今年2013年は、ルネサンス美術の当たり年。
そのトップバッターを飾る “ラファエロ” に引き続き、
4月23日より東京都美術館で開催されている “レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像” に行ってきました。
そのお目当ては、何と言っても、 《アトランティコ手稿》
アトランティコ手稿 (←声に出すと、とても言いづらい!) とは、
レオナルドの遺品として残された1000枚以上の手稿を、後世に冊子の形式で集めたもので、
その名は、冊子に利用された紙が、 アトラス (地図帳) と同じ大型の判型だったことに由来するそうです。
400年以上の歴史を持つアンブロジアーナ図書館・絵画館には、
全部で405葉のアトランティコ手稿が所蔵されているそうで。
今回の美術展には、そのうちの22葉が出展されています。
たった22葉の手稿・・・つまりは、レオナルド・ダ・ヴィンチの個人的なネタ帳が22枚と侮るなかれ。
その22枚だけでも十分に、レオナルド・ダ・ヴィンチの天才ぶりを目の当たりにすることが出来ます。
上で紹介した画像 (《頭部の素描、作品リスト、アタランテ・ミリオロッティの肖像に関する言及》) は、いかにもネタ帳という感じですが。
プレゼン用に描かれたと思われる緻密な兵器の素描や、
影の理論について、レオナルド・ダ・ヴィンチが考証を重ねていた手稿などもあって、見応えはバッチリ。
また、中には、浮き輪をつけて泳ぐ男性の姿が描かれたものがあり、
その男性のイラストこそ、西洋美術史上初の泳ぐ人像であるかもしれないとのことでした。
《アトランティコ手稿》 の内容の素晴らしさに関しては、
凡才である自分の頭では、完全に理解することは不可能でしたが (笑)
それらの手稿から漂ってくる知のエッセンスは、ちゃんと受信できた気がします。
《アトランティコ手稿》 に触れたことで、ちょっとだけ頭が良くなった後は、 (←この発言が、そもそもバカっぽいw)
ポスターのメインビジュアルにも使われている・・・
レオナルド・ダ・ヴィンチのミラノ時代の傑作 《音楽家の肖像》 の元へ!
こちらは、イタリアのアンブロジアーナ図書館・絵画館が所蔵する傑作で、門外不出の一枚。
もちろん日本に来日するのは、今回が初めてです!
さてさて、そんな 《音楽家の肖像》 と初対面した率直な感想は・・・
「・・・・・あぁ、こういうレオナルド作品もあるのね」
でした。
“レオナルド・ダ・ヴィンチの作品は、すべからく鳥肌が立つ。”
それくらいのイメージを抱いていただけに。
想像していたよりも、 「フツー。」 な印象だったこちらの作品に、
僕の中で、勝手に落差を感じてしまいました。
おそらくレオナルド以外の画家の作品であったなら、
「なかなか迫るものがある肖像画だなァ」
と感銘を受けたのでしょうが。
レオナルドの作品だと知った上で観てしまうと、
「まぁ、うん。悪くはない肖像画だけどね。君は、もっと出来る子だよね?」
と、どうしても感じずにはいられませんf^^:
特に強く感じてしまったのが、頑張っているところと頑張っていないところ (←?) のギャップ。
顔の描写は、頑張っている気がしましたが、
それに比べると、手の表現は、そこまで頑張っていなかったように思います。
(他のレオナルドの作品は、指先の表現が特に素晴らしいので)
さらに言えば、服の表現は、手の表現以上に、頑張っていなかったような気がします。
頑張っていなさ過ぎて、
「あれっ、服を後ろ前に着ているの??」
と思ってしまったくらいに、不自然な描写でした (笑)
レオナルドの 《音楽家の肖像》 がメインの美術展と思って訪れるよりも、
レオナルドの 《アトランティコ手稿》 がメインの人文系展覧会と思って訪れることをオススメします。
ちなみに。
レオナルドの作品以外にも、レオナルドに影響を受けたレオナルデスキたちの作品も紹介されています。
その中で一番印象的だったのが、
ベルナルディーノ・ルイーニ (本名ベルナルディーノ・スカーピ) の《幼子イエスと子羊》 という作品。
幼子イエスが子羊に、チョークスリーパーを決めています (笑)
オチる寸前みたいな子羊の表情が、何とも言えません。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ展―天才の肖像
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