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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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名字に関する説(前編)

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アートテラー・とに~が信じる美術に関するを検証していく企画 『水曜日のアートテラー』

水曜日



今回この企画では、美術館の名前に注目してみました。
東京都美術館、板橋区立美術館のように地名が由来となっている美術館や、
三菱一号館美術館、ポーラ美術館のように企業名が由来となっている美術館もありますが。
やはり、何と言っても一番多いのは、人名が由来となっている美術館です。
太田記念美術館や根津美術館、原美術館のように創立者の名に由来するパターンもあれば、
台東区立朝倉彫塑館や川崎市岡本太郎美術館のように芸術館の名に由来するパターンもあります。
日本全国には1000館を超える美術館があるので、
館名には、ありとあらゆる名がつけられているはず。
そこで、今回僕が提唱したいのは、こんな説です。

説


北は北海道から、南は沖縄まで全国を隈なく探せば、
きっと高橋や山田といったメジャーな名字トップ20の名前がついた美術館が見つかるのでは?
そこで、これまで誰も調べたことがなかったであろう、
というわけで、調べる気にもならなかったであろう調査開始です。

まずは、日本人に多い名字ランキング堂々の1位、佐藤の名がついた美術館から。

佐藤美術館


千駄ヶ谷駅のほど近くにある佐藤美術館。
公益財団法人佐藤国際文化育英財団が運営している美術館です。
ちなみに、他にも富山県に富山市佐藤記念美術館が、
京都府には福知山市佐藤太清記念美術館があるとのこと。
さすがにメジャーな名字だけはあります。


続く、日本人に多い名字ランキング2位は、鈴木
メジャーもメジャーな名字にも関わらず、
なんと鈴木の名がついた美術館は1館もないことが判明!
しかし、2011年に金沢21世紀美術館の近くにオープンした・・・

鈴木


鈴木大拙館は、まぁ、美術館みたいと言えば美術館みたいなものなので、ギリセーフ。
早くも説が立証しないところでした。
まさか鈴木でつまづくとは。


気を取り直して、第3位高橋

安曇野高橋節郎記念美術館


長野オリンピック公式記念メダルをデザインしたことでも知られる漆芸家・高橋節郎。
その出身地に、安曇野高橋節郎記念美術館が存在していました。


第4位は、田中
「田中 美術館」 で検索すると、
小平市平櫛田中彫刻美術館や井原市立田中美術館がヒットします。
しかし、これは近代彫刻界の巨匠・平櫛田中を紹介する美術館。
平櫛田中の田中は、あくまで名前。
名字ではありません。
しかし、奄美大島に・・・

田中一村記念美術館


田中一村記念美術館があるようです。
これで田中もクリア。


ここからは、テンポアップ。
第5位の渡辺は、鳥取県に渡辺美術館が、

渡邉


第6位の伊藤は、兵庫県に豊岡市立伊藤清永記念館が、

伊藤


第7位の山本は、長崎県に山本美術館があるようです。

山本


ちなみに、山本美術館のキャッチコピーは、
「風薫る橘の朝日と夕陽が映えるあいの丘」 とのこと。
館名のシンプルさとキャッチコピーの難解さが、妙なアンパランス感を産んでいます。


日本人に多い名字ランキング第8位は、中村
以前、このブログでも紹介した山梨県の中村キース・ヘリング美術館をはじめ、

中村キース・ヘリング美術館


中村研一記念小金井市立はけの森美術館、中村正義の美術館、
金沢市立中村記念美術館、中村順二美術館、中村彝アトリエ、中村屋サロン美術館、
さらには、福岡県にはシンプルに中村美術館と、数多くの中村を発見!
日本人に多い名字ランキングこそ第8位ですが、
美術館に多い名字ランキングは、間違いなく中村が第1位です。


第9位は、小林
新潟県に小林古径記念美術館がありました。

古馬野菜


しかし、残念なことに、2016年11月より長期休館しているとのこと。
他に小林の名がついた美術館はないのかと探してみたら、大阪に小林美術館がありました。

こばやし 


なんと、こちらは2016年の6月にオープンしたばかりの美術館。
小林の不思議な縁を感じずにはいられません。


そして、第10位は、加藤
かつて埼玉県秩父に、加藤近代美術館が存在していたようですが、2002年春に閉館。
とは言え、岐阜県に加藤栄三・東一記念美術館があるので、加藤もクリア。

加藤


というわけで、鈴木がグレーゾーンであるものの、
美術館名で日本人に多い名字ランキングトップ10を揃えることができました。
果たして、11位から20位の名字は揃うのか?!
後半へ続く。




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名字に関する説(後編)

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水曜日

説


前編に引き続き、名字に関する説を調査していきます。

日本人に多い名字ランキング第11位は、吉田
画家では吉田博、建築家では吉田五十八と、それぞれ巨匠が存在しているので、
吉田の名がついた美術館の1つや2つは、当然あるだろうと、高を括っていたのですが・・・。

なんと1館も存在せず。

書家の吉田苞竹の名がついた吉田苞竹記念会館が、
つい最近まで麻布に存在していたそうなのですが、街の再開発の対象となり閉鎖された模様。
人知れず、吉田の名前は、美術館の世界から消滅していたようです。
ちなみに、音楽のジャンルであれば、
茨城県に吉田正音楽記念館が存在していますが、それはさすがにギリアウト。
また、広告とマーケティングの資料館アド・ミュージアム東京を運営しているのが、
吉田秀雄記念事業財団ではありましたが、これもさすがにギリアウト。
よって・・・

説立証ならず。。。


説立証とはなりませんでしたが、せっかくなので12位以降も引き続き調査。
第12位の山田は、群馬県に高崎市山田かまち美術館、

山田


第13位の佐々木は、秋田県に秋保の杜佐々木美術館&人形館、

佐々木


第14位の山口は、先日ブログで紹介したばかりの山口蓬春記念館と、それぞれクリア。

自邸


続く第15位は、松本
「松本 美術館」 で検索しても出てくるのは、松本市美術館および松本民芸館の2館のみ。
と、これはもちろん地名。
名字の松本ではありません。
しかし、リサーチを懸命に続けた結果、

松本


京都府に松本明慶佛像彫刻美術館があることが判明。
松本もクリアです。


ところが、第16位の井上は、東洋大学内に井上円了記念博物館や、
クレマチスの丘に井上靖文学館が存在していましたが、美術館は1館もなし。


第17位は、木村
新潟県に木村茶道美術館が存在していました。

木村


なんでも収蔵している茶器を使って、実際に茶事を楽しむことも出来る美術館なのだとか。
茶道具好きには夢のような美術館です。
ちなみに、湯河原には、陶磁器や刀剣を展示する木村美術館という美術館があるようです。
ただし、木村の公式ホームページはありませんでした。


第18位は、
それよりランキングの下がる第22位のの名がついた美術館は、すぐにパッと思い浮かびますが。
美術館は、存在しませんでした。
しかし、愛知県に財団法人 美術財団 名都美術館が存在しているよう。

名都美術館


というわけで、も、クリアしました。

日本人に多い名字ランキング第19位は、斉藤
難しい “齋藤” のほうの齋藤美術館は岐阜県に、

斎藤


ちょっと難しい “斎藤” のほうのやないづ町立斎藤清美術館は福島県に、

サイト


それぞれ存在していました。
ちなみに、1999年より休館している斎藤記念川口現代美術館というのもあるようです。
一番シンプルな “斉藤” は、見つかりませんでした。


さて、いよいよラスト。
20位は、清水です。
「清水 美術館」 で検索すると、表示されるのは、清水三年坂美術館ばかり。
いわずもがな、これは地名。
というか、読み方も、“しみず” でなく、“きよみず” です。


検証結果

全国の 「吉田さん」「井上さん」「清水さん」、
美術館を建てた際には、ご一報くださいませ。





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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。


9/16(土) 美しくなれる?!アートツアー

今回は、特に女性必見!
“美しくなる” をテーマにしたアートツアーを開催いたします。
(もちろん男性の方もご参加頂けます♪)

まず訪れるのは、山種美術館。
こちらでは、美人画をテーマにした展覧会、
“上村松園―美人画の精華―” を鑑賞いたします。
山種美術館が所蔵する上村松園コレクションも一挙公開中。
絶対に見逃せない展覧会です。
ちなみに、鑑賞後は、山種美術館のカフェでまったりいたしましょう。
(見た目にも美しい展覧会オリジナル和菓子がオススメです!)

