日本一小さな町・大阪府忠岡町。
そんな忠岡町の一角に、知る人ぞ知る小さな美術館があります。
その名も正木美術館。
小さな美術館だからと、素通りすることなかれ。
実は、国宝3件、重要文化財12件を含む約1200点のコレクションを誇るスゴい美術館なのです。
特に、禅林文化のコレクションの高さに定評があり、中世禅林文化の宝庫と評されているほどなのだとか。
そんな正木美術館では、現在、開館45周年を記念して、
“物黒無 モノクローム” という美術展が開催されています。
『物黒無』 と書いて、 『モノクローム』 と読ませる・・・。
何だか、ヤンキーのネーミングセンスのような印象を受けるでしょうが (笑)
実際の美術展も、かなりアヴァンギャルドな内容になっていました。
こちらは、現代美術作家の杉本博司さんとコラボレーションした美術展。
正木美術館コレクションの墨 (モノクローム) の名品たちと・・・
《六祖慧能図(部分) 無学祖元賛》
杉本博司さんの作品が・・・
《松林図》
なんと、同じ会場で競演を果たしているのです。
しかも、違和感なく。
例えば、杉本さんの 《カリフォルニア・コンドル》 という写真作品。
このスタイリッシュな写真作品が、
杉本さん自身の手によって表装され、掛軸の形で展示されています。
(ちなみに、江戸時代の武士の雨合羽で表装されているそうです)
さらに、 《カリフォルニア・コンドル》 の両脇を、
正木美術館のマスターピースの一つである 《大燈国師墨蹟. 渓林偈・南嶽偈》 で固めています。
脇役に徹していますが、何を隠そう (?) 国宝です。
なんと贅沢な起用法なのでしょうか。
他にも、会場の至る所で、
杉本博司さんの作品と正木美術館コレクションの意外なコラボの姿を見ることが出来ます。
どのようなスタイルになっているのか。
それは、会場で目にしてみてのお楽しみです。
現代アートと古美術。
一見すると、奇を衒った美術展のような気もしますが。
驚くほどに、杉本博司さんの世界観と正木美術館コレクションの世界観がマッチしていました。
よくよく考えてみると、組み合わせの妙を楽しむというのは、日本の伝統的な芸術観。
そういう意味では、奇を衒ったどころか、正統な日本美術の美術展である気がします。
モノクロームの世界でしたが、センスはキラキラと光っていました。
ちなみに、正木美術館の裏手には、
正木美術館のコレクションを蒐集した正木孝之の元自邸の正木記念邸があります。
イベント時には、講堂代わりに使われているそうで、内部も見学させて頂けます。
何とも言えない居心地の良さでした。
人ん家に来たみたいな感じです。
・・・・・元・人ん家ですが。
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物黒無 モノクローム
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