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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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tupera tuperaのかおてん.

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先日6月10日。
立川に無事オープンを果たした複合文化施設PLAY!



 

 

その2階にあるのが、PLAY! MUSEUM。
絵とことばをテーマにした美術館です。
そんなPLAY! MUSEUMのオープニングを飾るのが、
昨日ご紹介した “エリック・カール 遊ぶための本” という常設展。

 

 


そして、メインの展示スペースで開催される、
“tupera tuperaのかおてん.” という企画展です。




こちらは、亀山達矢さんと中川敦子さんのご夫婦によるユニットで、
絵本やイラストなど多彩なジャンルで活躍するtupera tupera (ツペラ ツペラ) による展覧会です。
展覧会のテーマは、「顔」。
会場には、「顔」 にまつわるさまざまな作品が大集合しています。

ちなみに。
展覧会の会場に入る前に、来場者はこちらの鏡を使って、
受付時に手渡される 「かおシール」 を顔に貼ることになります。




自分自身の顔も作品の一つ。
それが、“tupera tuperaのかおてん.” です。

 

会場の冒頭で紹介されていたのは、

tupera tuperaの代表作でベストセラーにもなった絵本 『かおノート』 シリーズ。

 

 

 

その原画の数々です。

 

 

 

絵本の展覧会に限らず、漫画の展覧会でも、

原画はただ普通に並べて展示されがちですが。

そこはユニークでワクワクできる絵本を生みだし続けるtupera tuperaの展覧会。

展示スタイルもユニークでワクワクできるものとなっています。


 

 

他にも、暮らしのソコココにひそむモノモノノケを紹介する絵本 『モノモノノケ』 は、

 

 

 

 

その世界観を再現するために、実際に会場におうち風のセットを作ってみたり。

 

 

 

笑ったら負けでなく、泣いたら負けの 『こわめっこしましょ』  は、

 

 

 

原画を表と裏とで展示することで、

 

 

 

実際に “こわめっこ” 体験ができるようになっていたり。

遊び心が随所に詰まった展示となっていました。

tupera tuperaのファンだけでなく、

この展覧会を通じて、tupera tuperaのことを初めて知る人も、

もれなくワクワク楽しめる展覧会です。

星

 

 

さて、絵本の原画コーナーを抜けた先に展示されていたのは、

パンや石など、様々な素材で構成された大きな顔が10点並んだ彼らの新作。

その名も、 《かお10(テン)》 です。

 

 

 

ただ、いろんなモノを組み合わせて顔を作った、というだけではなく。

彼らにはそれぞれ、ちゃんと名前やキャラクター設定も与えられていました。

例えば、楽器だけで構成された彼。

 

 

 

こう見えて (?)、ロシア出身なのだそう (笑)

 

 

 

しかも、36歳。

童顔 (??) ですが、意外といい大人でした。

 

 

また、会場には、こんな男性も。

 

 

 

その名も、床田愉男 (ゆかだゆかお)。

床に置かれていたのは、中央に目がある黄色く丸い何やら。

 

 

 

その周囲の壁に設置された様々なアイテムを、

自由に組み合わせることで、床田愉男は完成するそうです。

今は、ソーシャルディスタンスの観点から、

床田愉男の顔の上に乗ることは出来ませんが。

解除されたら、床田愉男の上に寝転んでも良いのだそう。

そして、天井を見上げると・・・・・

 

 

 

「♪鏡に映った床田と二人 情けないよで たくましくもある」 

そんな思わずglobeの 『FACE』 を彷彿とさせる光景が見られることでしょう。

 

 

なお、今回出展されていた作品の中で、

もっともインパクトがあったのが、こちらの 《カオカオス》 です

 

 

 

まさしく、カオス。

白昼夢を見ているのかと心配になるほどに、カオスな光景でした。

ちなみに、《カオカオス》 の中に入ることも可能となっています。

その際は、この鼻の穴に要注意。

 

 

 

目の前を通ったら、いきなり噴射されました。

鼻息をかけたね!親父にもかけられたことがないのに!