そして、その後、江戸時代から続く、現存する唯一の紅屋・伊勢半が運営する紅ミュージアムへ。
こちらでは、担当学芸員さんにたっぷりと展示の見どころを解説頂きます!
さらに、貴重な紅差しを体験して頂くコーナーも。
どうぞお楽しみに♪

時間:13時~17時
定員:12名
参加費:1000円 (美術館の鑑賞料を含みます)


ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



9/23(土) スペシャルトーク3連発!ギャラリートークツアー

アートは普通に鑑賞するのも楽しいですが。
やはり詳しい人の解説を聞いてから鑑賞したほうが、
より素晴らしく、よりオモシロく感じられるものです。
そこで今回は、学芸員さんやギャラリストさんと、
僕とのクロストーク (アドリブトーク?) をメインにしたアートツアーを開催いたします。

今回のツアーで巡るのは、都内にある小さいながら素敵な美術館&ギャラリーばかり。
その先々で、学芸員さんやギャラリストさんが、皆様の来館・来廊をお待ちしております。
作品の見どころや作家のエピソード、時にはここだけの裏話が飛び出す予定です。
予測不能の三者三様のギャラリートークにご期待くださいませ。

ちなみに、訪れる美術館2館は、当日までのお楽しみですが。
訪れるギャラリーは、銀座 永井画廊です。
こちらのオーナーは、『開運!なんでも鑑定団』 の鑑定士でお馴染みの永井龍之介さん。
当日は、現在開催中のハンス・クルージー展だけでなく、
『開運!なんでも鑑定団』 の裏話も飛び出してしまうかも。
ちなみに、実はこの日は休廊日なのですが、
特別にアートツアーのためだけにオープンしてくださるとのこと。
貸し切りの画廊での豪華なギャラリートークを楽しんで頂けましたら幸いです。

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:1200円 (美術館の鑑賞料を含みます)


ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



9/30(土) 本音でアート酒

学芸員さんや美術館の広報さんをゲストにお招きし、お酒を飲みながら、
みんなで美術館やアートに関するあれこれを本音で語り合おうという新企画です。

現時点で現代アート界の大物学芸員と、とある公立美術館の名物女性学芸員が参戦決定!
他にも㊙ゲストがいらっしゃる予定です。
なかなか聞けないアートの裏話に花を咲かせましょう♪
ちなみに、ブログの人気企画 “あなたの街の巨匠たち” で、
まだ紹介していない、とある巨匠の名がついた池尻大橋の名店が会場です。
食べログの評価は高いので、料理にもご期待くださいませ!

時間:19時~22時
定員:16名
参加費:5000円 (4000円の飲み放題付きのコース+チケットプレゼント付)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



10/1(日) 高天麗舟先生と行く!都内の仏像手相鑑定の旅

占い師の高天麗舟先生に、
仏像の手相を (勝手に!) 鑑定して頂くというあの人気企画がついに復活!

今回は、都内のお寺を巡り、東京を代表する仏像の手相を鑑定頂きます。
最もありがたい仏像はどなたなのか、
逆に、ありがたくない仏像はどなたなのか (笑)
衝撃の結果をどうぞお楽しみに。

もちろん、手相鑑定をしたことが無いという方 (多くの方がそうですがw) も、ご安心を。
手相の見方がわかる簡単なレクチャーコーナーも予定しています。
仏像を手相という視点から鑑賞しながら、自分の手相も知ることが出来てしまう。
一粒で二度美味しいアートツアーです。

時間:8時~12時
定員:12名
参加費:1500円

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



10/7(土) ぐるっと東京駅アートツアー!

東京の中心・東京駅周辺には、数々のアートスポットがあります。
まさに東京のアートの中心地ともいうべき、東京駅周辺の美術館や博物館、
さらにはパブリックアートも、まとめて楽しんでしまう内容盛だくさんのアートツアーです。

スタート地点となるのは、三井記念美術館。
こちらでは、この秋必見の三ツ星展覧会、
“驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ” をたっぷり鑑賞いたします。
見どころも解説いたしますので、是非お楽しみに!

その後、カフェ休憩を挟み、丸の内エリアへ。
こちらでは、有名アーティストのパブリックアートの数々をご紹介いたします。
そして、ラストには、日本初の本格的なシャガールの彫刻展、
東京ステーションギャラリーの “シャガール 三次元の世界” を鑑賞。
シャガールファンも、そうでない方にもオススメの展覧会です。

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:2500円 (鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



10/8(日) ヨコトリ以外の横浜アートツアー

現在、“ヨコハマトリエンナーレ2017” (通称:ヨコトリ) が絶賛開催中の横浜。
しかし、ヨコトリだけが、横浜のアートではありません!

そこで、今回はヨコトリのメイン会場である横浜美術館と赤レンガ倉庫以外で、
開催中の絶対に見逃せないアートイベントを巡るアートツアーを開催いたします。

まず向かうのは、横浜市民ギャラリーあざみ野。
こちらで開催される話題の展覧会 “渡辺豪 ディスロケーション/dislocation” を、
担当学芸員さんによる見どころ完全ガイド付きで、鑑賞いたします!

その後、休憩を挟んで、黄金町へ。
こちらでは、世界でも類を見ない 「アートによる街の再生プロジェクト」 が行われています、
現在は、ちょうど一年に一度の大イベント・黄金町バザールが開催されています。
黄金町とは、2008年より関わっていますので、
その見どころを最新アートシーンを含めて、徹底的にガイドさせて頂きます!
どうぞお楽しみに!
黄金町に関わるアーティストやスタッフさんたちも、どこかで登場してくださいます♪

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:1200円 (鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

ウィンザーチェア-日本人が愛した英国の椅子

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現在、日本民藝館で開催されているのは、
“ウィンザーチェア-日本人が愛した英国の椅子” という展覧会です。

ウィンザー


こちらは、日本にあるウィンザーチェアの優品と、
関連する欧米の多様な椅子を、かつてない規模で紹介する展覧会。
ウィンザーチェアファンにとっては夢のような展覧会です。

ちなみに、ウィンザーチェアとは、18世紀前半にイギリスで生まれた木製の椅子のこと。
厚い座面に直接脚が取り付けられているのが特徴で、
基本的に背もたれは、細い棒を組み合わせて作られています。
当時のイギリスでは、普通に一般家庭や食堂で使用されていましたが、
その素朴な美を、日本の民藝運動の中で柳宗悦や芹沢銈介らに見出され、
西洋を代表する家具として日本に広まっていったのだそうです。


さてさて、そんなウィンザーチェアが、

コムバック・アームチェア
ファンバック・アームチェア


日本民藝館のあちらこちらに展示されています。
ウィンザーチェアの展覧会と了解したうえで訪れたので、
数多くのウィンザーチェアが展示されているだろうと、ある程度は想定していましたが。
それを越えてくる数のウィンザーチェアがありました。
間違いなく、一生分のウィンザーチェアを目にした気がします (笑)

座面
某バック


どのウィンザーチェアも、イイ感じに使い込まれており、イイ感じの味が出ていました。
ただ、個人的に、欲しいかと言われれば・・・まぁ、うん。。。
座りたいかと言われれば・・・まぁ、うん。。。
出来れば、もう少し座面や背もたれが柔らかそうな椅子に座りたいです。


日本民藝館の雰囲気とウィンザーチェアが絶妙にマッチしていましたし、
数多くのウィンザーチェアが並べられた光景は、それなりに圧巻ではありましたが。
ウィンザーチェアに関する解説がほとんど無かったのは残念。
基本的には、ウィンザーチェアが、ただただ置かれているだけ。
ウィンザーチェアの魅力がイマイチよくわらかない僕のような人のために、
『美の壺』 的に鑑賞のツボを教えてくれたなら、どんなに有難かったことでしょう。
また、一口にウィンザーチェアといっても、コムバック・アームチェアと、
ボウバック・アームチェア、スティックバック・アームチェアなるものがありましたが。
その違いについての説明もなかったです。
ウィンザーチェアの素朴さ以上に、素朴さが際立つ展覧会でした。
星


ちなみに、個人的に印象に残ったは、ウィンザーチェアではないですが、
関連する欧米の椅子ということで紹介されていた 《ボーディド・ウィングチェア》 です。

ボーディド・ウィングチェア


なんとなく棺を連想させるからでしょうか。
座るものを拒むような、独特の存在感を放っていました。
あと、脚の一つが座面に飛び出ています。
座る際には、お尻に細心の注意が必要となるでしょう。

細心の注意といえば、座面だけでなくウィンザーチェアの背もたれにも。

コムバック・アームチェア


思いっきりもたれてしまうと、
人によっては、背中のハミ肉がエラいことになってしまいそうです。
座る人を選ぶ椅子、それがウィンザーチェア。




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浅井忠の京都遺産 京都工芸繊維大学美術工芸コレクション

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現在、泉屋博古館分館で開催されているのは、
“浅井忠の京都遺産 京都工芸繊維大学美術工芸コレクション” という展覧会です。

浅井
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


展覧会の主役は、日本洋画界の先駆者であり、
その作風から、“日本のミレー” とも呼ばれた浅井忠。
「ただし」 ではなく、「ちゅう」 と読みます。
なので、「あさいちゅう」。
昭和を代表する芸人とは、一字違いですね。(←だから、何だバカヤロウ!)

これまでにも浅井忠の画業を紹介する展覧会は、幾度と開催されていますが。
今回の展覧会では、教育者としての浅井忠、
デザイナーとしての浅井忠の一面に焦点が当てられています。

展覧会の前半で紹介されているのは、浅井がフランスに留学した際に、
カルチャーショックを受けたというアール・ヌーヴォーの工芸品の数々。
ちなみに、これらはデザインの教育のために、浅井が買い付けてきたものなのだそうです。

カルチャー
猫


それらの中には、ミュシャのポスターも。

ミュシャ


展覧会の後半では、デザイナー・浅井忠の作品が中心に紹介されています。
浅井忠の絵画作品は、これまで何度も目にしたことがありますが、
どれもいわゆる “ザ・日本の洋画” という印象で、特にセンスを感じたことはないのですが。
デザイナー・浅井忠の作品は、どれもセンスが秀逸でした。
完全に上から目線で恐縮なのですが、今回の展覧会を通じて、浅井忠を見直しました。
星
同じ千葉県出身であることを誇りに感じます。

個人的に一番お気に入りなのは、《エジプト模様湯呑》 です。

エジ王都


湯呑をエジプト柄にしてしまう大胆な発想。
ヴィレッジヴァンガードあたりに売っていそうです。
で、変なポップを付けられていそうです。


それから、浅井忠図案迎田秋悦作の 《七福神蒔絵菓子器》

七福神蒔絵菓子器


側面にぐるっとデザインされた七福神のゆるキャラっぷりがたまらなかったです。
どのキャラもデザインが秀逸。
このマスキングテープがあったら、間違いなく買うのに。


ちなみに、ある意味で印象的だったのは、《桃太郎》 という作品です。

桃太郎


犬、猿、キジや鬼は、まぁ、わかりますが。
肝心の桃太郎が、なぜかプロレスラー風。

ザ・グレート・カブキ


ザ・グレート・カブキ??


