今回ご紹介させて頂くのは、
国立新美術館で開催中の “貴婦人と一角獣展” という美術展。
おそらく、2013年度もっとも見逃せない美術展は、この美術展でしょう。
(↑2013年度は、あと10ヶ月も残っているのに!)
自信を持って、3ツ星です。
とにもかくにも、 《貴婦人と一角獣》 が、来日したということが奇跡的すぎます!!
《貴婦人と一角獣》 とは、中世ヨーロッパ美術の最高傑作と称される6点セットのタピスリーです。
その6点のうち5点は、人間の五感をテーマにしており、以下のような図案になっています。
・貴婦人が一角獣の角を触っている 「触覚」
・貴婦人が肩に乗ったオウムに餌を与えている 「味覚」
・貴婦人が花の香りを嗅ぎながら (?) 花冠を編んでいる 「嗅覚」
・貴婦人のオルガン演奏に一角獣が耳を傾けている 「聴覚」
・貴婦人が手に持った鏡を一角獣が覗き込んでいる 「視覚」
そして、6点のうちの残りの1点は、
唯一画面の中に 「我が唯一つの望みに」 という文字が書き込まれた謎多きタピスリー。
第六感を表しているとも、愛を表しているとも、諸説はさまざまなのだとか。
今回の美術展には、奇跡的にも、この6点がすべて来日!
しかも、このタピスリーが、奇跡的にもフランス国外に貸し出されるのは、なんと今回が2回目!!
約130年前に、フランス国立クリュニー中世美術館に所蔵されて以来、
過去にフランス国外に貸し出されたのは、メトロポリタン美術館1館だけだったのです。
間違いなく、こんな奇跡的な機会は、もう二度とありません。
この機会を逃したら、もう日本で 《貴婦人と一角獣》 に出合える可能性はないでしょう。
「じゃあ、いつ行くか?今でしょ!」 というわけです (←これが言いたかったw)
というわけで、僕も、 「今でしょ!」 とばかりに、
ドヤ顔で(?)、国立新美術館に足を運んできたわけなのですが。
会場に入って間もなく、不意打ちのように広がる 《貴婦人と一角獣》 の展示空間に、思わず息を呑みました。
「・・・・・・・・。」 (←無表情で驚いている)
人は、あまりに感動すると、表情がスッと消えるようです。
ドヤ顔なんかしている余裕はありません。
それぞれが、約3メートル四方もある 《貴婦人と一角獣》。
実質的なスケール感も当然あったのでしょうが、
それ以上に、 《貴婦人と一角獣》 そのものが放つオーラが圧倒的過ぎて、
たった6点のタピスリーが展示されているだけでも、とてつもなく贅沢で濃い展示空間に感じられます。
また、いつもは殺風景な国立新美術館の展示室が、
《貴婦人と一角獣》 の存在感によって、まるでヨーロッパの古城の大広間のように感じられました。
こんなにも場の空気を一変させてしまうタピスリーがあったのですね。。。
さすが、フランスの至宝です。
もちろん、その空間を楽しむために、会場全体を俯瞰して見るのも一つのポイントなのですが。
《貴婦人と一角獣》は、ただ大きいだけの大味なタピスリーに非ず。
近づいて見てみれば見るほど、
とても丁寧な仕事がなされた繊細な表現のタピスリーであることがわかります。
離れて観てみたり、近づいて観てみたり、
そうこう繰り返すだけで、ゆうに1時間は楽しめました。
1時間も観賞していたので、いろいろと思うことはあったのですが。
とりあえず一番気になったのは、
《貴婦人と一角獣》 と呼ばれながらも、どのタペスリーにもライオンが登場しています。
存在を無視されているライオン君が、何ともいじらしいので、いっぱい注目してあげてください。
それと、もう一つ気になったのが、 “「視覚」 の貴婦人だけ、やけに疲れてない??” ということ (笑)
他の貴婦人は、
↑このように、美しい貴婦人なのですが。
「視覚」 の貴婦人だけは・・・。
なんという肌のたるみ!なんというほうれい線!!
この貴婦人だけ、肌にいい化粧品の使用前の写真みたいな感じです (笑)
「視覚」 だけには、他の5点と違って、
一角獣やライオン、ウサギや猿以外に、どうやら “クマ” もいるようです。
ちなみに。
《貴婦人と一角獣》 の話に終始しましたが、
会場では他に、国立クリュニー中世美術館のコレクションが約40点ほど紹介されています。
こちらも、どうぞ併せてお楽しみくださいませ。
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貴婦人と一角獣展
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