 

 

 

 

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たまびらき―たましんの日本近代美術コレクション―

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立川駅北口にオープンした複合施設GREEN SPRINGS。

その施設内に、 PLAY! MUSEUMが誕生したことは、昨日一昨日の記事でお伝えしましたが。

 

 

 

 

実は、GREEN SPRINGS内には、もう1つ新たな美術館がオープンしています。

それが、こちらのたましん美術館

 

 

 

“たましん” こと多摩信用金庫が収集してきた美術品を紹介する美術館です。

 

昭和49年、立川駅近くにあった本店ビル内に、

たましん美術館の前身となるたましん展示室が開設されました。

(昭和57年に、たましんギャラリーへと改名)

昨年、たましんギャラリーと、分館として平成5年に誕生したたましん御岳美術館が閉館。

その2つの館の遺伝子 (?) を受け継いだのが、たましん美術館なのです。

 

 

 

そんなたましん美術館のオープニグを飾るのが、

“たまびらき―たましんの日本近代美術コレクション―” という展覧会。

 

 

 

近代洋画や多摩地域の作家作品を中心に、

たましん美術館が所蔵する約5000点のコレクションの中から、

岸田劉生の 《初冬の田畑》 や、

 

 

 

荻原守衛(碌山) の 《女》 など、

 

 

 

明治時代以降の洋画や彫刻の名品の数々を紹介する展覧会です。

それらの中には、重要文化財に指定されている浅井忠の 《収穫》 の習作や、

 

 

 

アーティゾン美術館が所蔵する藤島武二の 《屋島よりの遠望》 と構図がほぼ同じ作品も。

 

 

 

他にも、藤田嗣治や熊谷守一、岡田三郎助、高村光太郎など、

近代日本美術を代表する画家や彫刻家の作品が出展されています。

想像以上に立派なコレクションでした。

正直なところ、東京都下にあるし、名前がひらがなだし、

たましん美術館コレクションを若干舐めていた感は否めません。

今日の今日まで、完全に侮っていました。

反省も反省です。(多摩の皆さま、ゴメンナサイ!)

展示室がそこまで広くなく、出展作品が20点ほどだったのが、やや寂しかったですが。

今後はちゃんと、たましん美術館にも注目していきたいと思います。

星

 

 

さてさて。

今回の出展作品の中で印象的だったのが、安井曾太郎の 《裸婦》 という作品。

 

 

 

裸の女性よりも、ついついガスストーブのほうに目が行ってしまいます。

女性とストーブとの距離が、わりかし近いような。

身体が熱くなってしまわないか、甚だ心配です。

もう少し離してあげればいいのに。

もしくは、この距離にストーブを置かないといけないくらいに、この部屋が寒いのかも。

顔色を変えずにモデルをつとめる女性のプロ根性に頭が下がる思いです。

 

 

それと、もう一つ印象的だった作品が、斎藤与里の 《蓮》 という一枚。

 

 

 

蓮もサギも人も月も、総じてユルい。

観れば観るほど、なんかホッコリするものがあります。

じーっと向き合っていると、市原悦子のナレーションが聞こえてくるようです。

 

 

ちなみに、たましん美術館の入口には、

現代アーティストの長谷川仁さんの作品が設置されていました。

 

 

 

蜂の巣をモチーフにした作品とのこと。

よく見れば、一番上に蜂が乗っています。

内部に座って見上げると、そこには様々な生き物たちが!

 

 

 

これらはすべて、多摩に棲む生物なのだそうです。

なお、タイトルは 《たまりば》

“多摩の人々が集まる場” になることを願って名付けたのだそう。

多摩の人ではないのに座ってしまいました。

 

 

 

 

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チェック6 リキュール&チェック7 饅頭

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一流品かそうでないかを見極める問題にチャレンジする本家とは違って、
アートと関わり深い品かそうでないかを見極める問題に挑む 『アートテラー格付けチェック』。
前半戦では、ダリが愛したスペインワインと、
田中一村の名の付いた黒糖焼酎をそれぞれ外し、早くも “二流アートテラー” に。
残るは2問。
もし両方間違えると、屈辱の “語る価値なし” の烙印を押されてしまいます!
なんとか “二流アートテラー” で踏みとどまれるのか?!
それでは、運命の3問目にまいりましょう!