最後に、浅井忠の作品ではないですが、妙に印象に残った作品をご紹介いたしましょう。
鹿子木孟郎の 《白衣の女》 という一枚です。

白衣の女


なんとなく、その雰囲気から、“寝てるのかなぁ?” と思ったら・・・

起きた


めっちゃ起きてました!!

しかも、ガン見。
いや、もしかしたら、本当は寝ていて、まぶたに目を描いているのかも。
きっとそう。




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描かれた女たち 女性像に表された現実と夢

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現在、新宿にある中村屋サロン美術館で開催されているのは、
“描かれた女たち 女性像に表された現実と夢” という展覧会です。
こちらは、昨年、笠間日動美術館で開催されていた同名展覧会を、
中村屋サロン美術館サイズ (?) にギュギュっと凝縮したもので、
笠間日動美術館のコレクションの中から厳選された約30点の女性像が紹介されています。

岡田三郎助や梅原龍三郎、安井曾太郎といった近代洋画の巨匠の作品から、

2岡田三郎助 《裸婦》
岡田三郎助 《裸婦》


千葉県のホキ美術館でもお馴染みの作家・森本草介氏や、

森本草介 微睡の時
森本草介 《微睡の時》


京都国立美術館で大々的な個展が開催中の絹谷幸二氏といった現代の巨匠の作品まで。

愛うつろい
絹谷幸二 《愛うつろい》


実にバランスよく取り揃えられていました。
また、テーマも偏りなく、女性の身体の美しさに注目した作品もあれば、
理想的な女性を描いた作品、その逆でリアルに女性を描いた作品も紹介されています。
これまた、バランスの良い品揃えでした。
300円というお手頃価格の入館料も嬉しいところ。
新宿を訪れた際に、ふらっと立ち寄りたい展覧会です。


個人的に鴨居玲の大ファンなので、鴨居玲作品が観られただけでも満足でしたが、

鴨居玲《裸婦》
鴨居玲 《裸婦》


思いがけず、あの麗子の16歳の姿が観られたことに、ちょっとした感動を覚えました。

岸田劉生《麗子十六歳之像》
岸田劉生 《麗子十六歳之像》


16歳とは思えない落ち着きっぷり。
フレッシュ感はゼロです。
というか、感情もゼロです。
微笑ver.も怖いですが、感情ゼロのほうが、よっぽど怖い気がします。


他に印象に残っているのは、和田栄作の 《近江石山寺紫式部》 という作品です。

近江石山寺紫式部》


机の上に置かれている巻物が、
巻物は巻物でも、どう見ても海苔巻きにしか見えませんでした。
左から、鉄火巻き、鉄火巻き、かっぱ巻き。
夜食?


それから、ちょうど今、練馬区立美術館で、
“生誕150年記念 藤島武二展” が開催中なわけですが。
こちらの展覧会にも、藤島武二作品が出展されていました。

藤島武二《婦人像》
藤島武二 《婦人像》


個人的には、練馬区立美術館に出展されている作品よりも、この 《婦人像》 のが好きです。
淡い色合いと流れるような線が、どことなく天野喜孝さんの絵を彷彿とさせるものがあります。
FFにこういうキャラクターが出てきそう。
ちなみに、ポーズは、《真珠の耳飾りの少女》 を彷彿とさせるものがあります。


さてさて、藤島武二といえば、
中村屋サロン美術館が所蔵する 《伊太利の女》 も特別出品中です。

伊太利の女


実は、美術館で展示されるのは、今回が初めて。
初お披露目の機会に緊張しているのでしょうか、表情が固かったです。




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Film:39 『セザンヌと過ごした時間』

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セザンヌ


■セザンヌと過ごした時間

  監督:ダニエル・トンプソン
  出演:ギョーム・カリエンヌ、ギョーム・カネ
  2016年/フランス/114分

近代絵画の父と称されるフランスの画家ポール・セザンヌと、
文豪エミール・ゾラの40年にわたる友情を描いたドラマ。
少年時代に出会い、境遇こそ異なるがともに芸術を志す2人は、夢を語り合って成長する。
やがて先にパリに進出したゾラは小説家として成功を収めるが、
同じくパリに出て絵を描き始めたセザンヌはなかなか評価されず、落ちぶれていく。
そんな時、ゾラがある画家をモデルにした小説を発表したことで、2人の友情に亀裂が入ってしまう。
(「映画.com」より)


「今月2日より、Bunkamuraル・シネマにて、
 公開が始まったばかりの 『セザンヌと過ごした時間』 をてまいりました。
 
 作品や制作スタイルはともかくも、どうもイマイチ好きになれないセザンヌ。
 その理由が、この映画を通して、よくわかった気がします。
 気難しいし、すぐキレるし、わめくし、人を不快にさせるし。
 屈折ぶりがハンパではありません。
 近隣住民にトラブルを起こしてニュースで取り上げられているオッサンに近いものがありました。
 
 でも、心を開いたゾラだけには、時折、チャーミングな素顔を見せるセザンヌ。
 基本的に、終始ダメ人間なセザンヌですが、
 あんな姿を見せつけられたら、ゾラも見放せないよなぁ。
 僕も、友人に一人、セザンヌタイプの男がいるので、ゾラの気持ちがよくわかりました。
 いやぁ、男の友情っていいものですね。


 男同士の友情を描いた映画としては、もちろん。
 画家の人生を描いた映画としても、よくできていました。
 セザンヌの画家としての葛藤が、実に丹念に描かれていた気がします。
 
草上の昼食


 特に、マネの問題作 《草上の昼食》 が話題をさらった落選展のシーンは、胸に迫るものがありました。
 セザンヌの切なさといったら・・・。

 ちなみに、絵を描いている最中に、モデルが動いてしまうと

 「動くな!リンゴは動かないだろ!」

 とキレたというセザンヌの有名なエピソードがありますが。
 映画の中では、2回もこのセリフが登場しました。
 大事なことなので、2回言いたかったのでしょう。


 ちなみに、今回一番驚かされたのが、役者がちゃんと老けていくところ。
 若いころはイケメンだったセザンヌとゾラですが、ストーリーが進むにつれ、
 肌のツヤが失われたり、髭に白いものが混じったり、髪の毛が薄くなったり、お腹が出てきたり、
 と、実にリアルに歳を取っていくのです。
 別の役者に変わったのかと思うくらいの変貌ぶり。
 役者2人の演技力とメイクの技術の賜物です。







 最後に、まぁまぁのネタバレになりますが。
(これから映画を観に行かれる方は、スルーしてください!)

 ラストシーンが、とにかく切ない!
 あまりに切なさすぎて、悲しみを通り越して、笑えてきました。
 切なさが突き抜けると、むしろ可笑しみに感じられるようです。
 そう言えば、志村けんのコントにも、
 サラリーマンの悲哀、貧乏人の悲哀をテーマにしたものがありますね。
 笑いとしては、それに近いものがありました。

 もちろん、ラストシーンで笑いをこらえていたのは、きっと僕だけ。
 周りの人は、普通にウルウルしているようでした。
 スター スター スター スター ほし (星4つ)」


~映画に登場する名画~

《サント=ヴィクトワール山》

サント=ヴィクトワール山

シャガール 三次元の世界

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実は、シャガールは彫刻作品も作っていた?!

そんな驚くべき事実が明らかになる展覧会が、
現在、東京ステーションギャラリーで開催されています。
その名も、“シャガール 三次元の世界”
日本で初めて本格的にシャガールの彫刻作品を紹介する展覧会です。



シャガールの作った彫刻。
・・・・・まったく想像がつきません。
シャガールと言えば、“色彩の魔術師” 。
ということは、彫刻もやはりカラフルなのでしょうか?

