“ミケランジェロ展” を十二分に堪能した後は、
いつものように、国立西洋美術館の常設展示室へ。
特別展を観賞した後に、のんびりと常設展示室を散策するのが、国立西洋美術館での僕の流儀。
・・・・・・・・のはずだったのですが。
常設展示室の入った瞬間に、飛び込んできた光景に、思わず目を疑いました。
「ろ、ろ、ロダンがいない!!」
いつもならば、ロダンのブロンズ彫刻群が出迎えてくれるはずなのに。
なぜか、それらの姿が一体も見えず・・・。
代わりに、そこにいたのは、何やら怪しげな彫刻たちでした。
(注:この記事に使用している写真は、特別に国立西洋美術館さんより提供頂いたものです)
「国立西洋美術館の常設展示室に、一体何が起きてるんだ・・・?!」
と、あるべきものがあるべき場所に無い光景に、動揺してしまいましたが。
のちに、現在、本館の常設展示室では、
“ル・コルビュジエと20世紀美術” という美術展が開催されている事実が判明。
あの怪しげな (?) 彫刻群は、すべてル・コルビュジエの手によるものと判明しました。
ル・コルビュジエと言えば、 「近代建築の三大巨匠」 の一人に数えられる世界的な建築家。
こちらの国立西洋美術館本館を設計した建築家としても知られています。
建築家としての功績・名声があまりに高すぎるため、意外と知られていませんが。
実は、ル・コルビュジエは、建築だけでなく、絵画や彫刻、版画などのジャンルでも活躍した人物なのです。
毎日の朝をアトリエでの絵画制作、午後を設計事務所での仕事にあてたという制作スタイルからもわかるように、
決して、建築家一辺倒の人物でがありませんでした。
まさに20世紀のミケランジェロとも言うべき、マルチクリエイターだったのです。
そんなル・コルビュジエの彫刻家や画家としての一面を、
彼の彫刻作品や絵画作品を中心に、彼に影響を与えた画家の作品を交えながら紹介していました。
あるべきものがあるべき場所になかったのは、ロダンの彫刻が展示されている部屋だけに非ず。
こちらも↓
こちらも↓
なんと本館常設展示室すべてが、ル・コルビュジエ仕様。
国立西洋美術館作品のマスターピースの代わりに、ずらりとル・コルビュジエの作品が並べられていました。
最初は、普段とはガラッと眺めの違う常設展示室に、戸惑いを隠せませんでしたが。
戸惑いに慣れてくると、そんな常設展示室の姿に、新鮮な感動がありました。
ちなみに、このような常設展示室全体を使っての展覧会は、ここ数年開催されていないとのこと。
国立西洋美術館の常設展示室に、ちょっとマンネリ感を抱いてしまっていた方は、必見のプログラムです!
ところで、国立西洋美術館が、これだけの数のル・コルビュジエ作品を所蔵していたのかと思いきや。
実は、今回出展されているのは、パリのル・コルビュジエ財団所蔵の作品と、
大成建設株式会社の持つル・コルビュジエコレクションの作品が中心となっています。
常設展示室で開催されていますが、内容は、ほぼ特別展。
現在、国立西洋美術館では、ミケランジェロ展と、
“ル・コルビュジエと20世紀美術” の2つの特別展が同時に開催されているようなものです。
これから国立西洋美術館に行かれる方は、是非、時間に余裕を持って、来館されることをオススメします。
さて、肝心のル・コルビュジエの作品についてですが。
正直なところ、個人的には、ル・コルビュジエの絵画そのものには、感じ入るものがありませんでした。
どこか野暮ったく、どこかパッとしない。
何というか、一味足りないような印象がしました。
しかし、絵画がパッとしなかった分でしょうか (?) 、
展示されていたル・コルビュジエの建築模型を観たとき、震えるほど感動を覚えました。
やはり、彼の才能は、建築の分野で一番発揮されるようです。
ル・コルビュジエは、きっと3次元のモノを制作する能力に長けているのでしょう。
もしくは、ル・コルビュジエは、常に3次元でモノを捉えているのかもしれません。
3次元でモノを捉えて、それをそのまま平面 (=絵画) に表そうとするから、
どこかチグハグな仕上がりになってしまっているのではないでしょうか。
それゆえ、ル・コルビュジエの平面作品を観賞するときは、
“これが立体だったら?” と想像しながら観るのがベスト。
そう想像しながら観ることで、はじめて絵画全体に血が通うような気がします。
ただ、今回展示されていたどのル・コルビュジエ作品よりも、
一番、印象的で感動的だったル・コルビュジエ作品は、国立西洋美術館の建物そのもの。
これまで何度も訪れていますが、建物そのものをそこまで意識したことがなかったのですが。
ル・コルビュジエの絵画や彫刻、建築模型が展示されたことで、
当然、彼が設計した建物そのものに意識が向くことが度々ありました。
そして、その都度、 「あれっ、こんなに居心地のいい空間だったっけ?」 と気づかされたのです。
日本で唯一のル・コルビュジエ建築である国立西洋美術館そのものを見直す、絶好の機会。
国立西洋美術館のことが、もっと好きになる美術展です。
┃会場:国立西洋美術館
┃会期:2013年8月6日(火)~11月4日(月・休)
┃休館日:月曜日(ただし、9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、17日、24日、10月15日(火)
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