今回チェックするのは、リキュールです。
用意したのは、ピカソが愛飲したアニス (薬草) リキュール。
ペルノのピカソボトル。
1本2750円。




瓶の表には、ピカソのサインが。




そして、裏側には、ペルノの瓶をモチーフに描いた、
キュビズム時代のピカソの絵がプリントされています。




そして、もう1つは、
ピカソとは何の縁も無いロシア産のアニスリキュール。
1本1975円。
2つを飲み比べ、ピカソが愛飲したリキュールを当てたいと思います。
(今回も色でわかってしまうので、アイマスクを付けてのチャレンジです)




まずはAのリキュールを一口。




「うわっ、甘っ!マズっ!」
(注:個人の感想です)


気を取り直して、Bのリキュールを一口。




「うぇ~~~っ」
(注:個人の感想です)


どっちも美味しくない・・・・・。
どっちももう飲みたくない・・・・・。
でも、間違えたら、三流になってしまうからなぁ・・・・・。
意地で飲み比べました。
そして、出した答えが、こちら↓




AもBも系統としては同じ味なのですが。
Aのほうが甘みが強い。
というか、甘ったるいです。
Bのほうも甘みはあるのですが、
飲んだ後に、アルコールが脳天に抜けるような感じがあります。
どっちが芸術的にインスパイアを与えるかといえば、
やっぱりBの脳天をノックするような味わいなのかなと思いました。
というわけで、Bです。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




ついに “三流アートテラー” に転落。
ちなみに、やらせは一切ありません。
こんなことになるなら、やらなきゃよかった。




さぁ、いよいよ運命の最終チェックです。
これまではすべてお酒に関する問題でしたが、
最後チェックでは、新たなジャンルに挑みます。




最後の問題は、饅頭です。
今回用意したのは、竹久夢二にあやかった岡山銘菓。
その名も、『夢二』。




こちらの饅頭を制作しているのは、岡山県の邑久町に創業した敷島堂。
竹久夢二の生家に一番近い場所にある和菓子屋だったこともあり、
夢二の長男や旧友らの推薦により、夢二の名のついたお菓子を製作するようになったそう。
その後、夢二に因んだお菓子が次々と発売され、
社名も 「竹久夢二本舗敷島堂」 となったのだとか。
岡山県以外では買えない地元の銘菓です。

そして、もう一つは、夢二とは何の縁もない岩手県の饅頭。
都内でも買える饅頭です。
2つを食べ比べ、夢二の名が付けられた饅頭を当てたいと思います。
今回も例によって、アイマスクで挑みます。




まずは、Aの饅頭を一口。




「美味っ!」

続いて、Bの饅頭を一口。




「あっ、こっちも美味しい♪」

先ほどのアニスリキュールが口に合わなすぎて、
ただただ饅頭の美味しさに感動してしまいました。

・・・・・・・・・・・・・。

とはいえ、冷静に考えたら、どっちもほぼ同じような味です。
どっちが夢二かなんでしょう??
悩みに悩んで出した答えは、こちら。




白餡の味や食感はほぼ一緒でした。
AとBの違いは、皮の食感。
Aのほうが薄くてホロッと溶ける感じ。
Bのほうが食べ応えがあります。
夢二の描く儚い女性のイメージに近いのは、消去法でAでしょうか。




運命の分かれ道。結果発表。
正解は・・・・・・・・




















でした。




最後の最後で、なんとか “三流アートテラー” を死守しました。
かろうじて、“語る価値なし” は免れましたので、
これからもアートについて語っていきたいと思います。




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ショパン-200年の肖像

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一時は開催が危ぶまれていた “ショパン-200年の肖像” が、

先日6月2日に、練馬区立美術館にて無事に開幕いたしました!