なんてことを考えながら、会場へ。
すると、まず目に飛び込んできたのは、シャガールの代表作の一つ 《誕生日》 でした。

「あれっ、絵画も展示されてるんだ!」

で、その両サイドに目をやると、大理石の彫刻が展示されています。

展示
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。
なお、シャガールの作品は大人の事情により、ブログに掲載することができないため、『秘密のケンミンSHOW』 スタイルにしています。)



片方は、《誕生日》 をそっくりそのままレリーフにしたような作品。
片方は、キスする男女をモチーフにした彫刻作品です。
カラフルではなかったですが、パッと見た瞬間に、「あ、シャガールの作品だ!」 とわかります。
シャガールの個性は、彫刻作品でも色がなくても、十分に発揮されていました。


さてさて、ルノワールやピカソも彫刻作品を残しているので、
画家が彫刻を制作すること自体は、必ずしも珍しいことではないようですが。
ブロンズで制作する例がほとんどで、
シャガールのように大理石で彫刻を制作するのは、極めて珍しいケースとのこと。
しかも、シャガールが彫刻作品を制作し始めたのは、意外と遅咲きで63歳の頃。
粘土をこねるように作るブロンズの彫刻と違って、
大理石の彫刻は、単純に作るのが難しいですし、何より体力も要します。
なぜ、シャガールはあえて大理石を素材に選んだのか?
この明確な答えは、いまだ明らかになっていないそうです。


と、答えはどうあれ、シャガールの彫刻作品は、純粋に面白かったです。
画家シャガールが気まぐれに作った彫刻作品という感じではなく、
彫刻家シャガールが作った彫刻作品というような印象を受けました。
むしろ、なぜ今まで紹介されてこなかったのか謎。
新たなシャガールの魅力に気づかせてくれた展覧会でした。
星星


また、下絵と併せて彫刻作品や陶芸作品が展示されていたり、
《誕生日》 のように密接に関連する絵画作品と併せて彫刻作品が展示されていたので、

下絵


シャガールの二次元の世界と三次元の世界を、
ふわふわと行った来たりできるのも面白かったです。


ちなみに、カミングアウトしますと、
展覧会を訪れるまで、シャガールの独特の浮遊感と、
東京ステーションギャラリーの重厚なレンガ壁がマッチするのか、やや不安だったのですが・・・

会場
会場


全くの杞憂でした。
絶妙にマッチング。
気になった方は、是非、会場に足をお運びくださいませ。




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天下を治めた絵師 狩野元信

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サントリー美術館が、赤坂のサントリービルから、
現在の東京ミッドタウン内に移転してから、今年でちょうど10年。
それを記念して、今年は六本木開館10周年を祝う特別展が続々と開催されていますが、
その真打ともいえる展覧会 “天下を治めた絵師 狩野元信” が、いよいよ始まりました!

狩野
狩野
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


室町時代末期から江戸時代の終わりまで、
実に400年という長きに渡って画壇に君臨し続けた日本絵画史上最大の画派・狩野派。
その繁栄の基礎を築いた室町時代の絵師、狩野元信の本格的な初回顧展です。

狩野信という名前だけに、元祖、狩野派の祖のような印象も受けますが。
狩野派の祖は、狩野正信。
元信は、その息子。つまり二代目です。

初代である正信も、室町幕府に御用絵師として仕えるほどの実力の持ち主でしたが、
二代目である元信は、絵師として優れていたのはもちろん、経営者としても優れていました。
そして、その経営センスをいかんなく発揮して、狩野派を一大ブランドにのし上げた人物です。
何とも頼れる二代目。
あの時代に、『カンブリア宮殿』 があれば、間違いなくゲスト出演していたことでしょう。


狩野派が日本美術界のトップブランドとして君臨した理由。
それは、「真」「行」「草」 の3つの画体を確立させたことにあります。
当時、日本で人気があったのは、中国の絵画。

中国


日本の絵師たちは、中国絵画を規範としていましたし、
パトロンたちは、中国絵画のような絵を絵師たちにオーダーしていました。
元信は、そんな中国絵画の様式を徹底的に研究。
その結果、「細密な描写と描線による真体」「もっとも崩した描写である草体」、
そして、「その中間にあたる行体」 の3パターンの画体を確立することに成功したのです。

難い


これにより、パトロンからの幅広いオーダーに対応することが可能に。
また、弟子たちは 「画体」 を学ぶことで、
誰でも狩野元信スタイルで描けるようになります。(←今でいう、業務のマニュアル化ですね)
そうして育成された弟子たちがたくさん増えることで、
障壁画などの大型のオーダーを受けることも可能になったのです。
まさに、一石二鳥のシステムです。


それに加えて、元信は中国絵画だけでなく、やまと絵も徹底的に研究し、
やまと絵系絵師の専門領域であった絵巻物の部門にも積極的に取り組んでいきました。

絵巻
重要文化財 《酒伝童子絵巻》 三巻のうち巻三(部分)
画/狩野元信 詞書/近衛尚通・定法寺公助・青蓮院尊鎮 室町時代 大永2年(1522) サントリー美術館
(注:全期間展示。ただし、会期中に展示替あり)



さらには、贈答用品の需要が見込んで、扇絵の制作にも力を入れていきます。

月次風俗図扇面流し屛風
京都市指定有形文化財 《月次風俗図扇面流し屛風》 「元信」印 六曲一隻 室町時代 16世紀 京都・光圓寺
(注:展示期間は10/11~11/5)



ちょっと引いてしまうくらいの事業拡大ぶり。
いや、でも、ここで頑張ったからこそ、狩野派はその後400年も続いたのでしょうね。
そういう意味では、日本美術ファンにはもちろん、ビジネスマンにオススメしたい展覧会です。
星星


ちなみに、今回の展覧会のメインビジュアルに使われているのは・・・

美術館


重要文化財に指定されている 《四季花鳥図》 全八幅のうちの一幅。

一
重要文化財 《四季花鳥図》 八幅のうち一幅 狩野元信筆 室町時代 16世紀 京都・大仙院
(注:展示期間は、10/18~11/5)



キジなんだか、クジャクなんだか、七面鳥なんだか。
センターに描かれている鳥の正体が、サッパリわかりません。
こういう時は、「高橋君に聞いてみないとネ」 のコーナーで、
お世話になっている高橋博士に聞いてみるに限ります。
すると、早速答えが判明。

顔料が褪せてしまっているだろうから、おそらく完成時はもっと鮮やかな色彩だったはず。
であるなら、この鳥は中国南西部に生息するベニジュケイに違いないとのことです。
メスへの求愛の仕方が独特で、気に入ったメスを見つけると、
首の下からワインレッドとブルーが混じった 「肉垂れ」 を出して、見せびらかすのだそうな。
絵に描かれているのは、まさにそんな求愛のシーンなのだとか。

と言われても、まったく映像が浮かばないので、
Youtubeでベニジュケイの求愛シーンの動画を探してみることに。




絵からはイメージできない衝撃的な映像でした (笑)

なんでまた、狩野元信はこんなシーンを描いたのか?!
謎です。


 ┃会期:2017年9月16日(土)~11月5日(日)
 ┃会場:サントリー美術館
 ┃
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_5/




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ほとけを支える ―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―

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現在、根津美術館の展示室1・2では、
根津美術館コレクションより選りすぐられた仏教美術の優品の数々が展示されています。

会場
海峡
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


と言っても、主役は仏に非ず。
仏が乗っているや、

仏
台
《釈迦三尊十六羅漢像》 絹本着色 日本・南北朝~室町時代 14-15世紀 根津美術館蔵


仏が乗っている動物たち、

仏
仏
《文殊菩薩像》 絹本着色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵


はたまた、仏に踏みつけられているヤツ (=邪鬼) など、

邪鬼
《毘沙門天像》(部分) 木造彩色 日本・鎌倉時代 14世紀 根津美術館蔵


普段はあまりスポットが当てられない、
まさに縁の下の力持ちのような彼らが、今回の展覧会の主役です。
そんな “ほとけを支える ―蓮華・霊獣・天部・邪鬼―” は、10月22日まで。
(邪鬼は、仏を支えているつもりはないでしょうがw)

ほとけ


これまで、そんなに意識したことはなかったですが、
改めて、仏が乗っているものに着目してみると、意外とバリエーションは豊富でした。
発見の多い展覧会です。
星

やはり多かったのは、蓮台。
仏教を象徴する蓮の花を象った台座です。
基本的に、蓮台は花弁が立ち上がっていますが。
中には、デロンと開き切っているものも。

釈迦
で論
《魚籃観音像》 紙本墨画淡彩 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵


ラフレシアか何らかの食虫植物のよう。
蓮台というよりは、ラフレシア台です。

また、珍しい例では、魚の上に乗っている仏もいました。

仏
重要文化財 《金剛界八十一尊曼荼羅》 絹本着色 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵


ヌルヌルしそうなものですが、完璧に乗りこなしています。
絶妙なバランス感覚。
さすがは仏です。


さてさて、今回の展覧会の主役ともいえるのが、
重要文化財に指定されている 《金剛界八十一尊曼荼羅》 です。天台密教の美しい彩色曼荼羅ですが、見ていただきたいのは、ほとけさまが座っている鳥獣座です。

金剛界八十一尊曼荼羅
重要文化財 《金剛界八十一尊曼荼羅》 絹本着色 日本・鎌倉時代 13世紀 根津美術館蔵


仏がわらわら描かれていて、結局のところ、

「誰が誰なの?!」

と、なりがちですが、台座に着目すると・・・

解説


実は、ちゃんと仏がグループ分けされていることがわかります。
ちなみに、どセンターの大日如来が乗っているのは、七頭の獅子が支える蓮華座。
その他には、ペガサスや翼の生えた象が支えているレアな蓮華座もあります。
会場に行かれた方は、是非、台座をチェックされてみてくださいませ。

あと、台座とは関係ないですが、

台座


仏が多すぎて、アタック25の観覧席みたくなっているところもありました。



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アートテラー的お茶漬け生活 ~その拾壱~

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永谷園のお茶づけ海苔に封入されている東海道五十三次カード。
全55枚揃えるには、何日かかるのか?