いつものように、国立西洋美術館の常設展示室へ。
特別展を観賞した後に、のんびりと常設展示室を散策するのが、国立西洋美術館での僕の流儀。
・・・・・・・・のはずだったのですが。
常設展示室の入った瞬間に、飛び込んできた光景に、思わず目を疑いました。
「ろ、ろ、ロダンがいない!!」
いつもならば、ロダンのブロンズ彫刻群が出迎えてくれるはずなのに。
なぜか、それらの姿が一体も見えず・・・。
代わりに、そこにいたのは、何やら怪しげな彫刻たちでした。
(注:この記事に使用している写真は、特別に国立西洋美術館さんより提供頂いたものです)
「国立西洋美術館の常設展示室に、一体何が起きてるんだ・・・?!」
と、あるべきものがあるべき場所に無い光景に、動揺してしまいましたが。
のちに、現在、本館の常設展示室では、
“ル・コルビュジエと20世紀美術” という美術展が開催されている事実が判明。
あの怪しげな (?) 彫刻群は、すべてル・コルビュジエの手によるものと判明しました。
ル・コルビュジエと言えば、 「近代建築の三大巨匠」 の一人に数えられる世界的な建築家。
こちらの国立西洋美術館本館を設計した建築家としても知られています。
建築家としての功績・名声があまりに高すぎるため、意外と知られていませんが。
実は、ル・コルビュジエは、建築だけでなく、絵画や彫刻、版画などのジャンルでも活躍した人物なのです。
毎日の朝をアトリエでの絵画制作、午後を設計事務所での仕事にあてたという制作スタイルからもわかるように、
決して、建築家一辺倒の人物でがありませんでした。
まさに20世紀のミケランジェロとも言うべき、マルチクリエイターだったのです。
そんなル・コルビュジエの彫刻家や画家としての一面を、
彼の彫刻作品や絵画作品を中心に、彼に影響を与えた画家の作品を交えながら紹介していました。
あるべきものがあるべき場所になかったのは、ロダンの彫刻が展示されている部屋だけに非ず。
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なんと本館常設展示室すべてが、ル・コルビュジエ仕様。
国立西洋美術館作品のマスターピースの代わりに、ずらりとル・コルビュジエの作品が並べられていました。
最初は、普段とはガラッと眺めの違う常設展示室に、戸惑いを隠せませんでしたが。
戸惑いに慣れてくると、そんな常設展示室の姿に、新鮮な感動がありました。
ちなみに、このような常設展示室全体を使っての展覧会は、ここ数年開催されていないとのこと。
国立西洋美術館の常設展示室に、ちょっとマンネリ感を抱いてしまっていた方は、必見のプログラムです!
ところで、国立西洋美術館が、これだけの数のル・コルビュジエ作品を所蔵していたのかと思いきや。
実は、今回出展されているのは、パリのル・コルビュジエ財団所蔵の作品と、
大成建設株式会社の持つル・コルビュジエコレクションの作品が中心となっています。
常設展示室で開催されていますが、内容は、ほぼ特別展。
現在、国立西洋美術館では、ミケランジェロ展と、
“ル・コルビュジエと20世紀美術” の2つの特別展が同時に開催されているようなものです。
これから国立西洋美術館に行かれる方は、是非、時間に余裕を持って、来館されることをオススメします。
さて、肝心のル・コルビュジエの作品についてですが。
正直なところ、個人的には、ル・コルビュジエの絵画そのものには、感じ入るものがありませんでした。
どこか野暮ったく、どこかパッとしない。
何というか、一味足りないような印象がしました。
しかし、絵画がパッとしなかった分でしょうか (?) 、
展示されていたル・コルビュジエの建築模型を観たとき、震えるほど感動を覚えました。
やはり、彼の才能は、建築の分野で一番発揮されるようです。
ル・コルビュジエは、きっと3次元のモノを制作する能力に長けているのでしょう。
もしくは、ル・コルビュジエは、常に3次元でモノを捉えているのかもしれません。
3次元でモノを捉えて、それをそのまま平面 (=絵画) に表そうとするから、
どこかチグハグな仕上がりになってしまっているのではないでしょうか。
それゆえ、ル・コルビュジエの平面作品を観賞するときは、
“これが立体だったら?” と想像しながら観るのがベスト。
そう想像しながら観ることで、はじめて絵画全体に血が通うような気がします。
ただ、今回展示されていたどのル・コルビュジエ作品よりも、
一番、印象的で感動的だったル・コルビュジエ作品は、国立西洋美術館の建物そのもの。
これまで何度も訪れていますが、建物そのものをそこまで意識したことがなかったのですが。
ル・コルビュジエの絵画や彫刻、建築模型が展示されたことで、
当然、彼が設計した建物そのものに意識が向くことが度々ありました。
そして、その都度、 「あれっ、こんなに居心地のいい空間だったっけ?」 と気づかされたのです。
日本で唯一のル・コルビュジエ建築である国立西洋美術館そのものを見直す、絶好の機会。
国立西洋美術館のことが、もっと好きになる美術展です。
┃会場:国立西洋美術館
┃会期:2013年8月6日(火)~11月4日(月・休)
┃休館日:月曜日(ただし、9月16日、23日、10月14日、11月4日は開館)、17日、24日、10月15日(火)
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