「足立区に、スゴい建物の美術館が出来たらしい。」
という不確かなアート情報を、その目で確認すべく、
つくばエクスプレスに乗って、六町駅へとやって来ました。
しかし、スゴい建物の美術館とは、一体、どんな建物の美術館なのでしょうか?
あのバーバリー風のビルでしょうか??
・・・・・いや、違いますね。確実に、アレですね。
普通の街並みの中で、一際異彩を放っている白い建物。
その正体は、やはり美術館でした。
その名も、六町ミュージアム・フローラ。
昨年6月にオープンしたばかりの美術館だそうです。
ただ、この時点では、周りの環境と比べると外観が目立っているというだけであって。
そこまで、スゴい建物ではないような気がします。
・・・・・が!
美術館の中に足を踏み入れた途端、
「これは、スゴい建物だ。。。」
と、自然に呟いていました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
すり鉢状の建物の屋根が緑化屋根になっており、
その屋根が中庭と一体になっているという摩訶不思議な建物だったのです。
ちなみに、2階から見渡すと、このような感じで全体が見えます↓
・・・・・と、冒頭から建物のことばかり触れていますが、
もちろん美術館ですから、美術品は、ちゃんと展示されています。
中庭を囲むように配置された展示室で、
六町ミュージアム・フローラが所蔵するコレクションが紹介されています。
4月30日までは、 “春さくらサクラ桜咲く展” と題して、
春の花が描かれた作品や春の装いが描かれた作品など、春を感じられる作品を中心に紹介しているとのこと。
中島千波さんの 《小石川後楽園の枝垂れ桜》 や、
昨年、文化勲章を受章したばかりの松尾敏男さんの 《春耀》 など、
現在活躍中の作家さんの作品だけでなく、川端龍子の 《花山》 や、
岸田劉生の 《春園金鶏之図》 や、
マリー・ローランサンの 《若い婦人と薔薇のブーケ》 など、
美術史に名を残す巨匠たちの名品の数々も、堪能することが出来ます。
斬新な建物も楽しませて頂いて、なおかつ美術品も楽しませて頂いて、
これで入館料300円 (大人) とは、驚愕のコストパフォーマンス!!
しかし、驚愕は、これだけに留まりません。
美術館スタッフさんの口から、こんな衝撃的な発言が。
「うちの美術館の一番のウリは、○○○なんです (笑)
で、二番目のウリが居心地で、美術品は、三番目くらいですかね」
美術館なのにも関わらず、
建物よりも、ましてや美術品よりもウリだという意外なモノの正体が、こちら↓
セルフコーヒー。 (もちろんタダ)
中庭を望むことが出来る2階の多目的室で、
美味しいセルフコーヒーを味わうことが出来るのです。
確かに、この建物を一望しながら頂くコーヒーは格別。
くどいようですが、これで入館料300円 (大人) とは、驚愕のコストパフォーマンスです!!
これだけコストパフォーマンスが素晴らしく、美術館としても素敵なのに、
昨年オープンして以来、その存在が全く一般的になっていないことに疑問を感じ、
美術館スタッフさんに、単刀直入に伺ってみました。
すると、こんな回答が。
「告知をするとお金がかかるから、その分で、入場料を安く抑えたかったのです」
なんて健気な美術館なのでしょう (泣)
わかりました。僕が、代わりに告知しましょう。
建物のユニークさ、美術コレクションも決して悪くなく、
なおかつ美味しいコーヒーが頂けて、素敵なひとときを過ごせる美術館でした。
ホスピタリティーは、間違いなく3つ星。
お気に入りの美術館が、また一つ増えました。
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春さくらサクラ桜咲く展
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