かれこれ数年前のこと。
本屋さんの新刊コーナーにて、
梅佳代さんのデビュー写真集 『うめめ』 と出合って、衝撃 (いや、笑撃か) を受けました。
うめめ/リトルモア
¥1,890
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「なんだ、この写真集はwwwww」
そこに写っていたのは、日常の中の思わず笑ってしまう光景。
自分も芸人だった過去が長いので、
職業柄、笑ってしまう光景に出合うと、ケータイやデジカメに収めてしまいましたが。
その時までのマイベスト面白写真コレクションが、
『うめめ』 を見た瞬間に、一気に霞んでしまったのです。
「こ・・・この写真に負けた・・・orz」
その一番の敗因は、梅佳代さんの写真からは、
“笑わせてやる!” という気負いが、まったく感じられないこと。
それと比べると、笑わせる気満々で撮った自分の写真が、なんと浅ましいことか。
しかも、そんな超自然体で撮影された写真ながらも、
もはや笑いの神様が降臨したとしか思えない神がかった光景が広がっているではないですか。
それも一点だけでなく、何点も!
正直なところ、梅佳代さんの才能に嫉妬しました (笑)
芸人以外の方に対して、その才能を嫉妬したのは、後にも先にも、この時だけです。
それ以来、すっかり梅佳代さんは気になる存在に (←恋ではありません)
新作の写真集が出るたびにチェックしていました。
そして、今回ついに、東京オペラシティ アートギャラリーにて、
梅佳代さんの初個展 “梅佳代展 UMEKAYO” が開催されたとのこと。
嫉妬する気持ちを抑えて (?) 、行ってまいりました。
会場は、全部で6つのセクションによって構成されていました。
それらのセクションの中で、やはり白眉は、 「シャッターチャンス Part 1&2」 というセクション。
こちらでは、梅佳代さんの真骨頂とも言うべきストリートスナップの数々が紹介されています。
どの写真も、本っっっ当に面白い。
悔しいけど、面白い (笑)
美術館で、こんなにも笑いを堪えたのは初めての経験かもしれません。
また、壁一面がピンクに染められた 「女子中学生」 というセクションも見逃せません。
実は、こちらで紹介されている 「女子中学生」 シリーズは、
約10年ぶりに公開されているそうで、ある意味封印されていたシリーズです。
梅佳代さんが専門学生時代に仲良くなった近所の女子中学生を、学生寮に招き撮影。
その一連の写真の中で、女子中学生たちは、
パンツを見せたり、バナナを手に・・・(自主規制) と、やりたい放題 (笑)
とは言え、女子中学生なので、壇蜜のようなエロスは、かけらも感じられません
ただ、この被写体の彼女らは、さすがに今はいい大人になっているはず。
この当時の写真を見て、
「認めたくないものだな…、自分自身の…若さ故の過ちというものを…」
と、呟くであろうことは、想像に難くありません (笑)
会場では他にも、男子小学生たちのおバカな姿を捉えた 『男子』 や、
男子/リトル・モア
¥1,995
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梅佳代さんの実の祖父をモデルにした 『じいちゃんさま』 、
じいちゃんさま/リトル・モア
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そして、故郷の能登をテーマにした最新作 『のと』
のと/新潮社
¥2,415
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これらの3つの写真集が、そのまま1つのセクションとなっています。
ただ単に写真を並べるのではなく、
それぞれの写真集のテイストに合わせた展示になっていて好感が持てました。
「梅佳代さんの写真がアートなの?」
と問われれば、自信を持って、 「アートです。」 とは答えられませんが。
彼女の写真にとっては、そんなことはどうでもよくて、
自信を持って、 「こんなに楽しい写真は他にないですよ!」 と答えることは出来ます。
ここ数年で一番笑った美術展であることは確かです。
ちなみに。
美術展もさることながら、この梅佳代展の展覧会図録もナイスです。
アートディレクションは、祖父江慎さん。
そして、写真家で編集者の都築響一さんも特別に寄稿しています。
さらに、図録限定で公開されている・・・
シークレット作品 (袋とじ) もあります。
ある意味で、 「ムフフ」 となる写真でした。
気になった方は、是非、お手に取ってみてくださいませ。
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梅佳代展 UMEKAYO
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