アートテラー・とに~が体を張って検証する企画。

タイトル


この企画を始める前から、なんとなくこの展開は覚悟していましたが、
案の定、残り10枚を切ってから、新たなカードが出づらくなってきました。
なかなか先に進めません。

ついに過去最大となる8連敗を喫しましたが、
95袋目に川崎が出たことで、なんとか連敗はストップしました。
しかし、96袋目は京師、97袋目は石部と、あっという間に2連敗。

“あぁ、また8連敗コースか・・・”

と、落ち込んだりもしましたが、98袋目から出てきたのは、
《東海道五十三次之内 保土ヶ谷 新町橋》 でした。

保土ヶ谷 新町橋
保土ヶ谷 新町橋


この終盤に来て、たった2連敗で済んだのは奇跡!
お茶漬けの神様、ありがとうございます。
ちなみに、ちょっとしたトリビアですが、
東海道五十三次の宿場の中で、漢字四文字なのは、「保土ヶ谷」 だけです。


さらに奇跡は続きます。
99袋目に入っていたのは、東海道最後の宿場。
《東海道五十三次之内 大津 走井茶店》 でした。

大津 走井茶店
大津 走井茶店


走井とは、走るように湧き出る井戸のこと。
確かに画面左に描かれている井戸からは、水がジャブジャブ溢れ出ています。
クラシアンのCM並の溢れ方です。


そして、いよいよ記念すべき、100袋目
なんか、またまた奇跡が起きそうな予感がします。

保土ヶ谷


また保土ヶ谷!!

2個前に出たばっかだし。
どんな奇跡だ!



さてさて、去年の秋にこの企画がスタートしたわけですが、
季節はすっかり秋、気が付けば、10か月近くの月日が流れています。
その間に食べたお茶漬けは、100袋
計644食です。
空き袋の量もスゴいことになってしまいました。

空き袋


ゴールまで、あと6枚。
しかし、今のままのペースでは、1年以内のゴールは難しいかもしれません。
というか、2か月くらい毎日お茶づけを食べて、
たった1日分の記事にしかならないなんて、過酷も過酷です。

そこで、ついに禁断の果実に手を出すことに決めました。

ダイソー
100円


そう、ここからはペースアップを狙って、
ダイソーなど主に100均で販売されているお茶づけ海苔に切り替えることにしました。
1袋につき、4食分。
食べる量は、これまでの半分で済みます!

そんなペースアップ作戦の1発目で出てきたのは、
《東海道五十三次之内 沼津 黄昏図》

沼津
沼津


描かれているのは、沼津宿の目前。
狩野川沿いの道です。
前を歩くのは、母と子らしき2人。
そのすぐ背後に、天狗を背負った怪しげな人物がピッタリと付けています。
ふりむかないで、沼津の人。

いきなり新たなカードが出るとは、実に幸先の良いスタートです。
この調子でポンポンポンと進むかと思いきや、そんなことは決してなく。
坂之下、土山、吉原、平塚、保土ヶ谷、蒲原、神奈川と7連敗。。。
食べる量は減りましたが、連敗で受ける精神的ショックは、そうそう減るものではありません。

まるで霧の中を進むように、もがきながら食べ進めた109袋目。
《東海道五十三次之内 三島 朝霧》 が出ました。

三島
三島


やったー!霧が晴れた!!

これで41枚目。
うっすらとですが、ゴールがもうそこまで見えてきた気がします。


ちなみに、110袋目は沼津。
4食入りのお茶づけ海苔10袋を食べ切ったので、さらなるペースアップを目指します!

3食


100均で売っている梅干し、さけ、わさび茶づけ1袋に入っているのは、たった3食分だけです。
つまり、頑張って1日3杯食べれば、1日で1枚のカードを出すことも可能!
なんとも夢のような展開です (←お茶漬け生活が長すぎて、完全に頭がおかしくなってる)。

しかし、現実は甘くありません。
お茶漬けのようにしょっぱいのです。

甘く


金谷、府中、袋井、江尻、戸塚、品川、川崎、小田原、原、三島と10袋全滅。
いつの間にやら、連敗は11に。
未体験の2ケタ連敗ゾーンへと突入しました。
そして、さらに連敗記録は伸びていきます。
当たり前ですが、その分、お茶漬けは食べています。

温めたトマトジュースをかけて、トマト茶漬けにしてみたり。
(とろけるチーズを入れると、一層美味しく召し上がれます)

トマト


まぐろのすきみにわさび茶づけを和えて、ビールや日本酒に合うおつまみにしてみたり。

お茶づけ


減塩の味噌を入れて、超簡単な味噌汁にしてみたり。

味噌


あの手この手を使って、お茶漬けを消費していく日々です。
そんな日々の中で、辛味が苦手なわさび茶づけを美味しく食べる方法を発見しました。

2つ
お茶づけ


さけ茶づけと混ぜることで、わさびの風味とさけの旨味がマッチして、絶妙な味わいに。
まさにコロンブスの卵的なアイディア!
皆様もどうぞお試しあれ。


と、カードは増えないのに、お茶漬けのレシピだけが増えています。
そして、この時点で・・・

15連敗


もうイヤだ。。。

気が付けば、巨人軍のワースト記録を越えていました。
もう出ないのかも。
そう諦めかけた125袋目。

見附 天竜川図


《東海道五十三次之内 見附 天竜川図》 が出ました!!

見附 天竜川図


思わず、ガッツポーズ!
自然とアスリート並のガッツポーズが飛び出しました。
間違いなく、ここ数年で一番嬉しかった瞬間です。


ゴールまで、あと3枚


【次回予告】
次回、“アートテラー的お茶漬け生活” が、ついに完結!!
永谷園のお茶づけ海苔を約1年間食べ続けた男が見つけた秘策とは?!
誰もが予想しえなかった衝撃のフィナーレ。
どうぞお楽しみに!





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八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻のあいだで

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八木


現在、菊池寛実記念 智美術館で開催されているのは、
“八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻のあいだで” という展覧会。
戦後の陶芸界に新たな風を吹き起こした2人の陶芸家を紹介する展覧会です。
星


まず紹介されているのは、八木一夫 (1918~1979)。
あの司馬遼太郎が、「天才」 と称した人物です。
八木一夫と言えば、オブジェ焼き。
皿や壺、花器といった用途を持たない純粋な造形、
まるでオブジェのような陶芸作品を次々と発表していきました。

八木
ロクロ
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


そんな八木一夫の代表作ともいえるのが、《ザムザ氏の散歩》

八木


フランツ・カフカの小説 『変身』 の主人公ザムザが、
ある朝目覚めたら巨大な虫に変身していたことを題材に制作した作品だそうです。
そう言われてみると、虫のように見えてきました。
それも、脚の多いヤツ。
さて、こちらの作品、パッと見では陶芸作品とは思えません。
むしろ彫刻作品、普通のオブジェのようです。
しかし、実は、ちゃんと伝統的な陶芸の技法で制作されています。
中心の輪っかは、ロクロで成型した円環を横向きにしたもの。
そこから生えてる虫の脚や触覚みたいなのも、ロクロで成型した円筒なのです。
陶芸界のみんながみんな、皿や茶碗を作っているときに、
こんなわけのわからないものを作って発表した八木一夫。
確かに、天才です。

ちなみに、ヘンテコなオブジェ焼きばかり作っているのかと思いきや、
フグをイメージした (?) 《春の海》 のように、意外と愛らしい陶芸作品も多々ありました。

春の海


僕のお気に入りは、《踊り》 という作品。

踊り


色こそ黒一色で地味ですが、着色したら、たぶんゆるキャラっぽくなるはずです。
どこかの地方の祭りにいそうな感じ。
ただ、踊れる気は全くしません。
頑張っても、音楽に合わせて、左右に揺れるのがやっとではないでしょうか。


さてさて、続いて紹介されているのが、清水九兵衞 (1922~2006) です。
名古屋に生まれ、建築を学び、その後東京藝術大学で彫刻を学ぶも、
在学中に江戸時代から続く陶家、清水六兵衞家の養嗣子となり陶芸の道へ。
と、興味がコロコロと変わっていった人物ですが、
それ以上に、塚本廣⇒清水洋⇒清水裕詞⇒七代六兵衞⇒清水九兵衞と、
驚くほど名前もコロコロと変わっています。
そんな自由な感じが、制作にも反映されているのでしょう。

清水九兵衞
オブジェ


八木一夫のように陶芸に固執するわけでもなく、
オリジナリティ溢れる造形の作品を数多く生み出していました。

ちなみに、個人的に印象に残っているのは、《ユニット・オブジェ(一輪挿)》 です。

オブジェ


一つ一つのキューブは、それぞれ一輪挿だそうで。
発表時は、4×4に並べて、まるで積み木のように展示していたのだそうです。
なんと斬新な。
今回は、展示台に整列させる形で展示されていました。
縦に7個。横に9個。
足して、計16個。

・・・・・・・って、危うく騙されるところでした!
1個重複して数えてしまっているので、計15個です。
あれっ、1個どこ行った?




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驚異の超絶技巧!―明治工芸から現代アートへ

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2014年に三井記念美術館で開催され、
美術界に超絶技巧旋風を巻き起こした “超絶技巧!明治工芸の粋”
あの大ヒット展覧会の続編が、同じく三井記念美術館にて開幕いたしました!

