先日、相田みつを美術館に行ってきました。
意外にも、相田みつを美術館を観シュランガイドで取り上げるのは、今回が初めて。
これまで相田みつを美術館に、なかなか足を運ぶ気になれなかったのは、
「まぁ、イイこと言ってるヘタウマな字の詩が飾られているだけだろうからなぁ」
としか思えなかったからに、他なりません。
僕はどうにも昔から、 “感動的な” ものが苦手でして。
映画も小説もドラマも、 “感動的な” という煽りがあると、食指が動かないのです。
そういうタイプのにんげんだもの。
というわけで、これまで縁のなかった相田みつを美術館なのですが。
今回初めて足を踏み入れ、ちゃんと相田みつをさんの作品と向き合った結果・・・
いかに自分が相田みつをさんを誤解していたかを痛感しました!!
誤解どころか大誤解です。
相田みつをさんの詩を、これまでに何編か読んだだけで、勝手にイメージを決めつけていたようです。
ろくに知ろうともせず、知ってるつもりになるというのは、一番やってはいけないことですね。
久しぶりに、人として反省しました。
ただ、僕ほどではないものの、
相田みつを美術館に行ったことがない方や、彼の本を読んでいない方の多くが、
相田みつをさんという人物を誤解しているような気がします。
古今東西さまざまなアーティストがいますが、
相田みつをさんほど誤解されているアーティストはいないのではないでしょうか。
例えば。
「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージを抱いていたのですが。
意外なほど、日常に感じたことを、ふと呟いているだけのような作品も多くみられました。
そこに、イイことを言おうという気負いは全くなく、
誰に聞かせるわけでもなく、ただただ自然体で言葉を紡いでいる。
そんな印象でした。
詩というよりも、twitterやfacebookに近い気がします。
フォローしている人のtwitterの投稿が、タイムラインをするする流れていくように、
相田みつをさんの作品も、サラッと見ていくと、するする流れていってしまうのですが。
たまに、グッと共感できる作品があって、
そういう作品に出合うと、ついリツイートや 「いいね!」 をしたくなりました (笑)
また、 「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージだっただけに、
そんなに人生で苦労していないような印象を抱いていたのですが。
ベストセラーとなった詩集 『にんげんだもの』 が出版されたのが、
なんと60歳の時だったという事実を知って、驚愕も驚愕。
書家を目指したのが19歳の時ですから、
ブレイクするまでに、実に40年以上かかっているではないですか?!
スギちゃんよりも、綾小路きみまろよりも、下積み時代が長いではないですか?!!
それだけ大変な苦労をされたのにも関わらず、
あんなにも自然体でいられたことに、さらに驚愕です。
・・・と、人となりに関して、かなりの誤解をしていたことが発覚しましたが。
書家として、アーティストとしても、かなりの誤解をしていたことも発覚しました。
味のある字だとは思いますが、お世辞にも上手いようには感じられません。
書かれている詩から受ける印象も手伝って、
「下手な字だっていいじゃないか にんげんだもの」
と、自身の字が下手であることを開き直って、思うがままに文字を書いている人。
そんなアーティスト像を抱いていたのですが。
実際の相田みつをさんは・・・
1つの詩に対して、何十枚何百枚も取り組んでいたようで。
その都度、気に入らない書が、山のようになっていたそうな (・・・というか、むしろ山そのもの) 。
この気に入らなかった書は、すべて焼いて処分していたというほど、
自分自身の作品に真剣に向き合った、ストイックな書家だったようです。
そもそも、書家としては、かなりアバンギャルドな方だったようです。
僕は、ブレイクした後の相田みつをさんしか知らなかったので、
「自分の詩を、自分で書く」 という相田みつをスタイルを、当たり前のように感じていましたが。
普通の書家は、既存の詩や言葉を書くのが一般的。
音楽家で言うならば、クラシックの名曲を演奏するようなものです。
ところが、書壇に属さず、独自で道を切り開いた相田みつをさんは、
自分で紡いだ詩を、自ら書にするという独自のスタイルに辿り着きました。
音楽で言うならば、まさにシンガーソングライターのようなもの。
吉田拓郎とか井上陽水とか中島みゆきとか松任谷由美のような書家だったのです。
そういう目で観てみると、どの作品も、途端に新鮮に感じられるではないですか。
特に、この 《みんなほんもの》 という作品なんて・・・
SM●Pの 『世●に一つだけの花を』 のようではないですか?!
・・・って、もちろん、こちらの詩のほうが、かなり前に発表されています。
シンガーソングライターとしては、
相田みつをさんは、槙原●之の大先輩に当たるのですね。
ちなみに、美術館では、詩のような作品だけでなく、
『不』 や 『ゆ』 、『念』 など、一字を書いた作品も数点紹介されていました。
それらの作品は、書というよりも、抽象絵画のような印象。
たかが一字。されど一字。
あんなにもイマジネーションが膨らむ書に、初めて出合った気がします。
アートテラー的には、こちらのタイプの作品の方が好きでした。
何はともあれ、僕のように、
なんとなく相田みつをを知っている気になっている人にこそ、足を運んで頂きたい美術館です。
ただ相田みつを作品が並べられているだけでなく、
インタラクティブな映像展示など、楽しませる工夫が随所に見られるのもポイントです。
現在、そんな相田みつを美術館では、彼の代表作の一つ 《受身》 にちなんで、
“受身-負ける練習-” が開催されています。
相田みつをさんに関して知った気になっていた人は、
是非、この展覧会に足を運んで、僕のように、 “ころんで” きてくださいませ (笑)
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在12位です)
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意外にも、相田みつを美術館を観シュランガイドで取り上げるのは、今回が初めて。
これまで相田みつを美術館に、なかなか足を運ぶ気になれなかったのは、
「まぁ、イイこと言ってるヘタウマな字の詩が飾られているだけだろうからなぁ」
としか思えなかったからに、他なりません。
僕はどうにも昔から、 “感動的な” ものが苦手でして。
映画も小説もドラマも、 “感動的な” という煽りがあると、食指が動かないのです。
そういうタイプのにんげんだもの。
というわけで、これまで縁のなかった相田みつを美術館なのですが。
今回初めて足を踏み入れ、ちゃんと相田みつをさんの作品と向き合った結果・・・
いかに自分が相田みつをさんを誤解していたかを痛感しました!!
