今回、ご紹介するのは、森美術館で開催中の…
“イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに” です。
・・・・・・・イ・ブル??
エイブルなら知っていますが、イ・ブルは、存じ上げません。
一体、どんな方なのでしょう?
イ・ブルは、1964年生まれ、
アジアを代表する韓国の女性アーティストです。
モンスターのような彫刻や、
サイボーグのような彫刻、都市や建築をイメージさせる彫刻などなど、
実に幅広~い作風の作品を作っております。
そんなイ・ブルさんの知名度を、国際的なものにしたのは、
1997年にニューヨーク近代美術館 (MoMA) で発表した 《壮麗な輝き》 という作品。
ビーズやスパンコールで装飾した生魚を展示し、
その腐敗する過程を見せることで、装飾の意味を問うというアート作品です。
彼女の狙い通り (?) に、生魚は順調に腐食したのですが、
会期の途中で、超緊急事態が、MoMAを襲ったのです!!
「臭っ!!!」
あまりの異臭に、会期途中に、展示の中止を決定。
この出来ごとにより、イ・ブルさんは、有名になったのだとか。
とんだ鼻つまみものです (笑)
ちなみに、喋るイ・ブルさんが見たい方は、こちらをどうぞ↓
…ちょっと、江原さんに似てますね。(←どうでもいい!)
今回の森美術館での美術展は、そんなイ・ブルさんの初の大々的な個展。
“20年以上にも及ぶ彼女のアーティスト人生を、ひとまず振り返ってみよう!” な美術展です。
本当に初期の初期の作品から、20年の総決算のような最新作までを、一挙に展望することが出来ます。
(しかし、腐敗する生魚は、ありません。ご安心を!)
なので、イ・ブルさんの世界観に、
バチッとハマれば、きっと楽しめること間違いなし。
もし、ハマらなかったら・・・。
1ツ星。
(これは、あくまで僕個人の感想なので、人によっては、大いに3ツ星になる可能性もアリ!)
20年以上にわたって、
捉えようとしても特定の形にできない “何か” を彫刻にしてきたというイ・ブルさん。
確かに、彼女の作品は、
「なるほど!こういうことを表しているのね!」
と、言い表すことのできない作品ばかりでした。
向き合うと、
「う~ん。何と言うか、 “何か” っぽいんだよね。きっと、 “何か” を言い表したいんだろうね」
と、常に、感想に、 “何か” が付き纏う感じ。
イ・ブルさんが、モヤモヤしているものを、彫刻と言う形で可視化させた作品だけに、
その作品を観客が目にすれば、モヤモヤするのは当然なわけで。
わかりやすい作品が好きな僕にとっては、
そのモヤモヤ感を楽しめるだけの度量はありませんでした (笑)
ただ、《リヴ・フォーエヴァーII》 という作品に関しては、
他の作品とは毛色が違って、僕でもハマりました。
上のチラシの画像で言うと、
真ん中の左から2番目の流線形のボディのマシーンです。
東京モーターショーに出ていてもおかしくない近未来的な車のようですが。
実は、こちらは、一人カラオケマシーン (笑)
このマシーンの中で、熱唱することが可能なのだそうです。
今回の美術展では、中に入って熱唱することは出来ませんが。
このマシーンの中で歌えるカラオケ曲のビデオは、別の大画面で再生されていました。
ちなみに、そのビデオ自体も、イ・ブルさんによる作品。
本物のカラオケビデオ (?) と同じくらいに、適度なチープ感を放っていました (笑)
余談ですが。
美術展会場には、なぜか、マダムのお客さんがいっぱい。
“ん?実は、イ・ブルさんって、マダムに人気なの??”
ところが、マダムたちの感想が小耳に入ってくるたび、
「あらまぁ~、気持ち悪いわねぇ~」
「んまぁ~、何かしら、コレは」
と、あまり好意的でない反応ばかり。
“どゆこと???”
その答えは、会場を後にした時にわかりました。
東京シティビューで開催中の “きみはペット展” のチケットで、
“イ・ブル展” も観賞できるとのこと。
日本のマダムのお目当ては、同じ韓国人でも、
イ・ブルよりも、チャン・グンソクなのですね。納得。
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イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに
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