日本初。
さらには、アジアでも初となるフランシス・ベーコンの回顧展に、滑り込みで行ってきました
“フランシス・ベーコン展” は、東京国立近代美術館にて5月26日まで。
あと一週間を切ってますので、まだ行かれていない方は、要チェックです。
フランシス・ベーコン。
名前だけ聞くと、大変美味しそうなイメージが浮かびますが。
実際の彼の作風は、その真逆 (←?)
《人物像習作Ⅱ》 にしても、
1945-46年 ハダースフィールド美術館蔵
Kirkless Collection, Presented to Batley Art Gallery by the Contemporary Art Society, 1952
ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012 Z0012
《叫ぶ教皇の頭部のための習作》 にしても、
1952年 イエール・ブリティッシュ・アート・センター蔵
Gift of Beekman C. and Margaret H. Cannon ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012 Z0012
《ジョージ・ダイアの三習作》 にしても。
1969年 ルイジアナ近代美術館蔵
Donation: The New Carlsberg Foundation ⓒ The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2012Z0012
禍々しいこと、この上なしの作風です。
一度目にしたなら、しばらく脳裏にこびりつくこと必至。
当面の間は、食欲が減退するやもしれません (笑)
おそらく、ベーコンの作品を初めて目にした方の中には、
「うわぁ・・・・・(((((((;゚;Д;゚;ノ)ノ」
と、ドン引きしている人もいらっしゃることでしょうが。
こういう作風の絵ながらも愛好家は多く、
2008年のオークションでは、彼の絵が8620万ドル (約90億2000万円) で落札されたのだとか。
ちなみに、僕個人も、ベーコンの作品は嫌いではありません。
正直、最初にベーコンの絵を見た時は、
「うわぁ・・・・・(((((((;゚;Д;゚;ノ)ノ」
と引いてしまったのですが。
何度か目にするたびに、嫌悪感は薄れていき、
今ではすっかり、ベーコンの世界観がクセになっています (=“好き”というのとは、ちょっと違う)
暴力性や衝動性を強く連想する一方で、
画面全体には、深淵で哲学的な雰囲気も漂っています。
そのアンビバレンスさこそが、ベーコン作品の最大の魅力。
なんとも絶妙な緊張状態が、そこにはあるような気がします。
また、画面は決して無音ではなく、どこかノイズのような音を感じます。
暴力性、哲学的、ノイズ。
この3つのキーワードに思い至った時、
自分の中で、はたと膝を打つものがありました。
「あ、だから、自分は、ベーコンの作品に惹かれるんだ」
フランシス・ベーコンの世界観は、
僕が高校時代にどハマりした椎名林檎の世界観に、どことなく通じている気がしたのです。
絵と音楽という表現は違えど、
その作品が、心にダイレクトに訴えてくるところも似ていますし、
作品全体に漂う独特の艶めかしさのようなものも共通している気がします。
そして、実は、今回のフランシス・ベーコン展で、
さらなる椎名林檎との共通点を発見してしまいました。
『本能』 のPVでは、ガラスがとても重要な要素になっています。
フランシス・ベーコンの作品もまた然り。
ほとんどの作品が、ガラス+金縁の額という額装になっていました。
ベーコンは、絵と見る者の間に、
あえてガラス板を置くことによって、なるべく両者の間に距離を取りたかったのだとか。
「それを踏まえた展示なので、ガラス板が入っていて見え辛いですが、
何卒ご容赦ください」 的なキャプションが、会場では何度も登場していました。
あまりに何度も登場するので、 「いや、一回で十分ですよ。」 と言いたくなったほどです (笑)
確実に、人によって好き嫌いが分かれる美術展だと思います。
そして、どちらかと言えば、嫌い寄りの美術展なのでしょう。
が、しかし、フランシス・ベーコンの作品を見ておくことは、
今後の美術館賞をする上での血となり肉となることは確実だと思います。
そういう意味でも、2ツ星。
ちなみに。
個人的に一番印象に残ったのは、
ベーコンによる最後の三幅対である ニューヨーク近代美術館蔵の 《三幅対》 です。
(ベーコンは、よく三幅対の作品を制作していました)
Digital Image © 2012 The Museum of Modern Art/Scala,
Florence © The Estate of Francis Bacon. All rights reserved. DACS 2013 Z0012
向かって右に描かれているのが、フランシス・ベーコン本人。
そして、向かって左に描かれているのは、
諸説あるそうなのですが、なんとアイルトン・セナかもしれないのだとか。
この作品が発表された数年後に、
セナが事故に遭ったのかと思うと、ちょっと背筋がヒヤッとしました。
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フランシス・ベーコン展
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