誤解どころか大誤解です。
相田みつをさんの詩を、これまでに何編か読んだだけで、勝手にイメージを決めつけていたようです。
ろくに知ろうともせず、知ってるつもりになるというのは、一番やってはいけないことですね。
久しぶりに、人として反省しました。
ただ、僕ほどではないものの、
相田みつを美術館に行ったことがない方や、彼の本を読んでいない方の多くが、
相田みつをさんという人物を誤解しているような気がします。
古今東西さまざまなアーティストがいますが、
相田みつをさんほど誤解されているアーティストはいないのではないでしょうか。
例えば。
「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージを抱いていたのですが。
意外なほど、日常に感じたことを、ふと呟いているだけのような作品も多くみられました。
そこに、イイことを言おうという気負いは全くなく、
誰に聞かせるわけでもなく、ただただ自然体で言葉を紡いでいる。
そんな印象でした。
詩というよりも、twitterやfacebookに近い気がします。
フォローしている人のtwitterの投稿が、タイムラインをするする流れていくように、
相田みつをさんの作品も、サラッと見ていくと、するする流れていってしまうのですが。
たまに、グッと共感できる作品があって、
そういう作品に出合うと、ついリツイートや 「いいね!」 をしたくなりました (笑)
また、 「相田みつを=イイことばっかり言ってる人」 というイメージだっただけに、
そんなに人生で苦労していないような印象を抱いていたのですが。
ベストセラーとなった詩集 『にんげんだもの』 が出版されたのが、
なんと60歳の時だったという事実を知って、驚愕も驚愕。
書家を目指したのが19歳の時ですから、
ブレイクするまでに、実に40年以上かかっているではないですか?!
スギちゃんよりも、綾小路きみまろよりも、下積み時代が長いではないですか?!!
それだけ大変な苦労をされたのにも関わらず、
あんなにも自然体でいられたことに、さらに驚愕です。
・・・と、人となりに関して、かなりの誤解をしていたことが発覚しましたが。
書家として、アーティストとしても、かなりの誤解をしていたことも発覚しました。
味のある字だとは思いますが、お世辞にも上手いようには感じられません。
書かれている詩から受ける印象も手伝って、
「下手な字だっていいじゃないか にんげんだもの」
と、自身の字が下手であることを開き直って、思うがままに文字を書いている人。
そんなアーティスト像を抱いていたのですが。
実際の相田みつをさんは・・・
1つの詩に対して、何十枚何百枚も取り組んでいたようで。
その都度、気に入らない書が、山のようになっていたそうな (・・・というか、むしろ山そのもの) 。
この気に入らなかった書は、すべて焼いて処分していたというほど、
自分自身の作品に真剣に向き合った、ストイックな書家だったようです。
そもそも、書家としては、かなりアバンギャルドな方だったようです。
僕は、ブレイクした後の相田みつをさんしか知らなかったので、
「自分の詩を、自分で書く」 という相田みつをスタイルを、当たり前のように感じていましたが。
普通の書家は、既存の詩や言葉を書くのが一般的。
音楽家で言うならば、クラシックの名曲を演奏するようなものです。
ところが、書壇に属さず、独自で道を切り開いた相田みつをさんは、
自分で紡いだ詩を、自ら書にするという独自のスタイルに辿り着きました。
音楽で言うならば、まさにシンガーソングライターのようなもの。
吉田拓郎とか井上陽水とか中島みゆきとか松任谷由美のような書家だったのです。
そういう目で観てみると、どの作品も、途端に新鮮に感じられるではないですか。
特に、この 《みんなほんもの》 という作品なんて・・・
SM●Pの 『世●に一つだけの花を』 のようではないですか?!
・・・って、もちろん、こちらの詩のほうが、かなり前に発表されています。
シンガーソングライターとしては、
相田みつをさんは、槙原●之の大先輩に当たるのですね。
ちなみに、美術館では、詩のような作品だけでなく、
『不』 や 『ゆ』 、『念』 など、一字を書いた作品も数点紹介されていました。
それらの作品は、書というよりも、抽象絵画のような印象。
たかが一字。されど一字。
あんなにもイマジネーションが膨らむ書に、初めて出合った気がします。
アートテラー的には、こちらのタイプの作品の方が好きでした。
何はともあれ、僕のように、
なんとなく相田みつをを知っている気になっている人にこそ、足を運んで頂きたい美術館です。
ただ相田みつを作品が並べられているだけでなく、
インタラクティブな映像展示など、楽しませる工夫が随所に見られるのもポイントです。
現在、そんな相田みつを美術館では、彼の代表作の一つ 《受身》 にちなんで、
“受身-負ける練習-” が開催されています。
相田みつをさんに関して知った気になっていた人は、
是非、この展覧会に足を運んで、僕のように、 “ころんで” きてくださいませ (笑)
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