横浜市民ギャラリーあざみ野で開催中の “写真家 石川真生―沖縄を撮る” に行ってきました。
こちらは、沖縄生まれ沖縄育ち、「沖縄を表現するために写真家になる」 と決意し、
以来40年にも渡り、一貫して沖縄を撮り続けている写真家・石川真生さんの個展です。
この展覧会は、全部で3つのシリーズで構成されています。
一つは、沖縄の伝統的な舞台劇 『沖縄芝居(うちなーしばい)』 の役者を写したシリーズ。
「役者だから。」 と一言ではくくれないような、いい表情を皆がしています。
大変失礼ながら、被写体となっている役者さんを、ほぼ存じ上げませんでしたが・・・。
『ちゅらさん』 のおばぁでお馴染みの平良とみさん (写真左) を発見し、何か嬉しくなりました♪
二つ目は、 《森花―夢の世界》 というシリーズ。
こちらは、石川さんが、アーティストの卵・森花さんが紡ぎだす夢の世界に惚れこみ、
その夢をセットで再現し、森花さんに演じさせ、撮影するという現在進行中のシリーズ。
まだ20代の若い女の子の夢ということで、
白馬に乗った王子様だとか、満開のバラ園だとか、宝石のようなスイーツだとか・・・
そんな甘~い夢の世界を想像していると、そのギャップに、相当な衝撃を受けます。
例えば、森花さんが生み出した夢の一つが、こちら↓
・・・・・・・・・・。
でも、これは、まだ可愛らしい方 (?) で。
他には、東京に住む家族に腸を食べられる夢だったり、
浴槽で愛する男を殺したり、両親に足枷で繋がれたいたり・・・と、寝汗を掻きそうな夢ばかり。
その不条理でシュールながら、どこかポップさもある独特の世界観は、
沖縄版きゃりーぱみゅぱみゅといったところでしょうか。
そして、三つ目が、石川さんのデビュー作にして、
長い間封印されていたという 《熱き日々 in オキナワ》 シリーズです。
《熱き日々 in オキナワ》1975‐1977年、ゼラチン・シルバー・プリント
こちらは、若き石川さんが、米兵と日本人女性の生活を生き生きと捉えた写真シリーズです。
(写真は、25点。スライドで90点以上が紹介されています)
この写真を撮るため、当時の若き石川さんは、黒人専用バーで働き始めたのだとか。
確かに、実際に、そこを体験した人でないと撮れない空気感が写真には満ちていました。
僕ら本土の人間が想像する沖縄とは、ちょっと・・・いや、かなり違った沖縄の姿なのですが。
これらの写真からは、全く嘘が感じられず、
これこそがリアルな沖縄の姿だと有無を言わせない力がありました。
いい意味で、泥臭くて、匂い立つような写真だった気がします。
ちなみに、会場では、ソウルミュージックが流れていたのですが・・・
それが一連の写真に漂う空気感とシンクロしていたのが新鮮な感動でした。
ファンキーでモンキーでベイビーな沖縄の姿を、石川さんの写真に見た気がします。
3つのシリーズは、それぞれ作風はバラバラですが。
共通して、写真の向こう側に、
被写体である人物と強い絆を結んでいる写真家・石川さんの姿が強く感じ取れました。
“こんな写真を撮る石川真生さんって、一体、どんな方なんだろう??”
と思っていたら、
まさかのご本人さん登場!!
(それにしてもこの石川さん、ノリノリであるw)
写真のイメージ通りの (いや、それ以上の?!) ファンキーなお方でした。
初対面とは思えない感じで、気づけば閉館時間ギリギリまでお話しさせて頂いたのですが、
この日、たまたま会場にいたわけではなく、会期中は、ずーっと会場にいらっしゃるとのこと。
この展覧会には休館日がないので、22日間休みなしで、 “出勤” されるそうです。
・・・・・なんでまた、そんな黄金伝説のような生活を??
実は、それには、深~いワケがありました。
今回の目玉である 《熱き日々 in オキナワ》 シリーズには、
被写体となった一部の女性から抗議を受けたため、当該ページを裁断し、ネガまで手放したという過去が。
それから数十年、このシリーズが、日の目を見ることがなかったのですが、
2011年の大晦日、自宅の天井裏から、亡父がひそかに保管していたプリントが発見されたそうで。
この世に存在しないと思っていた写真たちが、
奇跡的に発見されたのを機に、石川さんは、再発表する決意を固めたのだそうです。
再発表する以上は、それに責任を持たねばならないと、
今、連絡が取れない被写体の女性たちが、いつ展覧会を訪ねてきても対応できるように、
沖縄を離れ、横浜のあざみ野に常勤することにしたのだとか。
ファンキーな外見と言動とは裏腹に (←失礼!)
