普段、何げなく使っている (?) 美術用語。
それらの中には、実は、もともとはゲスい・・・つまり批判的な意味で使われていた言葉も存在しています。
そこで、今回は、知らず知らずのうちに作家を傷つけてしまうことがないように、
“意外とゲスい美術用語” を衝撃度順に、ランキング形式でご紹介いたします。
第7位 印象派
みんな大好き、印象派。
「印象派みたいな絵ですね~」 と言われて、イヤな気持ちになる人は、きっといないのではなかろうか。
しかし、ルイ・ルロワなる芸術評論家が、モネの 《印象・日の出》 を観て、
「何だ、この絵は、 (実体がなく) 印象しか描けてないじゃないか。描きかけの壁紙の方がましだ」
と皮肉ったのが、印象派という言葉の由来 (ルイ・ルロワは擁護派だったという説もあり)
というわけで、 「印象派みたいな絵ですね~」 と褒めると、相手には悪印象しか与えない可能性が高いです。
第6位 野獣派
原色を使った荒々しい色彩表現、
それも色で感情を表すということが、当時には、斬新すぎた野獣派。
当然、人々には受け入れがたかったようで。。。
マティスの 《緑のすじのある肖像(マティス夫人)》 を筆頭に、
その仲間たちによる作品で埋め尽くされた展覧会場を訪れた美術評論家のルイ・ヴォークセルは、
「野獣の檻の中にいるみたいだ!なんて日だ!!」
と、憤慨したのだとか。
ちなみに、英語では、フォービズム。
もし、 『けだもの派』 と和訳されてたら、マティスは日本で人気が出なかったことでしょう。
第5位 朦朧体
時は、明治。西洋画の技法が輸入され、日本画の人気はグングン下降線を辿ります。
そのピンチを救うべく、岡倉天心の指導のもと立ち上がったのが、若き横山大観や菱田春草。
彼らは、西洋画風の大気描写を日本画の新しい表現として取り入れます。
・・・・・と、そのニュー日本画を目にした日本画界の権威が、
「日本画の要となる墨線は、いずこに?てか、何か全体的にボヤ~ンとしてる。朦朧としてるよ。」
と、チクリ。
作品よりも、朦朧体と揶揄された大観たちの心境のほうが、モヤモヤしていたに違いない。
第4位 ラファエル前派
《オフィーリア》 を描いたミレイやロセッティを中心に、
1847年に結成されたイギリスの若手作家のグループ。
それが、ラファエル前派です。
若さゆえに (?) 、彼らは、それまでの巨匠たちを全否定。
「ルーベンスもレノルズの作品も、わざとらしい!
美術は、もっと原点に立ち戻るべきだぜ!!
じゃあ、どこまで立ち戻るの?ラファエロより前でしょ!」
という意味を込めて、ラファエル前派と名乗ったのです。
名指しで批判されたラファエロは、草葉の陰で泣いていたことでしょう。
そして、ラファエロなのに、ラファエルと微妙に名前が変えられているのも泣けます。
第3位 バロック
荘厳で華麗なバロック美術。
いい意味で使われているようにしか思えない、この美術用語も、実は、もともとは侮蔑的な言葉。
“歪んだ (いびつな)真珠” を意味するポルトガル語の 『barroco』 が語源とされています。
ルネサンス美術の反動で、やり過ぎ感が否めなかったバロック美術。
そのあたりが批判の対象となった模様です。
「やりすぎだぞ、バーロー」 的なことでしょうか。
第2位 マッキアイオーリ
マッキアイオーリ。
美味しそうなパスタ料理をイメージしてしまいがちですが (←?)
