現在、ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションでは、
“絶対のメチエ―名作の条件” と題した美術展が開催中です。
オディロン・ルドンの 《光の横顔》 に、
エゴン・シーレの 《しゃがむ女》 に、
長谷川潔の 《切り子グラスに挿した草花》 に。
厳選された近現代版画の名作の数々が惜しげもなく紹介された贅沢な美術展です。
驚くべきは、これらの作品はすべてコレクターさんによる個人蔵とのこと。
大切に秘蔵されていた作品であるだけに、状態は超良好。
普段、どこそこかの美術館で展示されているものと比べると、
今回出展されていた版画作品は、圧倒的に線や色の美しさが際立っていました。
特に、心を惹かれたのが、 《平行する街》 をはじめとするヴォルスの作品群でした。
とにもかくにも、線が繊細!
ふるふるとしているような線で、愛おしさすら感じます。
とても小さな作品ゆえ、かなり近づかないと、ちゃんと作品が観賞が出来ないのですが。
いざ近づいてみると、自分の鼻息で、この繊細な線が飛んでしまいそうな不安に駆られました。
(↑だから、鼻息止めてましたw)
ヴォルスの作品に関しては、実物を見て頂かないことには、その魅力が伝わらないと思います。
画像じゃ何も伝わらないと言っても過言ではありません。
悲しいかな、写真写りの悪さNo.1アーティストです (泣)
さてさて、上で紹介した以外にも、ゴヤ、ホックニー、駒井哲郎など、
美術界のビッグネームたちの作品が展示されていますので、小規模ながらも見応えは充分。
さらに、これらの貴重な個人版画コレクションと併せて、
もちろんミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションが所蔵する浜口陽三作品も展示されています。
《西瓜》
個人的に一番惹かれたのが、 《胡桃》 という作品です。
第一印象こそ・・・
「えっ、こんなに大きな画面に、胡桃一個だけ?!」
と、物足りなく感じてしまいましたが (笑)
じーっと作品を観て、目が慣れてくると、
画面を占める黒い画面が、単なる黒い色 (?) ではなく、温かみのある黒い色であることがわかってきました。
しかも、なんとも滑らかな印象を持った黒い色なのです。
もし画面を撫でたら、ベルベットのような肌触りがする・・・はず。
これこそ、まさに絶対のメチエ (=マチエール[画肌]) です。
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在12位)
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絶対のメチエ―名作の条件
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