 

 

 

こちらは2019年に、日本とポーランドが国交100周年を迎えたことを記念して開催される展覧会。

ポーランドが産んだ世界的ピアニストで作曲家のフリデリク・ショパンにスポットを当てた展覧会です。

星星

 

具体的に、どんな展覧会なのは、こちらのねりびちゃんねる動画で、

担当の小野寛子学芸員が、楽しくわかりやすく解説してくれていますよ↓

 

 

 

さてさて、出展作品は約250点 (!) と、かなり密密な展覧会ですが。

 

(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)

 

 

その中でも、特に見逃せないのはや何と言っても、

ショパンが直筆した楽譜と、ショパンの直筆による手紙です。

 

 

 

↑こちらのねりびちゃんねるの中で、

小野さんがポーランドの国宝と発言していますが。

会場で展示ケースを目にして、そのことが本当であることを実感させられました。

 

 

 

なんとも物々しい展示ケース!

 

きっとルパンやキャッツアイからも守れるはず。

それくらいの厳重さで、楽譜や手紙は保管されていました。

ちなみに、こちらの展示ケース、

保存のため、基本的には照明が付いていないのですが、

鑑賞者が近づくと、ちゃんと照明が付くというハイテク仕様になっています。

 

 

 

楽譜もポーランド語も全く読めないので、

個人的には、この展示ケースに感動してしまいました (笑)

 

また、楽譜と肖像画以外で、抑えておきたいのは、

やはりポーランドから初来日したショパンの肖像画でしょう。

 

 

 

描いたのは、ショパンと交流のあった画家アリ・シェフェール。

この絵についても、ねりびちゃんねるで詳しく解説しています。

 

 

 

確かに、実物は小野さんが仰るように、“鼻が立派!” でした。

そして、画像では伝わりにくいですが、

図録やネット上の画像で観るよりも、顔色が悪かったです。

まさに、“胃が弱そうな感じ” でした。

 

 


展覧会には、アリ・シェフェールが描いたもの以外の、ショパンの肖像画も。

 

 

 

例えば、こちらはショパンと交流のあった、

ポーリーヌ・ヴィアルドという歌手が描いたショパンのスケッチ↓

 

 

 

針すなおさんが描いた寺門ジモンみたいな感じでした。

だいぶイメージが変わります。

 

また例えば、こちらはドラクロワが有人であったショパンと、

その恋人であるジョルジュ・サンドの2人を描いた肖像画を再現したもの。

(元の絵は後に切り分けられ、別々の肖像画になっているそうです)

 

 

 

こちらは、ショパンが劇画調。

一瞬、さいとう・たかを先生が描いたのかと思いました。

ジョルジュ・サンドに向かって、「俺の後ろに立つな」 と言っているのかもしれません。

 

 

さて、同時代の交流のあった人物がショパンの肖像画を描いているのは理解できますが。

今回の展覧会で何より驚かされたのは、それ以降の世代から現代にいたるまで、

ポーランドの芸術家の多くがショパンをモチーフにした作品を製作していたことです。

会場には、そんなショパン作品がズラリ勢揃いしています。

 

 

 

ショパンの人気ぶりに、ただただビックリ!

日本でいえば、坂本龍馬みたいな感じでしょうか。

いや、でも、坂本龍馬をモチーフにした作品を、

現代アーティストが制作しているかといえば、そんなことはなく。

ショパンの顔の何がそこまで、ポーランドのアーティストを刺激するのか。

ただただ不思議でなりません。

何はともあれ、多くのポーランド人にショパンが神格化されていることはわかりました。

それをもっとも感じたのが、ユゼフ・メンチナ=クシェシュによる絵画。

 

 

 

タイトルは、《フリデリク=ショパンの最後の和音》 とのこと。

・・・・・いや、冷静に考えて、何、最後の和音って?!

ユゼフ・メンチナ=クシェシュにとっては、

ショパンは死ぬ瞬間までピアノを弾き続けていたのでしょうね。

そして、最後の最後に和音を奏でたのでしょうね。

どんなイメージなん?!

