として、湯川松堂の 《今古風俗百美人 第十六輯 看護婦》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-輯


こちらは、当時まだ珍しかった看護婦さんを描いた美人画です。
「昔は白衣でなくて、黒衣だったんだぁ」 と思いきや、
軍艦を見送るために (うっすら描かれています) 、外にコートを羽織って出てきているところなのだとか。


ヤンデレ部門賞には、三代歌川豊国の 《二五五四好今様美人 湯治好》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-湯治好


この 《二五五四好今様美人》 シリーズは、
“甘い物好” や “着物好” など、24人の 「○○好き」 女子を描いた連作なのだそうで。
上に描かれている女性は、その中の一人で、湯治好き女子。
温泉が好きならわかるのですが、湯治好き。
つまり、治療目的で温泉に入るのが好きな女性というわけです。
ということは、湯治に行くためには、常に、どこか体が悪くないといけません。
あまり関わりたくない女性です (笑)


同じ三代歌川豊国の 《二五五四好今様美人》 シリーズから、
《二五五四好今様美人 瀧好》 が、ウザ美人部門賞を受賞。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-瀧好き


この絵に描かれているのは、おそらく以下のようなやり取り。
ぞうきんを絞っている様子を見て、

「あんた、滝はな、もっと水が落ちるんやで。そんなん滝とちゃうで」

と、絡む滝好き女子。

「いや、別に、滝を意識してるわけじゃないです・・・。」

と、もう一人の女性は困惑しています。

「華厳の滝くらい、ドバーッと水を落とさんと!この前、ウチが見てきた滝はな・・・」

滝好き女子の耳には、もう一人の女性の声は入らず、一人で滝のようにしゃべり続けている。



では、いよいよグランプリの発表です!
栄えあるグランプリは・・・・・(ドラムロール)・・・・・

該当作品なし!!

やはり、幕末や明治の美人と、今の美人の顔立ちには、大きな違いがありますので。
現代の僕には、選べません (←元も子もない意見)


ちなみに、コンテストでも何でもなく、
一番印象に残ったのは、揚州周延の 《あつま風俗 三 遊歩》 という一枚。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-あつま風俗 三 遊歩


見よ、このチャリに乗った女の子の疾走感を (笑)

片手運転、ダメ。ゼッタイ。




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