驚異
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


その名も、“驚異の超絶技巧!―明治工芸から現代アートへ”
会期は12月3日まで。

前回と同様に、明治時代に、主に輸出用として作られ、
「ニッポン!スゴ~イデスネ!!」 と世界に驚かれた、
そして、現代人にも驚かれた超絶技巧な工芸品が一挙公開されています。

並河靖之に、

並河
並河靖之 《紫陽花図花瓶》 清水三年坂美術館蔵


柴田是真に、

柴田
柴田是真 《古墨型印籠》 個人蔵


宮川香山に、正阿弥勝義に、白山松哉に、
明治工芸界のスーパースターたちが大集結。
そして、その技を競い合っています。
まさに、工芸の天下一武道会のような状態です。

もちろん、前回の展覧会で大ブレイクした、
謎多き天才牙彫師・安藤碌山も初公開作を引き下げて (?) 参戦しています。

キュウリ
安藤碌山 《胡瓜》 個人蔵


しかも、前回よりもボリューム増量。
こんなにまとめて安藤碌山作品が観られるだなんて。
ファンにとっては、有難い限りです。

ボリューム


さてさて、今回の展覧会には、明治の作家だけでなく、
このブログでも何度か登場している自在置物作家の満田晴穂さんをはじめ、

満田


超絶技巧+αな作品を作る現代アーティスト15人も参戦しています。
工芸の天下一武道会、改め、もはや工芸のバトルロワイアルのような状態です。
15人もいれば、まぁ数合わせのような作家が1人2人いてもおかしくないですが (←おいっ!)。
こと今回に限っては、そんな作家は一人もなし。
15人全員が素晴らしかったです。
明治のレジェンドたちに引けを取らない、
なんなら勝っていた現代アーティストもちらほらいました。

特にオススメなのは、前原冬樹さんの作品です。

前原
前原冬樹 《一刻:皿に秋刀魚》 2014年/font>


どこからどう見ても、秋刀魚。
食べかけの秋刀魚です。
実は、こちらは彫刻作品。
木彫に油彩で彩色した作品なのです。
それだけでも十分に驚きですが、実はもっと驚くべき事実が!
なんと、こちらは一木造り。
しかも、秋刀魚だけでなく、皿も併せて一木。
秋刀魚の頭と尻尾の一部と皿は、繋がっているのです。
どうしたらこんなリアルな造形が生み出せるのか、
頭では理解できるものの、実物を前にすればするほど、わからなくなってきます。
混乱必至の作品です。


それから、個人的にイチオシのアーティストは、新進気鋭の鋳金作家・髙橋賢悟さん。

髙橋
髙橋
髙橋賢悟 《origin as a human》 2015年


さて、こちらの作品、まず実際の花を耐火石膏に埋めて焼成します。
すると、花の部分は焼けて空洞ができますよね。
そこにアルミニウムを流し込み、固まったら取り出します。
そして、それをひたすらに磨きます。
ちなみに、取り出してみるまで、形がどうなっているかわからないので、
失敗していたら (例えば、花弁の先端に金属が行き届いていなかったら)、それは廃棄です。
さて、そうして制作した花のパーツと、
同じように、耐火石膏の鋳型を使って量産したワスレナグサのパーツ、
あわせて約8万個 (新作は約10万個!) を使用し、頭蓋骨の形を構成したら完成です。
説明をするのも、それを読むのも手間がかかりますが、
実際の制作はこの数倍、数十倍も手間がかかっています。
髙橋さんは、僕と同い年。
どうしたら、こんなに根気強くなれるのか。
頭が下がる思いです。




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アートテラー・とに~氏とyukimone氏が6年ぶりにタッグ!

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こんばんは。
ATN (=アートテラーニュース)の時間です。

たった今、速報が入ってまいりました。
今年で連載スタートから10年を越えたアートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
ロゴを含むその全体的なデザインや、
かつて使用されていたアートテラー・とに~氏の公式プロフィール用イラストを手掛けた、

イラスト


イラストレーターのyukimone氏が、長い沈黙を経て電撃復帰!
実に6年ぶりに、アートテラー・とに~氏とタッグを組むことが決まったとのことです。

以下、とに~氏のコメントです。

「初期から応援頂いている方にとっては、驚きのニュースなのではないでしょうか!
 yukimoneさんが、このブログのために描きおろしてくれていた芸術家トレーディングカードや、

021.ムンク Illust by.yukimone035.歌川広重 Illust by.yukimone


 初期の伝説的コーナー “はじめまして、かみたまです。” の 「かみたまシール」 を、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-かみたまです。ロゴ

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-05.阿修羅 Illust by.yukimone アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-デメテル
アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ゼウス by yukimoneアートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-アプロディーテ Illust by.yukimone


 毎回楽しみにしてくださっている熱心なファンが大勢いらっしゃいました。
 そんなファンの方々から、

 「またyukimoneさんとコラボしないんですか??」

 と声を掛けられることも、いまだに少なくありません。


 さてさて、そんなyukimoneさんから、
 クリエイターとして活動復帰したと嬉しい報告を受けたのは、先月の末のこと。
 そして、文末には、こうありました。

 「またなんか描いてほしいものがあったらご依頼くださいませ😉」
 
 実は、その時ちょうど、 いよいよ今週末に控えた27時間アートツアーの準備をし始めたところ。

 “イラスト・・・27時間アートツアー・・・はっ!!

 あまりのタイミングの良さに、思わず飛び上がってしまいました。
 これはもう頼むしかない!

 「yukimoneさん、早速一つお願いがあるのですが。
  実は、来月に27時間アートツアーという企画を開催する予定でして。
  本家のようにオリジナルTシャツがあったらいいなぁと、漠然と考えていました。
  もし良かったら、デザインして頂けないですか??」

 すると、即答でご快諾頂けました。

 『とにかくアートツアーの楽しさが伝わるTシャツを!』

 というコンセプトで制作して頂くこと、2週間。
 ついに待望の27時間アートツアーのTシャツデザインが完成いたしました!
 それが、こちら↓

イエロー


 センターのシルエットは、言わずもがな僕です (笑)
 このために写真を何枚も送りました。

 期待通り、いや、期待以上に楽しいTシャツです。
 さすが、yukimoneさん。
 イラストレーターの腕は、まったく錆びていませんでした。
 お腹から背中にかけて、絵が一枚繋がっているのも楽しいデザインです。
 しかも、実は、アートツアーの2本柱である “大東京建築ツアー” と、
 “そうだ 江戸、行こう。” のイメージも、デザインの中にちゃんと反映されています。
 それは、“大東京建築ツアー” のロゴマークに使っている東京タワーと、
 太田記念美術館の公式 (?) マスコットキャラクターの虎子石のシルエット。
 まさにアートツアーの集大成イベントに相応しいTシャツです。

 27時間、体力がもつのか、やや不安はありましたが。
 このTシャツを着れば、元気100倍!
 最後まで元気に乗り切れそうです。」


さて、yukimone氏からもコメントが寄せられております。

「お久しぶりの皆さま、はじめましての皆さま、こんばんは!
 一児の母になりました♪yukimoneです。

 イラストを描くこと自体をお休みしていて、
 この名前を名乗ることもずいぶんご無沙汰でしたが、再開しようかなと決めたタイミングで、
 とに~さんと久しぶりにコラボするということになり!

 復帰作がTシャツデザインだなんて、昔と変わらず無茶ぶりなとに~さん。笑
 しかも販売する予定だとか…!
 相当緊張しまくりでしたが、完成することができてホッとしています。

 お久しぶりの皆さまには、おなじみのとに~さんシルエット!!!
 思わず、にやりとしてくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 懐かしみながら楽しんで作らせていただきました!
 これを着て、27時間アートツアー、楽しんでいただけたらうれしいです。
 
 改めて、とに~さんと組んで、ものづくりをするのはやっぱり楽しい!!!と感じました。
 今も昔も “人を楽しませたい” という想いが、ブレていないのがすばらしいです。

 これをきっかけに、また一緒に何か作っていけたらいいなと思いました♪♪」



さて、最後に、とに~氏よりお知らせです。

「yukimone氏がサラッとお伝えしたように、
 今回、限定30着で、皆さまの分のTシャツも制作しました (笑)
 イエローのMが10枚、Sが10枚。
 色違いでホットピンクのMが5枚、Sが5枚です。

ピンク


 一律2500円です。
(税込。送料は別途ご相談。アートツアーに近日中にご参加される方は、直接手渡しします!)  27時間アートツアーにご参加頂く方も、
 今回残念ながら、ご参加いただけない方も是非ぜひ!

 ご注文頂く方は、ご希望の色とサイズを書き添えて、
 以下のメールフォームより、よろしくお願いいたします。
 https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/




それでは、今夜のATNは、この辺りで。
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秘密のアートSHOW

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先日、大人の事情で作品を掲載できないシャガール展の展示風景を、
なんとか紹介するべく、『秘密のケンミンSHOW』 スタイルでお届けしたところ、
思いのほか、多くの方から 「オモシロかった!」 との反響を頂きました。

へー。そうだったのか。
『秘密のケンミンSHOW』 風にしてみると、何かオモシロく感じるようです。
そんな発見から、今回は、古今東西の名画の数々を、『秘密のケンミンSHOW』 風にしてみました。


~レオナルド・ダ・ヴィンチ 《最後の晩餐》 の場合~

最後の晩餐


一同が集まって、秘密のごちそうを食べている。
『秘密のケンミンSHOW』 でよく見る光景です。
このあと、スタッフより、

「最後の晩餐でパンとワインを食べているのって、この地域の人たちだけなんですよ。」

と、伝えられて、一同ビックリします。


~ピーテル・ブリューゲル 《農民の結婚》 の場合~

農民の結婚


親戚一同で食卓を囲んでいると、その中盤辺りで、
「出来たわよー」 とお母さんが、秘密のごちそうを持ってきて、一同大盛り上がり。
おじいちゃんとお父さんが、それを美味しそうに食べる映像に切り替わります。
これもまた、よく見る光景です。
ちなみに、秘密のごちそうの正体は、
ヴライと呼ばれるフランドル地方民熱愛のプディングとのこと。


~エドゥアール・マネ 《草上の昼食》 の場合~

草上の昼食


ピクニック中にインタビュー。
家だけでなく、外でも食べるだなんて。
こちらの裸のマダムは、どれだけ秘密のごちそうを熱愛しているのか。
たぶん週3くらいで食べてます。


