今年も、いろいろな美術館で大型美術展が開催されますが。
今回は、その中でも筆頭格である国立西洋美術館での “ラファエロ” を紹介します。
昨年のリヒテンシュタイン展 (@国立新美術館) や、
2010年のボルゲーゼ美術館展 (@東京都美術館) など、
これまでにもラファエロの作品が美術展の目玉作品として紹介される機会は、あるにはありましたが。
1、2点が来日したくらいなものでした。
ところが。
今回のラファエロ展で紹介されているのは、そんなケチケチした数 (?) に非ず!
油彩と素描作品を合わせて、なんとなんと23点ものラファエロ作品が来日!!
しかも、ウフィツィ美術館所蔵の 《自画像》 や、
1504-06年 油彩/板 47.3x34.8cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館 © Antonio Quattrone.
プラド美術館が所蔵する 《聖家族と仔羊》 、
1507年 油彩/板 28×21.5cm マドリード、プラド美術館© Museo Nacional del Prado. Madrid
さらには、ルーヴル美術館所蔵の 《聖ゲオルギウスと竜》
1504-05年 油彩/板 30.7×26.8cm パリ、ルーヴル美術館
© RMN-Grand Palais (Musee du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi / distributed by AMF-DNPartcom
・・・などなど、世界各地の一流美術館から、
美術館の顔とも言えるラファエロ作品が来日しているのです!!!
こんなにも大規模なラファエロ展が開催されるのは、もちろん日本初。
いや、それどころか、ヨーロッパ以外でも初めてのことなのだとか。
全面協力をしてくださったフィレンツェ文化財・美術館特別監督局をはじめ、
開催してくださった関係者の皆様には、足を向けて寝られません (どっちを向いて寝ればいいのでしょう?)
もはや美術展を鑑賞せずとも、
日本でこの美術展が開催されたという事実だけで3つ星です (笑)
さてさて、今回のラファエロ展の注目作品は、何と言っても、
1505-06年頃 油彩/板 84.4x55.9 cm フィレンツェ、パラティーナ美術館 ©Antonio Quattrone
パラティーナ美術館に至宝 《大公の聖母》 。
生涯に多くの聖母子を描いたことから、
『聖母子の画家』 とも称されるラファエロの聖母子作品の中でも傑作と名高い一枚です。
今回のラファエロ展が楽しみ過ぎて、
ポスターやサイト等で、幾度となくこの作品を目にしたせいか、
正直、実物を目にする前に、多少飽き気味になってしまっていたのですが (笑)
いざ対面した実物の 《大公の聖母》 は、
ポスターやサイトで目にした 《大公の聖母》 の比ではありませんでした (←当たり前と言えば当たり前)
こんなにも、崇高な聖母子像を目にしたのは、初めてのこと。
対面するだけで、心が浄化されていくような、そんなイメージがありました。
会場には、他の画家が描いた聖母子像も展示されていましたが、
このラファエロの 《大公の聖母》 と比べてしまうと、どうにもカジュアルな印象。
参考までに、ラファエロの弟子であるジュリオ・ロマーノ(本名 ジュリオ・ピッピ) の 《聖母子》 をご紹介。
1520-30年油彩/板 105x77cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館.
Gabinetto Fotografico della Soprintendenza S.P. S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze.
