東京都美術館で開催中の “福田美蘭展” 。
そのブロガー特別内覧会に招待されましたので、喜んで伺わせて頂きました♪
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
福田美蘭さん (1963~) といえば、
『日本のエッシャー』 とも称される日本のトリックアート界の巨匠・福田繁雄を父に持つ作家。
当然、福田繁雄ファンの僕としては、
福田繁雄の娘・福田美蘭さんの動向に関心を寄せていました。
今回の福田美蘭展に出展されていたのは、
1990年代以降の代表作と、この美術展のために制作した新作20点をくわえた約70点。
それらをすべて観賞して、まず何よりも感じたのは、
“福田繁雄の娘だからスゴいんじゃなくて、純粋に福田美蘭さんはスゴい!”
ということ。
ユーモアのセンスは、父譲りかもしれませんが、作品のアイディアは、決して父譲りに非ず。
ちゃんとオリジナリティーを追及していました。
むしろ、父である福田繁雄が、いろいろなアイディアを出し尽してしまっている分、
それらのアイディアを使えないというハンデは大きいに違いありません。 (使うと、父の真似したと言われてしまう)
ただ、現時点で、ここまで面白い作品を、次々に生み出している福田美蘭さん。
そのうち、福田美蘭さんが、福田繁雄の娘と紹介されるのではなく、
福田繁雄のほうが、あの福田美蘭さんの父と紹介される日は、そう遠くない気がしました。
ではでは、具体的に、どのような作品があったのか。
本当なら、全部紹介したいところですが。
是非、会場に足を運んで、笑って頂きたいので、
あえて、厳選して紹介することにいたしましょう。
例えば、画面左の 《道頓堀》 という作品。
普通に観たなら、
「あぁ、道頓堀の雰囲気が、よく描けてるなぁ」
くらいにしか思わないはず。
でも、よ~く画面を観てみると、何やら不思議なものが・・・
“あれっ?蝶つがい??”
実は、こちらの 《道頓堀》 という作品は、
上下2枚のパネルが蝶つがいで繋がっていて、パタンと折りたたむことが出来ます。
まず、上のパネルに、ネオンの絵を描き、
その絵具が乾かないうちに、パタンと折りたたむと・・・・・ハイ、道頓堀に映った様子も完成♪
なんと画期的な制作方法なのでしょうか。
また、画期的といえば、こんな作品も。
その名も、ズバリ 《床に置く絵》 。
床に置いてあるだけでも、画期的ですが。
さらに画期的なのは、踏んでもいいということ。
踏んでもいいと言われても、なかなか踏ん切りはつきません (笑)
しかし、せっかくなので、おすぎの如く (?) 踏んづけてみました。
福田美蘭さんのユーモアは、絵画作品だけでなく、立体作品でも遺憾なく発揮されています。
いろいろと紹介したい作品があるのですが、
あえて、一つに絞るのならば、 《べっ甲(サングラス)》 でしょうか。
「そっちかい!」 と気持ちよくツッコめる作品です (笑)
美術に詳しくない人でも楽しめる作品が大多数ですが、
美術史に残る名作をネタにしたパロディ系の作品が多いのも特徴です。
例えば、レンブラントの自画像の代表作の一つ 《パレットを持つ自画像》
レンブラントの背後に2つの円が描かれており、
かねてより、さまざまな研究者によって、いろいろな説が唱えられています。
福田美蘭説は、これまでに唱えられたどんな説よりも斬新な説でした。
・・・・・絶対、違うと思いますけど (笑)
それから、こんな作品も。
以前、自分も、そのあまりの可愛くなさゆえに、ブログでネタにした安井曾太郎の 《孫》 。
この 《孫》 の絵を基に、福田美蘭さんが生み出したのは、画面左の作品でした。
あぁ、普段から、このような顔の孫だったのですね (笑)
と、ここまで、ユーモア溢れる作品ばかりを選んで紹介してきましたが。
3・11の大震災をテーマにした連作など、
福田美蘭さんのジャーナリスティックな一面が垣間見える作品も多数展示されています。
ときどきニヤっとさせられて、ときどきドキッとさせられて。
実に、バランスの取れた構成の美術展でした。
東京都美術館で同時開催中の “ルーヴル美術館” のついでに行くのではなく、
むしろ、福田美蘭展のついでにルーヴル美術館展に行くというのが正解です。
ちなみに。
東京都美術館を設計した前川國男さんが、美術展の会場のどこかにいます。
(もちろん福田美蘭さんの作品ですw)
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福田美蘭展
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