~歌川広重 《東海道五十三次之内 鞠子 名物茶店》 の場合~

鞠子


お店を取材するパターン。
お客さんのほとんどが、秘密のごちそうを注文しています。
その正体は、とろろ汁。
この後は、とろろ汁が続々とオーダーされる定点カメラの映像に。
続いて、周辺のお店でも、とろろ汁が提供されていることが紹介されるはず。


~ポール・セザンヌ 《りんごとオレンジ》 の場合~

りんごとオレンジ


テーブルの上に、りんごとオレンジが乗っただけのごくごくシンプルな静物画ですが。
こうして秘密マークで隠してみると、結構な量が乗っていたことに気づかされます。
一家族では食べきれない量です。
スーパーの売り場のように見えてきました。


~ルカス・クラーナハ 《ユディト》 の場合~

皿


見た目がショッキングなあの名画も、
一部を秘密マークで隠してみると、まったく違った印象に。
ユディトが秘密のごちそうを運ぶ店員さんに見えてきました。
隠されているものの正体を知りたい方は、
「クラナハ ユディト」 で検索してみてください。


タイトル
ゴヤ


見た目が超ショッキングなあの名画も、
一部を秘密マークで隠してみると、まったく違った印象に。
サトゥルヌスが秘密のごちそうをワイルドに食べるケンミンに見えてきました。
サトゥルヌス熱愛グルメの正体を知りたい方は、
「ゴヤ サトゥルヌス」 で検索してみてください。




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生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ

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今年2017年は、「二科会のドン」 と称され、
俗に 「東郷様式」 と呼ばれる独特のスタイルでお馴染みの東郷青児の生誕120年の節目の年。
それを記念して、日本全国を4会場巡回する東郷青児の大回顧展、
“生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ” が開催されています。
もちろん東郷青児の名を冠する東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館も、その会場の一つです。

会場
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館には、
「毎回、展示室のレイアウトを同じにしがち」 という “あるある” がありますが。

レイアウト


今回は、いつもと違うレイアウトになっていました。
そんなところからも、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館の本気が感じられます。


展覧会には、お菓子の包装紙のイメージが強い、
これぞ東郷青児、“ザ・東郷様式” な代表作も数多く紹介されていましたが。

若い日の思い出
《若い日の思い出》 1968年 油彩・キャンヴァス 145.6×97.2cm 損保ジャパン日本興亜
紫
《紫》 1939年 油彩・キャンヴァス 129.6×79.7cm 損保ジャパン日本興亜


東郷青児が東郷青児となる前 (←?)、
いうなれば、東郷青児のエピソード0とでもいうべき、初期の作品も紹介されていました。

未来は
コントラバス
《コントラバスを弾く》 1915年 油彩・キャンヴァス 153.0×75.4cm 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館


当時、イタリアで流行していた未来派スタイルを取り入れた、実に前衛的な作品。
カッコいいですが、お菓子の包装紙には採用されそうもありません。
(ルミネセールのポスターに採用されそうです)
また、とある温泉を飾っていたモザイクタイルを再現した作品や、

ラフ
《裸婦》 1952年 モザイクタイル絵 164.0×121.0cm INAX ライブミュージアム(PART OF LIXIL)


とある百貨店の壁画として描かれた、11歳上の藤田嗣治との競作など、

山の幸
《山の幸》 1936年 油彩・キャンヴァス 173.0×173.8cm シェラトン都ホテル大阪


東郷青児の激レアな作品の数々も、一堂に集結していました。
新たな東郷青児の魅力に気づくこと請け合い。
東郷青児のファンは当然として、
「えー、東郷青児?もう見飽きたよー」 という方にこそ、オススメの展覧会です。
星星


さてさて、かくいう僕自身が、
まさに、「えー、東郷青児?もう見飽きたよー」 状態だったのですが (笑)
今回の展覧会を通じて、しぶしぶと・・・、
もとい、マジマジと鑑賞したことで、さまざまな気づきを得ることができました。
特に強く印象に残ったのが、髪の毛の表現。

バイオレット
《バイオレット》  1952年 油彩・キャンヴァス 108.4×80.0cm 損保ジャパン日本興亜


これまでは、少し離れたところから、
「うん。東郷青児のよくある美人画ね」 と、サラッと眺めるだけだったので気づきませんでしたが。
近づいてよーく観てみると、髪の毛はただの白一色なのではなく、
髪の毛のウェーブが、刷毛目を巧く使って丁寧に表現されていました。
他にも、髪の毛の部分にラメが入っているような表現の絵があったり、
絶妙で繊細なグラデーションで丸みを帯びた立体感を表現していたり。
細部の細部まで、職人技が施されています。
絵画というよりも、もはや工芸品のような印象でした。
これまで、サラッと眺めるだけだった自分を反省です。

と、心を入れ替えて、東郷青児作品を鑑賞した結果、
一つの “あるある” にも気が付くことが出来ました。

超現実派の
《超現実派の散歩》 1929年 油彩・キャンヴァス 64.0×48.2cm 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

会場


東郷青児の絵に登場する人は、靴下片方無くしがち。




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素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生

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東京藝術大学大学美術館に行ってまいりました。
会場には、法隆寺の釈迦三尊像や、

法隆寺釈迦三尊像
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)


莫高窟で一番の美人といわれる第57窟の菩薩、

敦煌
菩薩


タジキスタンのペンジケント遺跡から発掘された壁画など、

タジキスタン・ペンジケント遺跡


シルクロードの貴重な文化財が大集結しています。

・・・・・と言っても、本物ではなく。
3D計測や科学分析といった最新技術を用いつつ、
人の手作業によるアナログな技術で忠実に再現された超精巧な複製品です。
この技術を開発した東京芸術大学は、
それらのスーパーレプリカを、『クローン文化財』 と命名。
そんなクローン文化財を世界で初めてお披露目する機会となるのが、
現在開催中の “素心伝心 クローン文化財 失われた刻の再生” なのです。

そしん


さてさて、その再現度は、まさにクローンレベル。
例えば、冒頭で紹介した法隆寺の釈迦三尊像に関しては、背後も忠実に再現されています。

釈迦


また、欠失してしまった螺髪や白毫、光背の飛天などは復元した状態で再現。

復元


さらに、いい感じでシブい風合いを放っている台座も、
似たようなものを探してきたわけでなく、一から作られたもの。
漆で古色を完全再現しています。

台座


ここまで徹底的に再現されていると、もはやレプリカという印象は全くありません。
本物と同じくらいに、いや、本物以上の感動を覚えました。
本気でお祈りしたら、何かご利益がありそうな感じがします。

ちなみに、釈迦三尊像の周囲には、
1949年の火災で消失してしまった法隆寺金堂の壁画を再現。

法隆寺金堂壁画


現存する文化財を忠実に再現できるだけでなく、
失われてしまった文化財を再現できるのも、クローン文化財という技術の素晴らしさ。
物によっては、触ってもOKというところにも、クローン文化財の素晴らしさを感じました。

タッチ


というわけで、クローン文化財の重要性は十分に伝わりましたし、
これからも数多くのクローン文化財が生まれることに大いに期待しています。
星


ただ、一つだけどうしても気になることが。
誰もツッコんでいないので、もしかしたら僕だけが感じているのかもしれないのですが・・・

「“クローン文化財” ってネーミング、どうよ?」

ぶっちゃけ、僕はダサいと思っています。
なんとなく、売れない芸人のコンビ名っぽい印象を受けます。
たぶん、双子の芸人
このネーミングのせいで、流行らなさそうな感じがしてなりません。
せっかく素晴らしい技術なのに。




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第百四十六話 国宝ハンター、出版する!

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前回までのあらすじ~

「日本全国の国宝のすべてを、その目に焼き付ける!」
という無謀な目標を立てたのは、2011年8月のこと。
それから6年、地道に国宝をハンティングをし続けてきました。
その数、実に907件。
振り返ってみれば、いろんなことがありました。
時に険しい山道に苦しめられ、時に寒さで体が震え、
時に高速バスでの超時間移動に腰を痛め、そして、時に感動し。
・・・7割8割は辛い体験ですね。
それでも、まぁ、どれも国宝ハンターでなかったら出来ない体験ばかり。

大切なことはすべて国宝が教えてくれた。



国宝ハンターという企画が始まってから、6年という月日が流れました。
気づけば、7年目に突入です。
基本的にキツいことが多いので、

“・・・・そもそも、一体何のために、誰のために、この企画をやっているのだろう??”

と、頭をよぎったこともしばしばですが。
どんなことでもコツコツと積み重ねていれば、誰かがその頑張りを見ていてくれるものなのですね。
形にしてくれるものなのですね。

このたび、国宝ハンターとして、なんと本を出版することになりました!
それも、天下の小学館さんから!!

タイトルは、『こども国宝びっくりずかん』 です。

本

こども国宝びっくりずかん: 3大付録つき へんてこ!すごいぞ!日本の宝もの (ワンダーライフス.../小学館



国宝ハンターとしてのこれまでの経験を活かし、
観ておきたい、観ておくべき国宝をわかりやすく楽しく紹介した本です。
こども向けではありますが、大人が読んでも楽しめる。
Eテレの番組のようなテイストを目指しました。

国宝指定されている5体の土偶を戦隊モノ風に紹介したページがあったり、

土偶レンジャー


小学館がお得意とする紙の付録を3つも付いていたり、

サンプル


内容盛りだくさんの楽しい本になったのではないかと自負しています。
国宝にはならないでしょうが、家宝にはなるかも。

ちなみに、人生初の著書 『ようこそ!西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』 に関して、

「どんだけ自分が登場するんだよ!」

と、自分で自分にツッコミを入れていましたが。
(参考記事:とに~氏初となる著書が発売!

