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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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都美セレクション 新鋭美術家 2014

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東京都美術館。
略して 『都美』 では、現在、 “都美セレクション 新鋭美術家 2014” が開催中です。

こちらは、昨年5月に開催された27の公募団体による合同展、
“ベストセレクション 美術 2013” の出品作家約150人の中から、
審査を経て選抜された、注目すべき新進作家5名を個展形式で紹介する美術展です。
THE MANZAIに例えるならば、 “ベストセレクション 美術” が本戦サーキットで、
“都美セレクション 新鋭美術家” は、決勝大会といったところでしょうか。

さてさて、そんな決勝大会に勝ち上がった (?) 新鋭美術家たちをご紹介。
まずは、二紀会より彫刻家の川島史也さん。

丸山
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)

羊の作品も印象的でしたが、個人的には、 《エイ、おいかけっこ》 推し。

エイ


水族館で目にしたエイの浮遊感ある泳ぎを表現するために、
乾漆で製作したエイの彫刻をワイヤーで吊ってみた意欲作。
ありそうでなかった発想です。
是非、いつかはもっと巨大なマンタを制作して頂きたい。


続いて、同じく二紀会より洋画の原田圭さん。

原田  原田


どことなく石田徹也を彷彿とさせる作品を描くアーティストだなぁというのが第一印象。
しかし、最新作の 《内臓の瞬き 腸人間》 は、その作風がガラッと変貌!
一体、何があったのか?!

原田


しかも、原田さんを、その作風と “圭” という名前から、男性だとばかり思っていたのですが 。。。
実際は、可愛らしい女性でした。
清水圭でなくて、安田圭の方だったのですね (←?)


創画会からセレクションされたのは、吉田幸紘さん。
オランウータンやバイソンなど、
あまり日本画に描かれていない動物をモチーフに、新たな花鳥画を生み出す日本画家です。

吉田幸紘


不思議なことに、ずっと対面していると違和感なく、日本画に思えてくるのです。
オランウータンを描いた作品は、しばらくすると達磨図のように思えてきました (笑)


日展からは、日本画家の丸山勉さん。
この美術展のために描かれた新作 《環》 は、
大画面で迫力があるにも関わらず、眺めていると心が安らぐという不思議な味わいの作品でした。

環


最後に紹介するのは、同い年で同郷ということもあって、イチオシの彫刻家本郷芳哉さん。
しかも、イケメン。

本郷芳哉


こちらの 《積》 という作品の素材は、鉄。
2007年に制作した作品なのだそうですが、
年月が経って、ようやくイイ錆が出てきたとは本人の談です。
錆が出るのは劣化では無く、錆によって作品が育つのだとか。
そう言いながら、自身の作品をなでる手つきが、イケメンでした。



作品数は、そう多くはないので、あっさりと観終えてしまう印象です。
こちらの美術展をメインに、東京都美術館に伺うと、ちょっと肩すかしを喰らうかもしれません。
“日本美術院再興100年 特別展 世紀の日本画” のチケットを持っていれば、無料で観れますので。
そちらと併せて観られることをオススメします。
星
かつて院展から生まれた新鋭の美術家たちの作品に触れた後に、
今後の美術界に名を残す (・・・かもしれない) 新鋭の美術家たちの作品に触れてみてはいかがでしょう。




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