作品に対する真摯な姿勢、それ以上に、被写体となった人に対しての誠実な姿に打たれましたし、
その人間味溢れる石川さんの姿にもまた、沖縄 (うちなー) らしさを見た気がします。
横浜市民ギャラリーあざみ野で石川さんと握手。
ちなみに、展覧会は無料で見せて頂けるだけでなく・・・
こんな立派なミニブックレットも頂けてしまいます。
その中には、石川さんの写真はもちろん、
昨年12月にお亡くなりになった東松照明さんのインタビュー記事も載せられていました。
東松照明さんは、石川さんの師匠に当たるとのこと。
この記事を読んで、なんだかジーンと来てしまいました。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位)
皆様、下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
こちらは、沖縄生まれ沖縄育ち、「沖縄を表現するために写真家になる」 と決意し、
以来40年にも渡り、一貫して沖縄を撮り続けている写真家・石川真生さんの個展です。
この展覧会は、全部で3つのシリーズで構成されています。
一つは、沖縄の伝統的な舞台劇 『沖縄芝居(うちなーしばい)』 の役者を写したシリーズ。
「役者だから。」 と一言ではくくれないような、いい表情を皆がしています。
大変失礼ながら、被写体となっている役者さんを、ほぼ存じ上げませんでしたが・・・。
『ちゅらさん』 のおばぁでお馴染みの平良とみさん (写真左) を発見し、何か嬉しくなりました♪
二つ目は、 《森花―夢の世界》 というシリーズ。
こちらは、石川さんが、アーティストの卵・森花さんが紡ぎだす夢の世界に惚れこみ、
その夢をセットで再現し、森花さんに演じさせ、撮影するという現在進行中のシリーズ。
まだ20代の若い女の子の夢ということで、
白馬に乗った王子様だとか、満開のバラ園だとか、宝石のようなスイーツだとか・・・
そんな甘~い夢の世界を想像していると、そのギャップに、相当な衝撃を受けます。
例えば、森花さんが生み出した夢の一つが、こちら↓
・・・・・・・・・・。
でも、これは、まだ可愛らしい方 (?) で。
他には、東京に住む家族に腸を食べられる夢だったり、
浴槽で愛する男を殺したり、両親に足枷で繋がれたいたり・・・と、寝汗を掻きそうな夢ばかり。
その不条理でシュールながら、どこかポップさもある独特の世界観は、
沖縄版きゃりーぱみゅぱみゅといったところでしょうか。
そして、三つ目が、石川さんのデビュー作にして、
長い間封印されていたという 《熱き日々 in オキナワ》 シリーズです。
《熱き日々 in オキナワ》1975‐1977年、ゼラチン・シルバー・プリント
こちらは、若き石川さんが、米兵と日本人女性の生活を生き生きと捉えた写真シリーズです。
(写真は、25点。スライドで90点以上が紹介されています)
この写真を撮るため、当時の若き石川さんは、黒人専用バーで働き始めたのだとか。
確かに、実際に、そこを体験した人でないと撮れない空気感が写真には満ちていました。
僕ら本土の人間が想像する沖縄とは、ちょっと・・・いや、かなり違った沖縄の姿なのですが。
これらの写真からは、全く嘘が感じられず、
これこそがリアルな沖縄の姿だと有無を言わせない力がありました。
いい意味で、泥臭くて、匂い立つような写真だった気がします。
ちなみに、会場では、ソウルミュージックが流れていたのですが・・・
それが一連の写真に漂う空気感とシンクロしていたのが新鮮な感動でした。
ファンキーでモンキーでベイビーな沖縄の姿を、石川さんの写真に見た気がします。
3つのシリーズは、それぞれ作風はバラバラですが。
共通して、写真の向こう側に、
被写体である人物と強い絆を結んでいる写真家・石川さんの姿が強く感じ取れました。
“こんな写真を撮る石川真生さんって、一体、どんな方なんだろう??”
と思っていたら、
まさかのご本人さん登場!!
(それにしてもこの石川さん、ノリノリであるw)
写真のイメージ通りの (いや、それ以上の?!) ファンキーなお方でした。
初対面とは思えない感じで、気づけば閉館時間ギリギリまでお話しさせて頂いたのですが、
この日、たまたま会場にいたわけではなく、会期中は、ずーっと会場にいらっしゃるとのこと。
この展覧会には休館日がないので、22日間休みなしで、 “出勤” されるそうです。
・・・・・なんでまた、そんな黄金伝説のような生活を??
実は、それには、深~いワケがありました。
今回の目玉である 《熱き日々 in オキナワ》 シリーズには、
被写体となった一部の女性から抗議を受けたため、当該ページを裁断し、ネガまで手放したという過去が。
それから数十年、このシリーズが、日の目を見ることがなかったのですが、
2011年の大晦日、自宅の天井裏から、亡父がひそかに保管していたプリントが発見されたそうで。
この世に存在しないと思っていた写真たちが、
奇跡的に発見されたのを機に、石川さんは、再発表する決意を固めたのだそうです。
再発表する以上は、それに責任を持たねばならないと、
今、連絡が取れない被写体の女性たちが、いつ展覧会を訪ねてきても対応できるように、
沖縄を離れ、横浜のあざみ野に常勤することにしたのだとか。
ファンキーな外見と言動とは裏腹に (←失礼!)
作品に対する真摯な姿勢、それ以上に、被写体となった人に対しての誠実な姿に打たれましたし、
その人間味溢れる石川さんの姿にもまた、沖縄 (うちなー) らしさを見た気がします。
横浜市民ギャラリーあざみ野で石川さんと握手。
ちなみに、展覧会は無料で見せて頂けるだけでなく・・・
こんな立派なミニブックレットも頂けてしまいます。
その中には、石川さんの写真はもちろん、
昨年12月にお亡くなりになった東松照明さんのインタビュー記事も載せられていました。
東松照明さんは、石川さんの師匠に当たるとのこと。
この記事を読んで、なんだかジーンと来てしまいました。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位)
皆様、下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!