昨年の夏には、 “青山杉雨の眼と書” を。
今年の頭には、 “書聖 王羲之” を。
ここ最近、東京国立博物館では、 『書』 をテーマにした展覧会が立て続けに開催されていました。
そんな東京国立博物館で新しく始まったのが、 “和様の書” なる展覧会。
こちらは、和様の書・・・つまり、仮名と漢字が融合した日本独自の書の魅力に迫る展覧会です。
・・・・・・・・・・・・・。
正直なところ、そこまで書に興味が無い自分としては、
「『書』 の展覧会が多すぎでしょ!やってもいいけど、1年に1回まででしょ!!」
と言いたい (笑)
ただ、ここ最近、じわじわと美文字ブームが起こっていることもあって、
この展覧会を開催するのには、今がまさにベストのタイミングであることは確か。
「和様の書をテーマにした展覧会、いつやるか?今でしょ!」
そんな企画者側の気持ちもわかります。
ということで、大人しく引き下がって (?) 、
“和様の書” を観賞しにトーハクに行ってまいりました。
展示されていたのは、もちろん書ばかり。
ただ、一口に和様の書と言っても、
和様の書を創立した書家たちの名品や、
小野道風 《円珍贈法印大和尚位並智証大師諡号勅書》
天下人たちによる書に、
織田信長 《書状(与一郎宛)》
(注:展示は8月12日まで)
写経の名品に、
《竹生島経》
と、そのジャンルはさまざま。
中には、和様の書が書き込まれた着物などの工芸品や、
《厚板 金紅片身替詩歌模様》
和様の書が描きこまれた絵巻物などの絵画作品なんかも紹介されていたので、
《平治物語絵詞 六波羅行幸巻》
(注:展示は8月4日まで)
「書はよくわからないからなァ…」 と身構えていた自分でも、
飽きることなく、会場の最後まで楽しむことが出来ました。
また、出展作品の半数以上が、国宝や重要文化財ですし。
ユネスコの世界記憶遺産に認定されたばかりの藤原道長筆・国宝 《御堂関白記》 や、
先日、日本最古級の仮名文字が発見されたと新聞の一面を飾った 《藤原良相邸跡出土墨書土器》 など、
貴重な名品の数々が、惜しげもなく紹介されていますので、
書のことがよくわからなくても、ミーハーな気持ちで楽しめる展覧会でした (笑)
ちなみに、不思議なもので、名品の数々にしばらく触れていると、
書に興味が無かった自分でも、なんとなく一流の書の魅力というものがわかってきました。
今回の展示品で、特に感銘を受けたのが、
仮名の代表とされる 《古今和歌集 巻第二十(高野切)》 。
美文字中の美文字です。
(注:展示は7月28日まで)
何と書かれているのかはわかりませんが (笑)
ただただ眺めているだけで、心地よさを感じる文字でした。
サラサラサラと涼しげな音が聞こえてくるような。
また、心地よさと同時に、こそばゆさも感じました。
柔らかい筆先で、心を直接撫でつけられたような。
この 《古今和歌集 巻第二十(高野切)》 に出合ったことで、
書に対する苦手意識が、かなり薄れたような気がします。
トーハクさん、来年も、 『書』 をテーマにした展覧会を開催してもいいですよ (←なぜに、上から?)
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和様の書
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