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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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アートがあればⅡ

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東京オペラシティアートギャラリーにて、2004年に開催された美術展 “アートがあれば” 。
これは、当時注目を受け始めたばかりの 『個人コレクション』 に焦点を当てたもので、
9人のアートコレクターさんのプライベートコレクションを紹介しながら、
コレクションのあり方や、アートと共に暮らすライフスタイルに迫るという斬新な企画でした。
この時、紹介されていたアートコレクターさんの中に、
サラリーマン・アートコレクターとして有名なM・Dさんや、
高橋コレクションでお馴染みのT・Rさんも含まれていたのは、もはや語り草となっているほどです。

そんな伝説の美術展 “アートがあれば” から9年。
その続編にして最新作となる “アートがあればⅡ” が、
同じく、東京オペラシティアートギャラリーにて開催されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アートがあれば


アートコレクターさんのラインナップは、前回から一新。
今回は、新たに9名のアートコレクターさんのプライベートコレクションが紹介されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-E.Y.  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-A.K.

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アートがあれば  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アートがあれば

(注:この記事に使用している写真は、特別に東京オペラシティアートギャラリーさんより提供頂いたものです)


基本的に、会場は、アートコレクターさんごとに仕切られており、
それぞれのブロックで、一人のアートコレクターさんのコレクション群と向き合える作りになっています。
作品一つ一つを見てみると、もちろん作家さんの個性が表れているのですが、
コレクション全体を俯瞰して見てみると、コレクターさんの個性が感じられるのが面白かったです。
なんとなく好きな作品の傾向というのが、見えてくるのです。

さてさて、今回紹介されているアートコレクターさんの多くは、
会社員だったり、主婦だったり、デザイナーだったりと、おそらく普通の方々。
それだけに、

“社長さんやお金持ちな方のアートコレクションと比べると、そこまで大したコレクションではないのかなァ”

と、大変失礼なことを思っていたのですが。
今回の出展アーティストの一部を紹介しますと、

村上隆、奈良美智、会田誠、蜷川実花、森村泰昌、曽根裕、Chim↑Pom、小谷元彦、
ロバート・メイプルソープ、ヨーゼフ・ボイス、ジャン・フォートリエ、マン・レイ・・・etc


と、普通の美術展と比べても、全く遜色のない顔ぶれ。
むしろ、普通の美術展以上に、出展メンバーが豪華だったかもしれません。
主に出展作家は、現代のアーティストなので、
現代アートファンならば、見逃せない美術展と言えましょう。
なにせ、展示されている作品は、すべて個人蔵ですからね。


ただ、一つ注意しなくてはいけないことが。
普通の美術展で、お気に入りの作品と出合った場合、

「わ~、いい作品だなぁ♪(でも、買えないよな)

と思うのに対して。
今回の美術展で、お気に入りの作品と出合った場合、

「わ~、いい作品だなぁ・・・・って、くっそー、自分も欲しい!」

と、つい思ってしまいがち。
(感動を素直に受け入れられませんw)

そう、今回出展されていたアート作品は、
“チャンスがあれば” 、 “その気があれば” 、自分も手にすることが出来たかもしれないものばかり。
(僕の場合、さらに、 “お金があれば” と “置くスペースがあれば” が追加されますw)
ただ単にアートを観て終わりという美術展ではなく、
いやがうえにも、 “我が家にこれらのアートがあれば” と考えさせられる美術展です。
そういう意味では、これまでにない観賞体験が味わえるはず。
アートと自分との間に横たわる距離を、少なからず近づけてくれる美術展でした。
星星
個人的な要望としては、
アートコレクターさん本人の証言 (質問に対する回答) だけでなく、
アートコレクターさんの家族の証言もあれば・・・と。
その方が、アートのある生活が、より想像できた気がします(笑)




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