「はいはい。キー君 (=キリスト) 、カメラのほうを向きましょうね~♪」
と、若いママ風のマリア様が言っていそうな感じ。
愛らしいですが、崇高さはありません。
ちなみに、画像はありませんが、美術展の最後を飾っていたのは、
ペリン・デル・ヴァーガ (本名 ピエトロ・ディ・ジョバンニ・ボナッコルシ) による 《聖母子》 。
こちらは、崇高さも愛らしさもなく、何となく感じの悪い聖母子像 (笑)
母 (マリア) の感情の無さと、子 (キリスト) のふてぶてしさは、ある意味で印象に残りました。
また 《大公の聖母》 以外では、 《無口な女(ラ・ムータ)》 が強く印象に残っています。
1505-07年 油彩/板 64x48cm ウルビーノ、マルケ州国立美術館 ©Archivio Fotografico S.B.S.A.E. Urbino
絵なのですから、無口なのは、当然。
それでも、わざわざ “無口な女” と呼ばれるのは、よっぽど愛想がないからなのでしょう (笑)
確かに、この女性、何か文句があっても、
口に出さず、じっと見つめることで非難してきそうなタイプです。
実は、こちらの絵には、レオナルド・ダ・ヴィンチの 《モナリザ》 の影響が見られるのだとか。
それならば、もう少しくらい微笑んでくれていても良さそうな気がします。
タイトルのせいで、顔の表情ばかりに目が行ってしまいますが、
自分としては、ネックレスの影の表現が見事な作品だったように思えます。
1518-20年頃 油彩/カンヴァス 99x83cm パリ、ルーヴル美術館
©RMN-Grand Palais (Musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF - DNPartcom
↑こちらも印象に強く残った 《友人のいる自画像》 という作品。
手前の男性の肩に手を置いているのが、何を隠そうラファエロ本人。
個人的には、 《自画像》 の時代のラファエロの方が好感が持ています。
この長髪具合と髭はいただけません。
たまに、イケメン俳優が、役作りでも何でもなく、変な髪形にしたり髭を伸ばしたりしてますが。
500年前のイケメンも今のイケメンも、そこは変わらないのですね。
ちなみに、右に描かれている友人が誰なのかは、いまだ決着がついていないのだとか。
「お前、自己紹介してやれよ。」
と、ラファエロが言っているように見えなくもないです。
他にも、見逃せない作品が多数!
僕が訪れた平日は、まだそこまで混んでいませんでしたが。
会期最初の土日は、かなり混雑していたとのこと。
巡回予定もないことから、確実に今後もお客さんが増えると思いますので、
早めに行かれることをオススメします。
3位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(皆様の応援のおかげで、現在4位)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
今回は、その中でも筆頭格である国立西洋美術館での “ラファエロ” を紹介します。
昨年のリヒテンシュタイン展 (@国立新美術館) や、
2010年のボルゲーゼ美術館展 (@東京都美術館) など、
これまでにもラファエロの作品が美術展の目玉作品として紹介される機会は、あるにはありましたが。
1、2点が来日したくらいなものでした。
ところが。
今回のラファエロ展で紹介されているのは、そんなケチケチした数 (?) に非ず!
油彩と素描作品を合わせて、なんとなんと23点ものラファエロ作品が来日!!
しかも、ウフィツィ美術館所蔵の 《自画像》 や、
1504-06年 油彩/板 47.3x34.8cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館 © Antonio Quattrone.
プラド美術館が所蔵する 《聖家族と仔羊》 、
1507年 油彩/板 28×21.5cm マドリード、プラド美術館© Museo Nacional del Prado. Madrid
さらには、ルーヴル美術館所蔵の 《聖ゲオルギウスと竜》
1504-05年 油彩/板 30.7×26.8cm パリ、ルーヴル美術館
© RMN-Grand Palais (Musee du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi / distributed by AMF-DNPartcom
・・・などなど、世界各地の一流美術館から、
美術館の顔とも言えるラファエロ作品が来日しているのです!!!
こんなにも大規模なラファエロ展が開催されるのは、もちろん日本初。
いや、それどころか、ヨーロッパ以外でも初めてのことなのだとか。
全面協力をしてくださったフィレンツェ文化財・美術館特別監督局をはじめ、
開催してくださった関係者の皆様には、足を向けて寝られません (どっちを向いて寝ればいいのでしょう?)
