今回ご紹介するのは、Bunkamuraザ･ミュージアムで8月4日まで開催中の “レオ・レオニ 絵本のしごと” 。
生誕100年を迎えた絵本作家レオ・レオニ （1910～1999） の作品世界を紹介する美術展です。
「えっ、レオ・レオニ？誰？？ （野比のび太みたいな名前だけど・・・）」
という方でも、きっとレオ・レオニの代表作は知っているはず。
実は、国語の教科書でもお馴染みの 『スイミー』 や、
スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし/好学社
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『アレクサンダとぜんまいねずみ』 を生み出したのが、何を隠そう、レオ・レオニなのです。
アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし/好学社
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今回の美術展では、そんなレオ・レオニの絵本の原画が、約100点も紹介されています。
残念ながら、 『スイミー』 の原画こそありませんでしたが、
『アレクサンダとぜんまいねずみ』 をはじめ、
《「アレクサンダとぜんまいねずみ」 1969年》
©1969, renewed 1997 by Leo Lionni / Pantheon
『フレデリック』 や、
《「フレデリック」 1967年》
©1967, renewed 1995 by Leo Lionni / Pantheon
『平行植物』 などなど、
《「メデタシ」 1973年 「平行植物」シリーズより》
数々の代表作の原画を目の当たりにすることが出来ます。
これまでに、いろいろな絵本の原画展を観賞してきましたが、
今回のレオ・レオニ展ほど、原画を目にして、いちいち新鮮な驚きを覚えた美術展はありません。
というのも、印刷されてしまった状態 （＝絵本として目に触れる場合） では、
そこまで表現技法に意識が向いたことがなかったのですが。
水彩で描かれているものがあれば、油彩や色鉛筆で描かれたものもあり。
さらには、テンペラ画の技法を使ったものもあれば、
《チコときんいろのつばさ》 1964年
©1964, renewed 1992 by Leo Lionni / Pantheon
コラージュで製作されたものなど、
《コーネリアス》 1983年
©1983 by Leo Lionni / Pantheon Works by Leo Lionni, On Loan By The Lionni Family
その表現技法は、実に多彩で多種多様。
レオ・レオニのアーティストとしての引き出しの多さに、目を奪われてしまいます。
あまりの変幻自在ぶりに、ちょっとしたイリュージョンを見せられているかのようでした。
また、表現技法以上に、目を惹くのが、色彩の美しさです。
絵本でも十分美しいですが、原画における色彩の美しさは、その数倍、いや数十倍。
単なる絵本の原画というレベルを、軽く超えています。
色彩の魔術師と呼ばれているマティスやシャガールと比べても、
その才能は引けを取らないのではないでしょうか。
ちなみに。
自分は土曜日の日中に、会場を訪れたのですが、
いつになく、小さな子供たちが多かったのが、何よりも印象的でした。
人によっては、
“美術館では静かに作品に向き合いたいから、子供たちがいなそうな時間に行こうかなァ”
と考える人もいらっしゃるでしょうが。
個人的には、今回のレオ・レオニ展は、
子供たちがワイワイ賑やかにしている時間に、あえて行くのをオススメします。
レオ・レオニの原画を見て、子供たちが目を輝かせていたり、
会場に用意されているレオ・レオニの絵本を子供が読んでいたり、親が子に読み聞かせていたり。
それらの光景も全てひっくるめて、レオ・レオニの世界という感じがしました。
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レオ・レオニ 絵本のしごと
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