 

また、少し前にポーランドでは、

「若手作家のためのショパン像コンクール」 なる催しが開催されていたそうです。

ちなみに、その2015年の回で、最高賞となる2等を受賞したのが、こちらの作品。

(この回は、1等と3等は該当作が無しだったとか)

 

 

 

タイトルは、《AC/DCを聴きながら描いたフリデリク・ショパンの肖像》 とのこと。

(AC/DC・・・オーストラリア出身の世界的ハードコアロックバンド)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

こんな落書きみたいなのが最高賞って。。。

開催する意義も基準もよくわからないコンクールです。

 

 

 

 

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【告知】 現在募集中のアートツアー 【告知】

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注:新型コロナウイルスの影響により、通常のアートツアーはしばらく中止とさせて頂きます。
再開は状況を見て判断いたしますm(__)m



現在募集中のアートツアーです。

アートに興味のない方でも楽しんで頂ける企画を心掛けております。
初参加の方も多いので、どうぞお気軽にご参加くださいませ♪
(男女比は、7:3くらいで女性が多いです。
 また、おひとりで参加される方が大半ですので、一人でもふらっと遊びにいらしてください!
 お子様とご一緒の参加も大歓迎です[お子様の参加費は基本無料])
定員になり次第、募集は〆切らせて頂きますので、よろしくお願いします。
参加希望の方は、お手数をおかけして恐縮ですが、
件名に希望するアートツアーを明記して、以下のメールフォームよりお申し込みくださいませ。
詳細をお知らせいたします。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
お知らせ先のメールアドレスが間違っている方が、ごくたまにいらっしゃいます。
こちらからの返信がない場合は、もう一度お送り頂けますと幸いです。


6/24(水)  超写実ナイト~ホキ美術館の人気画家・石黒賢一郎さん&塩谷亮さんを招いて

この春、Bunkamuraザ・ミュージアムにて、
開催されていた展覧会 “超写実絵画の襲来 ホキ美術館展” が、
6月11日から6月29日の日程で再開するという嬉しいニュースが飛び込んできました!
さらに、昨年10月末以来、閉館を余儀なくされていたホキ美術館が、
8月1日より、再開するというさらなる嬉しいニュースも飛び込んできました!

これは、『ホキ美術館親善大使』 として何かやらねばなりません!!

ということで、緊急企画として、24日の水曜夜に、
リモート企画 “超写実ナイト” が開催されることとなりました。
『ホキ美術館親善大使』 として、ホキ美術館の魅力を精一杯ガイドいたします!
さらに、嬉しいことに、ホキ美術館の2大人気画家、
石黒賢一郎さんと塩谷亮さんの参戦が決定いたしました。
それだけでも十分豪華なのですが、なんとアトリエから中継してくださるそうです。
こんな機会はそうそうないので、当日は、
お二人の写実絵画に対するこだわりやスタンスを、精一杯引き出したいと思います!
我ながら、めちゃめちゃ楽しみなトークイベントです♪

詳細や申し込みは、こちらから↓

『超写実ナイト~ホキ美術館の人気画家・石黒賢一郎さん&塩谷亮さんを招いて』

皆さまのご参加を心よりお待ちしております!



6/27(土)  みんなの大東京オンライン建築ツアー

世界中の建築ファンが憧れる街・東京。

この街には、たくさんの名建築が存在しています。
そんな東京で生活をしていながら、建築に興味が無いなんて。
何ともったいないことでしょう!