実際は、ここ最近、再評価熱が高まっている19世紀イタリアの芸術運動の名前です。
“マッキア” とは、シミや斑点のこと。
当時、斑点のような筆致で描くスタイルは、下絵の段階でしか用いられなかったようなのですが、
若きマッキアイオーリの画家たちは、完成段階の作品に、そのスタイルを用いてしまったのです。
そのアバンギャルドさ故、他の画家たちから、
「あいつらはシミのような描き方をするシミのような野郎だ!」
と、揶揄されたのだとか。
シミ呼ばわりは、堪えますね。
第1位 アシュカン派
アシュカン派とは、20世紀初頭にアメリカで誕生した芸術家のグループ。
大きな特徴は、ニューヨークの下町や労働者階級の人々の生活を写実的に描いたことです。
そのような画風のため、
「Hey!お前らは、路地裏のごみ箱まで描くのかい?」
と、アメリカ流ブラックジョークを浴びせられることしばし。
いつしか、ごみ箱を意味する 『アシュカン』 という言葉が定着してしまったのだとか。
シミ呼ばわり以上に、ごみ箱呼ばわりは、堪えます。
名誉棄損で訴訟してもいいレベルです。
実はゲスい美術用語は、他にもあります。
歴史に名を残した芸術家たちは、
作品と格闘していただけでなく、謂われなき誹謗中傷とも格闘していたのですね。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在12位です)
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それらの中には、実は、もともとはゲスい・・・つまり批判的な意味で使われていた言葉も存在しています。
そこで、今回は、知らず知らずのうちに作家を傷つけてしまうことがないように、
“意外とゲスい美術用語” を衝撃度順に、ランキング形式でご紹介いたします。
第7位 印象派
みんな大好き、印象派。
「印象派みたいな絵ですね~」 と言われて、イヤな気持ちになる人は、きっといないのではなかろうか。
しかし、ルイ・ルロワなる芸術評論家が、モネの 《印象・日の出》 を観て、
「何だ、この絵は、 (実体がなく) 印象しか描けてないじゃないか。描きかけの壁紙の方がましだ」
と皮肉ったのが、印象派という言葉の由来 (ルイ・ルロワは擁護派だったという説もあり)
というわけで、 「印象派みたいな絵ですね~」 と褒めると、相手には悪印象しか与えない可能性が高いです。
第6位 野獣派
原色を使った荒々しい色彩表現、
それも色で感情を表すということが、当時には、斬新すぎた野獣派。
当然、人々には受け入れがたかったようで。。。
マティスの 《緑のすじのある肖像(マティス夫人)》 を筆頭に、
その仲間たちによる作品で埋め尽くされた展覧会場を訪れた美術評論家のルイ・ヴォークセルは、
「野獣の檻の中にいるみたいだ!なんて日だ!!」
と、憤慨したのだとか。
ちなみに、英語では、フォービズム。
もし、 『けだもの派』 と和訳されてたら、マティスは日本で人気が出なかったことでしょう。
第5位 朦朧体
時は、明治。西洋画の技法が輸入され、日本画の人気はグングン下降線を辿ります。
そのピンチを救うべく、岡倉天心の指導のもと立ち上がったのが、若き横山大観や菱田春草。
彼らは、西洋画風の大気描写を日本画の新しい表現として取り入れます。
・・・・・と、そのニュー日本画を目にした日本画界の権威が、
「日本画の要となる墨線は、いずこに?てか、何か全体的にボヤ~ンとしてる。朦朧としてるよ。」
と、チクリ。
作品よりも、朦朧体と揶揄された大観たちの心境のほうが、モヤモヤしていたに違いない。
第4位 ラファエル前派
《オフィーリア》 を描いたミレイやロセッティを中心に、
1847年に結成されたイギリスの若手作家のグループ。
それが、ラファエル前派です。
若さゆえに (?) 、彼らは、それまでの巨匠たちを全否定。
「ルーベンスもレノルズの作品も、わざとらしい!
美術は、もっと原点に立ち戻るべきだぜ!!
じゃあ、どこまで立ち戻るの?ラファエロより前でしょ!」
という意味を込めて、ラファエル前派と名乗ったのです。
名指しで批判されたラファエロは、草葉の陰で泣いていたことでしょう。
そして、ラファエロなのに、ラファエルと微妙に名前が変えられているのも泣けます。
第3位 バロック
荘厳で華麗なバロック美術。
いい意味で使われているようにしか思えない、この美術用語も、実は、もともとは侮蔑的な言葉。
“歪んだ (いびつな)真珠” を意味するポルトガル語の 『barroco』 が語源とされています。
ルネサンス美術の反動で、やり過ぎ感が否めなかったバロック美術。
そのあたりが批判の対象となった模様です。
「やりすぎだぞ、バーロー」 的なことでしょうか。
第2位 マッキアイオーリ
マッキアイオーリ。
美味しそうなパスタ料理をイメージしてしまいがちですが (←?)
実際は、ここ最近、再評価熱が高まっている19世紀イタリアの芸術運動の名前です。
“マッキア” とは、シミや斑点のこと。
当時、斑点のような筆致で描くスタイルは、下絵の段階でしか用いられなかったようなのですが、
若きマッキアイオーリの画家たちは、完成段階の作品に、そのスタイルを用いてしまったのです。
そのアバンギャルドさ故、他の画家たちから、
「あいつらはシミのような描き方をするシミのような野郎だ!」
と、揶揄されたのだとか。
シミ呼ばわりは、堪えますね。
第1位 アシュカン派
アシュカン派とは、20世紀初頭にアメリカで誕生した芸術家のグループ。
大きな特徴は、ニューヨークの下町や労働者階級の人々の生活を写実的に描いたことです。
そのような画風のため、
「Hey!お前らは、路地裏のごみ箱まで描くのかい?」
と、アメリカ流ブラックジョークを浴びせられることしばし。
いつしか、ごみ箱を意味する 『アシュカン』 という言葉が定着してしまったのだとか。
シミ呼ばわり以上に、ごみ箱呼ばわりは、堪えます。
名誉棄損で訴訟してもいいレベルです。
実はゲスい美術用語は、他にもあります。
歴史に名を残した芸術家たちは、
作品と格闘していただけでなく、謂われなき誹謗中傷とも格闘していたのですね。
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