~前回までのあらすじ~
春の嵐が吹き荒れる4月~(小倉久寛風)
国宝ハンターは、2日間で100件の国宝を奈良で見ることを誓う~。
しかし、早くも国宝ハンターの前には困難が~。
どうなる~国宝ハンタ~。
【1日目】 の続き。
薬師寺の国宝たちが、3日前に石川県へ。
そんな衝撃の事実を突き付けられて意気消沈。
でも、悩んでいる時間がもったいないので、先に進むことにします。
薬師寺から法隆寺へも、もちろん自転車で移動です。
実は、旅に出る前に、奈良に詳しい人から、
「薬師寺から法隆寺は自転車じゃ無理だよ。」
と忠告されていたのですが。
地図で見る限り行けそうな気がしていたので、
貴重な忠告は胸にしまいつつ、自転車移動という選択肢を選びました。
すると・・・
薬師寺から法隆寺まで自転車道が整備されているではないですか。
(緑に塗装されているのが、その自転車ルートです)
距離としては確かに1時間近くかかりましたが、
奈良県が (奈良市が?) 整備してくれていたため、心配したほど苦労はしませんでした。
自転車に固執した甲斐がありました。
さてさて、そんなこんなでやってきた法隆寺。
そこは、国宝ハンター驚愕の国宝密集地帯でした。
建造物だけでも、18件。
美術工芸品は、20件。
合計40件もあるという、もはや国宝製造マシーンともいうべき寺院。
(さらに、それとは別に、トーハクの法隆寺宝物館に10件以上出張しているから驚きです)
国宝建造物は、 《法隆寺五重塔》 (ジャンル:建造物) や 《法隆寺中門》 (ジャンル:建造物) はもちろん。
フェノロサが無理やりこじ開けたと言われる 《法隆寺東院夢殿》 (ジャンル:建造物) を含む・・・
18件すべてを、しかとこの目に焼き付けてきました。
~その他の法隆寺国宝建造物~
・《法隆寺東西回廊》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺鐘楼》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺経蔵》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺大講堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東院伝法堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺聖霊院》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東大門》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺食堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺南大門》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東院鐘楼》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺西円堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺三経院及び西室》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺金堂》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺東室》 (ジャンル:建造物)
・《法隆寺綱封蔵》 (ジャンル:建造物)
美術工芸品に関しては、いくつか公開されていなかったものはありますが。
毎年春と秋だけしか開帳されない 《木造観世音菩薩立像(夢殿安置)》 (ジャンル:彫刻) や、
飛鳥時代の建築、工芸、絵画の粋を集めて作られた最高傑作とされる 《玉虫厨子》 (ジャンル:工芸品) など、
全部で16件の国宝をハンティング。
~その他の法隆寺国宝美術工芸品~
・《銅造釈迦如来及両脇侍像〈止利作/(金堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻)
・《木造観世音菩薩立像(百済観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造薬師如来坐像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造四天王立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《乾漆行信僧都坐像(所在夢殿)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造観音菩薩立像(夢違観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造薬師如来及両脇侍坐像(講堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《銅造阿弥陀如来及両脇侍像(伝橘夫人念持仏)》 (ジャンル:彫刻)[及び《木造厨子》 (ジャンル:彫刻)]
・《塑造道詮律師坐像(所在夢殿)》 (ジャンル:彫刻)
・《乾漆薬師如来坐像(西円堂安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造地蔵菩薩立像》 (ジャンル:彫刻)
・《木造観音菩薩立像(九面観音)》 (ジャンル:彫刻)
・《塑造塔本四面具(五重塔安置)》 (ジャンル:彫刻)
・《木造毘沙門天立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻) [及び 《木造吉祥天立像(金堂安置)》 (ジャンル:彫刻)]
特筆すべきは、やはり 《木造観世音菩薩立像(百済観音)》
もちろん全体的な雰囲気が素晴らしかったのは、言わずもがなですが。
特に美しいと感じたのは、水瓶を持つ左手の表現。
この左手を見るためだけに、奈良に来た甲斐があったと思えるくらいに素晴らしかったです。
また、悪い夢を良い夢に変えてくれると言われる 《銅造観音菩薩立像(夢違観音)》 は、
見れば見るほど、梅沢富美男に見えてきました。
そう言えば、彼も夢芝居という歌を歌っていましたっけ。
“夢” 繋がりです (←だから何?!)
法隆寺から歩いて行ける範囲に、
中宮寺もあると聞き、そちらにも足を運んでみました。
「なかなかモダンな建物!」 と思ったら、
昭和を代表する建築家・吉田五十八 (1894~1974) の手によって設計された本堂とのこと。
実は、鉄筋コンクリート製の建物です。
そんなあまり風情のない建物なのに (?)
本尊として祀られているのは、
かの有名な 《木造菩薩半跏像〈(伝如意輪観音)/(本堂安置)〉》 (ジャンル:彫刻)
“世界三大微笑” の一つに数えられるだけあって、
さすがに、そのアルカイックスマイルは、うっとりするくらいの美しさでした。
(ちなみに、あと二つは、モナリザとスフィンクス)
このスマイルにうっとりしない人はいないのではないでしょうか。
全女子の皆様、是非、このスマイルを会得されることをオススメします。
法隆寺と中宮寺だけで、計35件の国宝をゲット。
唐招提寺と薬師寺のを合わせると、計49件。
もうこの時点で、昨年の京都2daysと同じ数です。
(昨年のあの苦労はなんだったんだ・・・)
奈良県は国宝ハンターにとっての “夢の国” と言えるでしょう♪
ちなみに、法隆寺の境内だけでなく、
その周囲の街並みも風情があって印象的でした。
時間があれば、のんびりと散歩してみたい場所です。
野菜直売所が変なことになっていたのだけは、悪い夢であってほしいです (笑)
今現在の国宝ハンティング数 399/1085
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第五十四話 国宝ハンター、夢心地になる!
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