もはや美術展を鑑賞せずとも、
日本でこの美術展が開催されたという事実だけで3つ星です (笑)
さてさて、今回のラファエロ展の注目作品は、何と言っても、
1505-06年頃 油彩/板 84.4x55.9 cm フィレンツェ、パラティーナ美術館 ©Antonio Quattrone
パラティーナ美術館に至宝 《大公の聖母》 。
生涯に多くの聖母子を描いたことから、
『聖母子の画家』 とも称されるラファエロの聖母子作品の中でも傑作と名高い一枚です。
今回のラファエロ展が楽しみ過ぎて、
ポスターやサイト等で、幾度となくこの作品を目にしたせいか、
正直、実物を目にする前に、多少飽き気味になってしまっていたのですが (笑)
いざ対面した実物の 《大公の聖母》 は、
ポスターやサイトで目にした 《大公の聖母》 の比ではありませんでした (←当たり前と言えば当たり前)
こんなにも、崇高な聖母子像を目にしたのは、初めてのこと。
対面するだけで、心が浄化されていくような、そんなイメージがありました。
会場には、他の画家が描いた聖母子像も展示されていましたが、
このラファエロの 《大公の聖母》 と比べてしまうと、どうにもカジュアルな印象。
参考までに、ラファエロの弟子であるジュリオ・ロマーノ(本名 ジュリオ・ピッピ) の 《聖母子》 をご紹介。
1520-30年油彩/板 105x77cm フィレンツェ、ウフィツィ美術館.
Gabinetto Fotografico della Soprintendenza S.P. S.A.E e per il Polo Museale della città di Firenze.
「はいはい。キー君 (=キリスト) 、カメラのほうを向きましょうね~♪」
と、若いママ風のマリア様が言っていそうな感じ。
愛らしいですが、崇高さはありません。
ちなみに、画像はありませんが、美術展の最後を飾っていたのは、
ペリン・デル・ヴァーガ (本名 ピエトロ・ディ・ジョバンニ・ボナッコルシ) による 《聖母子》 。
こちらは、崇高さも愛らしさもなく、何となく感じの悪い聖母子像 (笑)
母 (マリア) の感情の無さと、子 (キリスト) のふてぶてしさは、ある意味で印象に残りました。
また 《大公の聖母》 以外では、 《無口な女(ラ・ムータ)》 が強く印象に残っています。
1505-07年 油彩/板 64x48cm ウルビーノ、マルケ州国立美術館 ©Archivio Fotografico S.B.S.A.E. Urbino
絵なのですから、無口なのは、当然。
それでも、わざわざ “無口な女” と呼ばれるのは、よっぽど愛想がないからなのでしょう (笑)
確かに、この女性、何か文句があっても、
口に出さず、じっと見つめることで非難してきそうなタイプです。
実は、こちらの絵には、レオナルド・ダ・ヴィンチの 《モナリザ》 の影響が見られるのだとか。
それならば、もう少しくらい微笑んでくれていても良さそうな気がします。
タイトルのせいで、顔の表情ばかりに目が行ってしまいますが、
自分としては、ネックレスの影の表現が見事な作品だったように思えます。
1518-20年頃 油彩/カンヴァス 99x83cm パリ、ルーヴル美術館
©RMN-Grand Palais (Musée du Louvre) / Gérard Blot / distributed by AMF - DNPartcom
↑こちらも印象に強く残った 《友人のいる自画像》 という作品。
手前の男性の肩に手を置いているのが、何を隠そうラファエロ本人。
個人的には、 《自画像》 の時代のラファエロの方が好感が持ています。
この長髪具合と髭はいただけません。
たまに、イケメン俳優が、役作りでも何でもなく、変な髪形にしたり髭を伸ばしたりしてますが。
500年前のイケメンも今のイケメンも、そこは変わらないのですね。
ちなみに、右に描かれている友人が誰なのかは、いまだ決着がついていないのだとか。
「お前、自己紹介してやれよ。」
と、ラファエロが言っているように見えなくもないです。
他にも、見逃せない作品が多数!
僕が訪れた平日は、まだそこまで混んでいませんでしたが。
会期最初の土日は、かなり混雑していたとのこと。
巡回予定もないことから、確実に今後もお客さんが増えると思いますので、
早めに行かれることをオススメします。
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