突然ですが、皆様、松浦武四郎 (1818~1888) という人物をご存知でしょうか?
おそらく多くの方が、
「・・・・・誰?!」
と思ったことでしょう。
ご心配なく、それが普通の反応です。
松浦武四郎を知っているのは、よほど歴史が好きな人でしょう。
もしくは、北海道にお住いの人でしょう。
というのも、松浦武四郎は、北海道にとって恩人とも言うべき人物。
幕末から明治にかけて、蝦夷地を調査した彼の提言によって、
蝦夷地という蔑称は、 “北海道” という新たな地名に改名されたのです。
そんな北海道の名付け親として知られる松浦武四郎には、もう一つの顔が・・・ (と言っても、怪しいものではありませんw)
実は、彼は、当時のコレクター界では知らぬものがいない名物コレクターだったのです。
蝦夷だけでなく全国を足で旅したほどのバイタリティーの持ち主だった松浦武四郎は、
そのバイタリティーをコレクターの方面でも遺憾なく発揮し、一大考古遺物コレクションを築いたのだとか。
その貴重な松浦武四郎コレクションのうちの一部は、
どういう経緯かは不明ですが、静嘉堂文庫に寄贈され、長らくの間、幻のコレクションと化していました。
そんな松浦武四郎コレクションを、
専門的な研究者のアシストを得たことにより、静嘉堂文庫美術館では数年前より本格的に調査を開始!
そして、足かけ4年にも及ぶ調査を無事に終えたことから、
このたび、満を持して (?) “幕末の探検家 松浦武四郎” が、静嘉堂文庫美術館にて開催されています。
これらの松浦武四郎コレクションが公開されるのは、寄贈から100年以上の時を経て初めてのこと。
これは、超々々貴重な機会です。
ちなみに、下の写真が、唯一の松浦武四郎の肖像写真。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
この松浦武四郎が首からかけている首飾りも・・・
今回の調査により、静嘉堂文庫美術館が所蔵する松浦武四郎コレクションから発見されたそうです。
余談ですが、松浦武四郎は、身長145cmと、かなり小柄な人物。
この首飾りは、それと同じくらいの長さに匹敵するロングサイズの首飾り。
池乃めだかのネクタイを、思わず連想してしまいました (笑)
さらに、今回の調査でわかったこと言えば、
友人である河鍋暁斎が描いた 《武四郎涅槃素》 (重要文化財) に描かれた品と同じものも・・・
(注:今回は、パネルでの展示です)
次々に、静嘉堂文庫美術館が所蔵する松浦武四郎コレクションから発見されたそうです。
(パネルと見比べてみると、楽しいですよ♪)
また、会場には、こんなものも。
こちらは、松浦武四郎が終の棲家として建てたとされる 「一畳敷」 の実物大の再現模型。
一畳敷は、その名が表す通り、リアルに一畳敷のスペースしかない建物です。
全国各地の友人・知人に頼み、法隆寺や北野天満宮、
出雲大社などの由緒あるお寺や神社の古材を寄せ集めて作られたという一畳敷は、
わびさびの境地として、知る人ぞ知る傑作なのだとか。
中に入ることは出来ませんが、
模型とは言え、対峙するだけで、その空間の豊かさが伝わってきます。
一畳という狭さは全く感じられず、むしろ宇宙のような無限の広さを感じられたほど。
先日の大阪出張の際に、初めてカプセルホテルに泊まったのですが、
同じ1畳くらいのスペースでも、こんなに違って感じるものなのですね (しみじみ)
最後に。
今回一番インパクトを受けた松浦武四郎コレクションを。
しばらく夢に出そうです。。。
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幕末の探検家 松浦武四郎
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