今回の本は、その比ではありません。
ほぼ全ページに自分が登場しています (笑)
むしろ出てないページを探すのが大変なほど。
これまで国宝ハンターとして一度も、
「国宝ハンター」 と書かれたタスキをしたことなどないのですが。
本用の写真撮影のためにスタジオに出向いたら、タスキが用意されていました。

国宝ハンター


しかも、赤と金の2種類。
どちらが正解なのか、わかりませんでしたが。
とりあえず、金のほうをチョイスしました (笑)

発売日は、10月2日。
来週です。
それまでに、やっておかなければならないことがあるため、
今週、山陰地方の弾丸国宝ハンティングツアーに行ってきました。


向かうは、出雲大社。
移動は、例によって高速バスです。
片道、13時間20分 で到着しました。
これは東京―山口、片道14時間に次ぐ長時間記録。
腰への負担が大きいです。

出雲大社


さてさて、ある程度の予想はしていましたが、やはり出雲大社の境内は広かったです。
びっくり!

境内


そして、それ以上にびっくりしたのが、境内のあちこちにウサギがいたこと。
因幡の白兎ということなのでしょうが、

因幡の白兎


それにしても尋常でない数。

うさふぃ
ウサギ
ウサギ


しかも、シルバニアファミリー風。

シルバニア


相撲の祖・野見宿禰命を祀る野見宿禰神社のすぐ近くにも、ウサギの像がありました。

 野見宿禰
ウサギ


・・・・・と、気づけば、ハンティングしているのはウサギばかり。


僕はウサギハンターではなく、国宝ハンターだったのでした。
お目当ての国宝は、注連縄がいかつい拝殿の裏手にある・・・

拝殿
注連縄


《出雲大社本殿》 (ジャンル:建造物) です。

出雲大社本殿


手前の門のせいで、ちょっと見づらいですね。
なので、グルっと回って見やすい位置を探します。

見やすい


横よりも、後ろのほうが見やすそうです。

裏


・・・と思ったら、すでに先客がいました。

拝んでる


カ、カワイイドキドキ


そうそう、この子たちは後ろから拝んでいましたが、
出雲大社の御神座は西向きに祀られているので、西側から拝むのがベターとのこと。

出版


「今後もお仕事の縁がありますように」

と念入りに拝んだところ、その日の夕方に、大きな仕事の依頼が入りました。
出雲大社、よく効きます。
イブクイック並。


ちなみに、その後、参道を散歩していたら、こんなお店を発見!

食堂


気になって、お店の入り口に近寄ってみたら、張り紙がしてありました。

張り紙


お客さんとの縁はなかったのかな?
なんとも複雑な気持ちになりました。


今現在の国宝ハンティング数 908/1108




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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!)
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度ご確認頂けますと幸いです。


10/7(土) ぐるっと東京駅アートツアー!

東京の中心・東京駅周辺には、数々のアートスポットがあります。
まさに東京のアートの中心地ともいうべき、東京駅周辺の美術館や博物館、
さらにはパブリックアートも、まとめて楽しんでしまう内容盛だくさんのアートツアーです。

スタート地点となるのは、三井記念美術館。
こちらでは、この秋必見の三ツ星展覧会、
“驚異の超絶技巧!明治工芸から現代アートへ” をたっぷり鑑賞いたします。
見どころも解説いたしますので、是非お楽しみに!

その後、カフェ休憩を挟み、丸の内エリアへ。
こちらでは、有名アーティストのパブリックアートの数々をご紹介いたします。
そして、ラストには、日本初の本格的なシャガールの彫刻展、
東京ステーションギャラリーの “シャガール 三次元の世界” を鑑賞。
シャガールファンも、そうでない方にもオススメの展覧会です。

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:2500円 (鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



10/8(日) ヨコトリ以外の横浜アートツアー

現在、“ヨコハマトリエンナーレ2017” (通称:ヨコトリ) が絶賛開催中の横浜。
しかし、ヨコトリだけが、横浜のアートではありません!

そこで、今回はヨコトリのメイン会場である横浜美術館と赤レンガ倉庫以外で、
開催中の絶対に見逃せないアートイベントを巡るアートツアーを開催いたします。

まず向かうのは、横浜市民ギャラリーあざみ野。
こちらで開催される話題の展覧会 “渡辺豪 ディスロケーション/dislocation” を、
担当学芸員さんによる見どころ完全ガイド付きで、鑑賞いたします!

その後、休憩を挟んで、黄金町へ。
こちらでは、世界でも類を見ない 「アートによる街の再生プロジェクト」 が行われています、
現在は、ちょうど一年に一度の大イベント・黄金町バザールが開催されています。
黄金町とは、2008年より関わっていますので、
その見どころを最新アートシーンを含めて、徹底的にガイドさせて頂きます!
どうぞお楽しみに!
黄金町に関わるアーティストやスタッフさんたちも、どこかで登場してくださいます♪

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:1200円 (鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/


10/14(土) LOVEだけじゃない!新宿ミステリーアートツアー

今回は、新宿を舞台にしたミステリーアートツアーをお届けいたします。

新宿のアートと聞いて、《LOVE》 を思い浮かべた方は多いでしょうが。
いえいえ、新宿には、まだまだまだ沢山のパブリックアートがあるのです。
それらを紹介するのは、もちろんのこと。
現在、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館にて、
絶賛開催中の “生誕120年 東郷青児展 抒情と美のひみつ” も鑑賞いたします!
さらに、無料で楽しめる㊙美術館もご案内♪
新宿の隠れたアートな一面に徹底的に迫るアートツアーです。
どうぞご期待くださいませ。

時間:13時~18時
定員:12名
参加費:1500円 (鑑賞代を含む)

ご参加希望の方は、こちらの応募フォームからお願いいたします↓
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/



いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

第百四十七話 国宝ハンター、読み間違える!

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前回までのあらすじ~

姉さん、事件です。
国宝ハンターが本になったそうです。
タイトルは、『こども国宝びっくりずかん』。
国宝ハンター自身が、一番びっくりしているそうです。
その本が出版される前に、どうしてもやらなくてはならないことがあるらしく。
国宝ハンターは山陰地方へ向かったそうです。



出雲大社をあとにし、島根県の県庁所在地である松江市にやってきました。

松江


今日の午後は、ここで2件の国宝をゲットする予定です。
翌日のメインイベントに備えて体力を温存したいので、レンタカーを借りようかとも思ったのですが。
『こども国宝びっくりずかん』 の中には、
「現地でレンタサイクルしているぞ」 という記述があります。

サイクル


“あぁ、何で 「最近はレンタカーも使うよ」 って言わなかったんだろう。僕のバカ!”

なので、国宝ハンターの正式スタイルとして (?) レンタサイクルを借りることにしました。

レンタサイクル


さて、レンタサイクルを借りる際に、
「これからどちらに行かれるんですか?」 という会話になりました。
僕が、「松江城とかみたま神社です」 と答えると、妙な空気に。
一瞬の間があったのちに、

「あぁ、○○神社 (※正式な読み方) ですね」

と返されました。

何、そのトリッキーな読み方!
ていうか、“かみたま” ってカワイイ感じ出しちゃったよ。赤っ恥!!



さて、その問題の神社が、こちらです。

かみたま


『神魂神社』

皆様、読めますか??
正解は・・・

かもす


『かもす神社』

逆立ちしても読めません。
『本気』 と書いて、『マジ』。
『鉄道員』 と書いて、『ぽっぽや』。
『神魂』 と書いて、『かもす』 です。


そんな神魂神社ですが、手水舎からして、ただならぬ雰囲気をかもしていました。

神魂神社


スピリチュアルな感じが、ヒシヒシと伝わってきます。
ちなみに、拝殿や本殿に近づいての写真撮影はご遠慮ください、とのこと。
引きの写真でご容赦くださいませ。

神魂神社


手前の拝殿と急な階段で接続しているのが、
国宝の 《神魂神社本殿》 (ジャンル:建造物) です。
現存する最古の大社造の建造物とのこと。

建造物


大社造は、高床式倉庫から発展したものだそうで、床下が高いのが特徴です。
離れていると、そうは感じませんが。
《神魂神社本殿》 の床下も、近づいてみると相当に高かったです。
デニーズの駐車場くらいの高さはありました。


さて、再びレンタサイクルに乗って、お次は松江城へと向かいます。

松江城


《松江城天守》 (ジャンル:建造物) が国宝に指定されたのは、2015年のこと。

松江城天守
松江城天守


実は、かつて松江城は国宝に指定されていましたが、
昭和25年の文化財保護法施行で、国宝から重要文化財へと格下げされてしまいます。
以来、松江城が国宝に再指定される日を願い、
松江市と松江市民は、署名活動などさまざまな活動を展開。
そして、なんやかんやあって (←端折った!)、
65年の月日を経て、再び国宝へと返り咲いたのです。
そんな熱意も、また国宝なのだと僕は思います (←全然うまいこと言ってない!)。


ちなみに、松江城の天守から、360度の眺望を楽しむことが出来ます。
宍道湖もバッチリ。

宍道湖


さらに、天守の中央には、国宝指定書が堂々と展示されていました。
国宝ハンター的には、良い眺めです。

指定書


それほど市民に愛されている松江城だからなのでしょう。
城内には、こんな注意書きがありました。

境内


たぶん、大事なことなので2回言っているのです。


今現在の国宝ハンティング数 910/1108




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