国立西洋美術館で開催中の “モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新” に行ってきました。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
こちらは、国立西洋美術館とポーラ美術館の共同企画展で、
それぞれの美術館が誇るモネ・コレクション及びモネの周囲の画家の名作で構成された美術展です。
東京の上野 (国立西洋美術館) と箱根の仙石原 (ポーラ美術館)。
近いようで遠い2つの美術館が所蔵するモネの名作を、
隣り合わせに並んだ状態で堪能することが出来る稀有な機会です。
ちなみに、国立西洋美術館が私立美術館とコラボするのは、今回が初めての機会とのこと。
まさに画期的な美術展といえましょう。
今回、何よりも驚かされたのは、
本当に国立西洋美術館とポーラ美術館のコレクションだけで、美術展が成立してしまっていたこと。
少しくらいは、S県立近代美術館やB美術館のコレクションが混ざっているのかなぁと思っていたのですが。
展示されていたのは、国立西洋美術館とポーラ美術館のコレクションのみ。
他の添加物 (?) は一切入っておりませんでした。
にもかかわらず、モネの初期から晩年の作品まで、
今回の出展作品だけで、ちゃんとモネの画風の変遷を追うことが出来るとは。
改めて、国立西洋美術館とポーラ美術館のモネ・コレクションのレベルの高さを実感させられた次第です。
文句なしに3つ星の美術展。
・・・・・いや、一つだけ文句を言わして頂くならば、
あまりにも非の打ちどころがなさすぎて、このブログ記事を面白く仕上げられなかったことくらいですw
それくらいに王道の西洋美術展という感じでした。
ちなみに。
今回のモネ展を、より楽しむポイントとしては、
美術展のタイトルにもあるように、モネの “眼” を意識すること。
若い頃のモネは、対象となる風景を、
良く言えば素直に、悪く言えば表面的にしか見ていない感じですが。
晩年に近づくにつれて、より複雑に風景を見ているのがわかります。
《睡蓮》 を例にとってみますと、
1916年 油彩/カンヴァス 国立西洋美術館 松方コレクション
光を受けて反射する睡蓮の浮かぶ水面を眺めつつ、
同時に、水面の下で揺らめく水草の光景にも意識を向けているのがわかります。
水面と水中を同時に見て、それを頭の中で処理する。
人間にとっては、難しくない行為ですが、カメラやコンピューターでは、ほぼ不可能な行為。
そうした人間の目ならではの光景を、いかに表現して描くのか。
若き日のモネの写真的な作品と比べてみると、
壮年のモネの作品には、ただ美しいだけでなく、哲学的な匂いも感じられました。
皆様も、是非、会場でモネのフィルターを通じて見える風景を堪能されてみてください。
最後に。
個人的にお気に入りの作品をご紹介。
画面中央の 《花咲く堤、アルジャントゥイユ》 という一枚です。
「美術館に窓が?!」 と、一瞬本気で思ってしまったくらいに、臨場感のある風景画でした。
・・・・・うん。最後まで、ブログ記事を面白く仕上げられませんでした (笑)
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新
↧