これまでに 『美女』 をテーマにした美術展は、数多く開催されているのでしょうが。
現在、弥生美術館では、 『悪女』 をテーマにした美術展が開催されています。
“「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展 -大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち-” は、6月30日まで。
官能的な魅力によって男性を支配し、ついには破滅させる悪女。
美の追求のためなら殺人をも厭わない悪女。
そして、悪女というよりは、もはや妖怪。
橘小夢 《玉藻の前》
・・・などなど、日本の文学に登場した、実に様々な悪女の挿絵が紹介されています。
さしずめ、 「ドキッ!丸ごと挿絵!悪女だらけの美術展」 といったところでしょうか。
悪女に憧れる女子および悪女に苛められたい (?) Mっ気のある男子にオススメの美術展です。
本物の悪女には、なるべく近づきたくない僕ですが (笑)
今回の悪女展に関しては、前に乗り出すように見入ってしまいました。
というのも、さすが出版美術に特化した美術館だけに、
おそらく弥生美術館でなければ発掘できないようなマニアックな挿絵画家が多数紹介されていました。
逆に言えば、今回の美術展が無ければ、
もしかしたら一生その名を聞くことがなかったかもしれない挿絵画家が多数紹介されています。
例えば、竹中英太郎 (1906~1988)。
「あなたの挿し絵は妖気に充ち充ちている」 と編集者に言わしめたとされる挿絵画家です。
確かに、妖気が充ち充ちていました。
一度目にしたら忘れられないインパクトがあります。
続いて、水島爾保布 (1884~1958)
“爾保布” と書いて、 “におう” と読みます。
そのモノクロの世界観は、まるでビアズリー。
和製ビアズリーです。
伊藤彦造 (1904~2004) も、今回の美術展で初めて知った人物の一人。
『月刊劇漫スペシャル』 の表紙のような。
何とも劇画タッチのイラストを描く人物だなぁと思ったら、
挿絵画家でもありながら、伊藤一刀斉の末裔に生まれ、剣豪でもあった人物とのこと。
どうりで殺気のような凄味が絵に漂っているはずです。
他にも、まだまだマニアックな挿絵画家が紹介されていましたが。
(もちろん、小村雪岱や高畠華宵のように、知名度のある挿絵画家の作品も展示されています!)
極めつけとなるのが、月岡夕実なる挿絵画家。
生年も没年もわからず、出身地もわからない謎の挿絵画家なのだそうです。
挙句には、男か女かもわからないとのこと。
一体、何者??
仮に女だとしたなら、彼女ほどミステリアスな女性は、そうそういないことでしょう。
月岡夕実もまた悪女と言えそうです。
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「魔性の女」挿絵(イラストレーション)展
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