「・・・・でも、“建築”って何をどう観たらいいの?? 」

そんな皆様にお送りするのが、みんなの大東京建築ツアー。
実際に東京の街をぶらぶらしながら名建築を巡り、
進行役の僕と講師の建築家が掛け合いをしながら、その魅力をお伝えするツアーです。


さてさて、コロナウィルスのせいで、
通常の建築ツアーは自粛中ではありますが。
こんな状況だからこそ、初のオンラインでの建築ツアーを開催することにしました!
世界の新進気鋭の建築家による空間を、
世界中どこからでも体験できる新たなドキュメンテーションサービス・ARCHI HATCH
元建築倉庫ミュージアム初代館長が立ち上げた話題のコンテンツとのコラボで送るツアー。
特殊なカメラで360°撮影した建築空間をVRでお楽しみ頂きます。
ツアー当日は、講師の照内創氏自らが設計した住宅建築をはじめ、
普段は中に入ることが出来ない名建築の見どころをオンライン上で徹底ガイド!
Zoomにログインできる環境であれば、どこからでも参加できます。
史上初の試みとなる1歩も歩かない建築ツアー (笑)
皆さまのご参加をお待ちしております。
ちなみに、イベント終了後、希望者でオンライン打ち上げも予定しています。
(事前にパソコン・タブレット・スマートフォンへ、Zoom機能のダウンロードをお願いします)

講師    : 照内 創
特別ゲスト:徳永 雄太(建築倉庫ミュージアム初代館長)
参加費   : 1000円
(事前振込制。ご参加を申し込まれた方に、振込先をお知らせいたします)
定員    : 30名

参加ご希望者は、こちらのメールフォームからお願いいたします↓
https://arc-tour.org/mail.html


いずれのツアーも、皆様のご参加を心よりお待ちしております!!

洋風画と泥絵 異国文化から生れた「工芸的絵画」

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本来なら、3月31日から6月14日までの会期で、日本民藝館で開催される予定だった展覧会、

“洋風画と泥絵 異国文化から生れた「工芸的絵画」” が会期をズラして開催されることとなりました。

 

 

 

2ヶ月ぶりに再開した日本民藝館は、コロナウィルス予防対策もバッチリ!

館内の各所に消毒用アルコールが設置されていたり、
ドアノブや手すりなど不特定多数の人の手が触れる場所は、定期的に消毒作業が行われていたり。

さらに、通常時は入口で靴を脱いでスリッパに履き替える日本民藝館ですが。

現在は・・・・・・・・・

 

(注:館内は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)

 

 

シューズカバーを利用する方式が採用されています。

シューズカバーを付けているとはいえ、

土足で日本民藝館の中を歩き回るのは、なんだか新鮮な感じでした。

 

 

さてさて、話を展覧会に戻しまして。

現在開催されているのは、日本民藝館の創始者である柳宗悦が蒐集した 「工芸的絵画」、

具体的には、江戸時代後期に描かれた 「洋風画」 や 「泥絵」  にスポットを当てた展覧会です。

星星

ちなみに、これらの工芸的絵画コレクションを、

日本民藝館でまとめて紹介するのは初めての機会なのだとか。

そんな貴重な展覧会が中止にならずに済んで,本当に良かったです。

 

 

 

展覧会の主役、洋風画。

洋画ではなく、洋 “風” 画。

西洋絵画に衝撃を受けた当時の日本人が、

西洋の画家に直接学ぶことなく、見よう見まねで描いたのが洋風画です。

音楽に例えるならば、ビートルズに影響を受けて誕生したグループサウンズのような感じでしょうか。

 

洋風画に関して、まず特徴的だったのが、やたらと船がモチーフとなっていたこと。

 

 

 

今回紹介されていた洋風画の5点に1点くらいは、船が登場していました。

現代と違って、飛行機がない時代。

今以上に、「西洋=船」 というイメージが強かったのでしょうね。

 

それから、何と言っても特徴的だったのが、

それまでの日本美術にはなかった遠近法を取り入れようとしていること。

 

 

 

自分も遠近法をやってみたい。

拙いながらも独学でチャレンジしてみるその健気な姿勢に、微笑ましさすら感じました。

無難に巧い絵よりも、よっぽど胸を打つものがあります。

 

ちなみに、個人的に一番グッときたのは、《殿中》 という作品です。

 

 

 

遠近法をやりたいがための1枚。

シンプルすぎて、ミニマルアートのようにも感じられました。

ただ、よくよく観てみると、一番奥の部屋は、手前の3部屋とは向きが異なっています。

謎のカーブ。

くの字型の建物なのでしょうか??

