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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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アノニマス・ライフ 名を明かさない生命

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NTTインターコミュニケーション・センター (ICC) で開催中の・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アノニマスライフ


“アノニマス・ライフ 名を明かさない生命” なる展覧会に行ってまいりました。


アノニマスと言えば・・・。




ついつい不気味な仮面でお馴染み (?) の国際的なハッカー集団を思い浮かべてしまいますが。
もともと、アノニマスとは、 「匿名の、名前のわからない、個性のないもの」 という意味の言葉です。

今回の展覧会は、科学や医療の進歩によって生み出された、
生命を持っているかのような機械や、バイオテクノロジーやクローン技術の産物を、

『名づけることのできない生命=アノニマス・ライフ

と名付け、それをめぐる作品を紹介するものです。


・・・・・・・・・・えっ、よくわからないですか?
大丈夫です。鑑賞してきた僕も、よくわかっていないです (笑)

例えば、展覧会の冒頭を飾っていた《案内嬢の部屋3F》 という作品。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-案内嬢の部屋3F © やなぎみわ《案内嬢の部屋3F》1998年


こちらの写真作品は、案内嬢たちが、単に記号としてしか捉えられておらず、
アノニマス・ライフ (=名付けることのできない生命) という表現は、言いえて妙です。


例えば、高さ約6メートルの壁一面に投影された渡辺豪さんによる 《アエウム》 という作品。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アエウム


コンピューター上で作り上げた3D形体の顔に、実在する女性の皮膚の画像を合成した映像作品です。
たったそれだけのことなのに・・・というと語弊があるかもしれませんが、
CGの映像とは比べものにならないくらいに、生命感を知覚することが出来るのです。
ただ、生身の人間かと言えば、そうでもなく、
かといって、コンピューターで作られた2次元画像かと言えば、そうでもなく。
まさに、アノニマス・ライフ (=名付けることのできない生命) という表現がピッタリなのです。



・・・・・と、これらの作品に関しては、

「そうだったのか、アノニマス・ライフひらめき電球

と、合点が行ったのですが。

高嶺格さんによる映像作品 《Ask for a Trade》 や、
(自分が着ている服を路上にいる人の服と物々交換をしながら、友人のもとを目指すという作品)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-Ask for a Trade


スプツニ子!さんの 《菜の花ヒール》 をはじめ、
(歩くと先端から菜の花のタネが地中に植えられ、歩いたあとから菜の花が咲いていくヒール)




どこらへんが、どうアノニマス・ライフなのか、
最後までイマイチよくわからなかった作品の方が、割合的には多かったです。
星
高嶺格さんとかスプツニ子!さんの作品自体は面白かったですが、
展覧会全体のコンセプトがわかり辛かったばかりに、何だかボヤけてしまっていた気がしました。
展覧会観賞直後に、僕の中で芽生えたこの何とも言えぬモヤモヤした気持ち。
これぞ、まさしくアノニマス・ライフ (笑)


ちなみに、 “アノニマス・ライフ” はさておきまして (←え?)
ICCの常設展スペースで開催中の “オープン・スペース 2012” は、純粋に面白かったです。
毎度毎度、無料で満足度の高い展覧会をしてくれて感謝です。

今回の “オープン・スペース 2012” で、特に印象に残っているのが、
イギリス人コンビのジョン・ウッド&ポール・ハリソンによる映像作品 《扇風機/紙/扇風機》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-扇風機/紙/扇風機


扇風機と扇風機の間に置かれた紙が、
両方から風が当たっているおかげで、倒れないで直立している様子を写しただけの映像作品です (笑)
シンプルにくだらないですが、 『ピタゴラスイッチ』 的なテイストで、ツボでした。



それから体験型作品として秀逸だったのが、藤木淳さんの 《ゲームキョウカイ》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ゲームキョウカイ


左から、ゲーム&ウオッチ、ファミコン、ゲームボーイ、スーパーファミコン・・・と、
この30年の代表的なビデオゲーム機が並べられています。
実は、この作品は、それらがすべて繋がっており、
左から右へと、ゲーム機の境界線を超えて、プレイできる仕組みになっています。
では、実際の映像をご覧ください↓




僕も、会場で、チャレンジしてみたのですが。
ゲームの才能が全くないので、途中でゲームオーバーになってしまいました。。。
そのプレイの様子を、後ろにいた数人に見られて、かなり恥ずかしいことに。
いわゆる羞恥プレイです。




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