ここ数日、奈良県での取材の模様をレポートした記事が続いていましたので。
久しぶりに、東京でのアート情報を。
今回は、東京都写真美術館にて5月6日まで開催されている・・・
“アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密” をご紹介させて頂きます。
アーウィン・ブルーメンフェルド (1897~1969) は、
ファッション誌 『ヴォーグ』 や 『ハーパスバザー』 の表紙を100回以上も飾り、
「世界最高のファッション写真家」 とも、 「最も高い撮影料をとる写真家」 とも呼ばれた写真家です。
ファッション写真家と言えば、つい先日まで世田谷美術館にて、
「20世紀を代表するファッション写真家」 と称されるエドワード・スタイケンの写真展が開催されていたばかり。
あちらの写真展で、十分すぎるほど感銘を受けたので、
“いくら 「世界最高のファッション写真家」 と言えども、
もうそこまで感銘を受けることはないんじゃないかなァ・・・。”
と、高を括っていたのですが。
こちらの写真展でも、十分すぎるほど感銘を受けてしまいました。
高を括って、申し訳ありません。
まず何よりも、その “新鮮さ” に感銘を受けました。
↑これらは、ともにアメリカ版 『ヴォーグ』 の表紙を飾ったアーウィン・ブルーメンフェルドの写真。
2000年代に発行された雑誌の表紙と言っても十分に通用する気がしますが、
なんとなんと、ともに1953年号の アメリカ版 『ヴォーグ』 の表紙を飾った写真。
実に、60年も前に発行された雑誌の表紙を飾っていた写真なのです。
もちろん、この2点だけでなく、
“新鮮な” 感動を覚えるアーウィン流ファッション写真が多数紹介されていました。
エドワード・スタイケンのファッション写真のように、
モデルの魅力を最大限引き出しているような写真も、あるにはありましたが。
どちらかと言えば、アーウィン・ブルーメンフェルドの写真は、モデルを記号的に用いているような印象。
アートの1要素として捉えているような気がします。
それゆえ、エドワード・スタイケンの写真ほど万人受けはしないでしょうが、
よりアーティスティックな写真作品なので、アートファンには大いにウケると思いました。
また、 《無題》 のように、
想像力 (妄想力?) を掻き立てられる作品が多かったのも特徴的。
たった1枚の世界なのに、短編映画を見るかのような広がりが感じられました。
それだけ五感がフルで刺激される写真展ですので、
行かれる前日はぐっすりと寝て、精神的に万全のコンディションで臨まれることをオススメします。
個人的に最も印象に残ったのは、
ファッション写真家として成功する前に制作された 《ヒトラーの肖像(ヒトラーの顔)》 というモンタージュ作品。
ヒトラーの不気味さや暴力性が、実によく表現されていると思いました。
どんな文章や映像で伝えられるよりも、
この1枚の持つ圧倒的なイメージ力には敵わないのでは?
これだけの才能の持ち主であるアーウィン・ブルーメンフェルドが、
今の今まで日本で紹介されなかったことに驚き。
今回の日本初の個展が、知名度を浸透させる一つのきっかけになればいいのですが。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在6位です)
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アーウィン・ブルーメンフェルド 美の秘密
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