世田谷美術館には、何度も足を運んでいますが。
その分館である宮本三郎記念美術館を、初めて訪れました。
こちらは、洋画家・宮本三郎が制作の拠点としていたアトリエ兼邸宅の跡地に開館した美術館です。
現在、 そんな宮本三郎記念美術館では、
“宮本三郎と奥沢の芸術家たち” という美術展が開催されていました。
世田谷区奥沢と聞いても、世田谷区民ではない僕は、そもそも地名自体にピンとも来ませんが。
実は、宮本三郎が居を構えていた世田谷区奥沢は、
自由が丘や田園調布といった近隣地域を含め、多くの芸術家が居住した地域だったのだとか。
今回の美術展は、そんな世田谷区奥沢という地域にスポットを当て、
宮本三郎と、そのご近所さん (=世田谷区奥沢界隈に住んでいた作家) の作品を紹介しています。
日本画家・上野泰郎の作品や、
《おもいわずらうとき》 1990年 世田谷美術館蔵
洋画家・猪熊弦一郎の作品もあれば、
《グリーンハイウェイ》 1967年 世田谷美術館蔵
(C)The MIMOCA Foundation
自由が丘駅のシンボルにもなっている女神像 《あをぞら》 の作者・澤田政廣の彫刻作品もあり。
1967年頃 世田谷美術館蔵
さらには、コンセプチュアル・アートの第一人者・河原温さんの作品や、
第1回芥川賞受賞作家・石川達三の小説や資料なども紹介されていました。
ジャンルが、実に多岐に渡っており、
まるで芸術家のホームパーティー (in世田谷区奥沢) に招かれたかのように感じるほど、
賑やかでアットホームな会場という印象でした。
ちなみに。
今回紹介されていた作家の作品の中で、
一番印象に残ったのが、吉仲太造の 《釘A》 。
1962年 世田谷美術館蔵
こちらは、釘によって描かれた一枚。
と言っても、釘で引っ掻くようにして描いたのではなく、
釘そのものをキャンバスにコラージュして描いた作品です。
(実物を見れば、本物の釘が使われているのがよくわかります)
今までにない味わいの作風で、思わず目が釘付けになりました。
とは言え、今回のパーティー (?) のホストは、
やっぱり何と言っても、宮本三郎の晩年の傑作 《ヴィーナスの粧い》 です。
1971年 世田谷美術館蔵
近くで見ると、かなり線はふわふわしています。
あまりにもふわふわしているので、ちゃんと像を結ぶのが心配になるほどなのですが。
少し離れた位置から観ると、ばっちりとヴィーナスの姿が浮かび上がっています。
しかも、ふわふわの線で描かれているため、
ヴィーナスの肌の印象はシフォンケーキのようです (←?)
全体的に、夢見心地なイメージの作品でした。
あと、どうでもいいですが、ヴィーナスの顔は、少しきゃりーぱみゅぱみゅに似てました。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在6位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
宮本三郎と奥沢の芸術家たち
↧