目黒に新たな美術館がオープンしました。
その名も、伊東昭義美術館。
こちらは、あのスミソニアン美術館において、
日本人初の個展を開催したアーティスト・伊東昭義さんの個人美術館です。
大変失礼ながら、伊東昭義さんの名前を存じ上げなかったので、
何はともあれ、インターネット上で、伊東さんの作品を検索してみました。
すると、こんな作品や・・・
こんな作品がヒットしました。
《時を止めて》
「あぁ、なるほど。日本版のクリスチャン・○ッセンか」
・・・・・・・と思ったら、全然違いました。
(失礼に失礼を重ねてしまい、伊東さんには、なんとお詫びすればよいものやら、、、)
実は、こちらは、絵ではなく写真作品。
あまりに色彩が美しいので、絵やCGにしか思えませんが、実際の海の中の光景なのだそうです。
そう理解した上で観ても、やはり絵やCGにしか思えないから不思議です。
それくらい人知を超えた美しい光景なのでしょうね。
ちなみに、元々は、伊東昭義さんは彫刻家だったのだそうですが、
海中で目の当たりにした色彩の美しさに魅了され、海中フォト作品を手掛けるようになったのだとか。
それだけ聞くと、全く違う畑に転向したような気がしますが。
伊東さんの作品は、写真というよりも、むしろ造形作品に近い印象。
彫刻家が、石や木という素材を使って彫刻作品を作るように、
伊東さんは、海中の色彩という素材を使って自身の作品を作っているような印象を受けました。
ともあれ、これまでに見たことが無いタイプの作品であることは確か。
“誰々の作品みたいな” という形では説明できない作品です。
ザ・伊東昭義ワールド。
そんな伊東昭義さんの作品が、伊東昭義美術館の展示室内に、ずらりと展示されています。
ネットで目にして想定していたものよりも、遥かに大きくプリントされていたのが印象的でした。
このサイズのおかげで、まるで海中にいるような臨場感が、さらにパワーアップ。
海中の色彩の鮮やかさが、より鮮烈な印象となって、目に飛び込んできました。
海中とは、こんなにも色鮮やかな世界だったのですね。
そこら辺の美術館 (?) よりも、よっぽど鮮やかな世界が広がっています。
母なる海は、色彩や造形にとっても母なる海であることを実感させられました。
これらの額装された作品も臨場感たっぷりでしたが、
さらに、海中にいるような臨場感を味わえるのが、地下1階にある最後の展示室。
こちらには、大型のコルトンボックス (※) を使った作品が展示されています。
(※アクリル板を内側から光を当てて光らせる照明装置)
照明が抑えられた室内に、色鮮やかなコルトン作品が浮かび上がる様は、まさに絶景。
浦島太郎が竜宮城を見た時と同じくらいの感動を得たような気がします (←?)
個人的にオススメの作品は、こちらの部屋に展示されていた 《海底砂漠》 という作品。
文字通り、海底にある砂漠の光景を浮かび上がらせた幻想的な作品です。
そこには、色鮮やかな魚やサンゴなどの姿はありません。
絶対的な無の世界。
しかし、それによって、かえってイマジネーションが刺激され、
脳内で、さまざまな魚やサンゴがいる光景を思い浮かべていました。
他の伊東昭義作品が、計算され尽くした上で完成したアート作品なのに対し、
《海底砂漠》 は、無地のキャンバスであるかのような印象を受けました。
(↑もちろん、作品としては完成してるに決まっているのですが)
これまでに見たことがないアートに出合える美術館です。
是非、一度足を運んで頂きたい。
そして、是非一度、海中に潜って頂きたいと思います (作品の世界の中で) 。
ちなみに。
伊東昭義美術館の屋上スペースには・・・
幸福を呼ぶ鳥 (←魚じゃなくて!) が2羽、潜んでいます。
見つけてラッキーパワーをゲットされてくださいね。
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伊東昭義美術館
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