デパ地下で、よく見かける和菓子屋・宗家 源 吉兆庵。
その鎌倉本店に行ってきました。
もちろん、和菓子を買うのが主目的ではなく。
その鎌倉本店に併設されている・・・
鎌倉・吉兆庵美術館を訪れるのが主目的です。
虎屋にも虎屋文庫という企業ミュージアムがありますが、
宗家 源 吉兆庵にも、このような企業ミュージアムがあったのですね。
しかも、鎌倉だけでなく本社のある岡山県にも、岡山・吉兆庵美術館が存在するとのこと。
さすが、よくデパ地下で見かけるだけのことはあります (←?)
早速、美術館に中に入ってみると・・・
受付に誰も人がいません!!
「御用の方は呼び出しボタンを押してください」 とのことなので、
呼び出しボタンを押してみると、宗家 源 吉兆庵のお店の方から売り子さんがやって来ました (笑)
そんな仕組みから、なんとなく察しがついたのですが。
ほぼ貸切状態で、美術館を楽しむことが出来ました。
ただ、お客さんが少ないからと言って、
たいした美術館ではなかったかと言えば、そんなことはなく。
600円という入館料こそ、若干割高な気がしたものの、趣の感じられる良い美術館でした。
そんな鎌倉・吉兆庵美術館で、
現在、開催されているのは、 “ボンボニエールと和ランプの世界” という美術展。
吉兆庵が所蔵するボンボニエールと和ランプのコレクションを紹介する美術展です。
和ランプとは、その語感から予想が付くように、
和風のランプのことで、主に明治時代に生産されたランプのこと。
読んで字のごとしです。
しかし、あまり耳馴染みのないボンボニエールって、一体何でしょう・・・?
ボンボニエールとは、フランス語で飴を表す 「ボンボン」 を入れるための小物のこと。
つまり、飴玉や金平糖などを入れるケースのことです。
一般の人にとっては、フリスクケースのようには、目にすることのないボンボニエールですが。
実は、皇室の皆様の間では、お馴染みのもの。
というのも、明治時代より、皇室で行われる儀式や婚礼などのお祝い行事の記念品として、
列席者にボンボニエールが贈られているのだそうです。
ちなみに、そんな皇室の習慣は、現代でも続いているそうで、
最近では、2005年の紀宮様と黒田慶樹さんがご成婚された際に、
招待客にボンボニエールが配られたのだとか。
宗家 源 吉兆庵が、どのような伝手で手に入れたのかは、わかりかねますが。
今回の美術展では、約30点ほどの皇室ゆかりのボンボニエールが紹介されていました。
プレーンなタイプ (?) のボンボニエールから、
ユニークなタイプのボンボニエールまで。
そのバリエーションは、さまざま。
その優美かつ可愛らしい世界は、しばらく眺めていても飽きません。
また、皇室のお祝いのために作られているということもあって、細工の繊細さ・精巧さは最高級。
手のひらサイズの小さなボンボニエールの中には、
日本工芸の粋や日本美術のエッセンスが詰まっていました。
そして、金平糖も詰まっていました。
・・・と、企画展も、楽しませて頂きましたが。
個人的には、鎌倉ゆかりの人物として常設展示されている北大路魯山人の作品が印象的でした。
これまで他の美術館で、
北大路魯山人の陶芸作品を見ても 「ふ~ん。」 くらいにしか思わなかったのですが。
こちらの美術館では、例えば、 《備前金ツクロイ四方尺鉢》 の上に、
アユの塩焼き (もちろんサンプル) が盛り付けられていました。
その “しっくり感” と来たら、ありません!
北大路魯山人の陶芸作品は、料理を盛り付けてナンボ。
そのことを、ビジュアルでまざまざと見せつけられた気がしました。
また、盛り付け方も、さすが和菓子屋さんという感じで、本職ならでは。
是非、すべての北大路魯山人作品に、料理を盛り付けた展覧会を開催して頂きたいものです。
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ボンボニエールと和ランプの世界
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