 

 

また、遠近法と同様に、西洋の絵画から影響を受けたのが陰影法。

そんな陰影法を、ちゃんとものにしている画家もいましたが。

 

 

 

中には、そこまででもない作品も。

 

 

 

目元と鼻にクッキリと陰影が施されています。

この陰影のせいで、ただでさえ怖い表情が、より怖いものに・・・。

西洋絵画感が増したというよりは、伊藤潤二感が増していました。

 

 

ちなみに、陰影といえば、こんな作品もありました。

 

 

 

キャプションには、「絵が変化します。」 とあります。

とりあえず、右側面のスイッチを上げてみました。

 

 

 

すると・・・・・・・

 

 

 

ん?何がどう変化したん??

 

パッと見たところ何も変化していません。

もしや騙されたのかと思い、作品に顔を近づけてみたところ、

自分の影が覆い被さったことで、ようやくその変化に気づくことが出来ました。

なるほど。こういう仕掛けだったのですね!

 

 

 

さてさて、今回の展覧会のもう一つの主役が、泥絵です。

泥絵とは、浮世絵の一種。

実際に泥で描いているのではなく、

顔料に胡粉を混ぜ、直接筆で描いた肉筆浮世絵の一種です。

 

 

 

今回初めて目にしましたが、泥絵という名前とは裏腹に、

まったく泥臭くなく、初期のCGのようで、むしろスタイリッシュな印象でした。

 

 

 

人物の表現は、どこかジュリアン・オピーに通ずるところがあります。

 

 

 

この展覧会を機に、泥絵ブームが来るのでは?

ジュリアン・オピーのTシャツみたいに、泥絵Tシャツをグッズ化して頂きたいものです。

 

 

最後に、妙に気になってしまった作品をご紹介いたしましょう。

 

 

 

川原慶賀による 《魯西亜軍旗持兵および椅子・靴持兵行列図》 です。

勇ましい軍人たちが行列をなしています。

何よりも気になったのは、列の後ろにいたこの人たち。

 

 

 

右手と左手それぞれに靴を一足ずつ持っています。

何その役割?!

というか、箱みたいなのに入れて、まとめて運べよ。

非効率にもほどがあります。

 

 

 

 

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オラファー・エリアソン ときに川は橋となる

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東京都現代美術館で開催中の展覧会、
“オラファー・エリアソン ときに川は橋となる” に行ってきました。

 

 

 

↑本来の会期は、3月14日から6月14日まででしたが、

コロナウィルスのせいで、会期は6月9日から9月27日までに変更となっています。

 

さてさて、こちらはアイスランド系デンマーク人アーティスト、

オラファー・エリアソンの日本では実に10年ぶりとなる大規模な展覧会です。

彼は、かねてより、ここ最近話題となっているSDGs (エスディージーズ)

いわゆる 「持続可能な開発目標」 、サステナブルな世界の実現に向け、

アートを介して、さまざまな取り組みを行ってきました。

そんなエリアソンの一面にスポットを当てたのが、今回の展覧会。

再生可能エネルギーや気候変動などをテーマにした作品や活動が紹介されています。

 

 

・・・・・・・・・・・・と、説明してしまうと。

なんだか小難しい展覧会のような印象を受けてしまうかもしれませんが。

プリズムを用いた独自の光学装置により、

天体と光の関係を視覚化したという 《太陽の中心への探査》 や、

 

 

 

エリアソンの初期の代表作で、天井から降り注ぐミストに、

光を当てることで、暗闇に人工的な虹を作り出す 《ビューティー》

 

 

 

床に設置されたライトから投影される光によって、

鑑賞者の影が壁に何重にも映る 《あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること》 など、

 

 

 

会場では、シンプルな仕掛けながら、

美しさと驚きを同時に感じられる作品の数々に出逢えます。

難しいことを抜きにして、単純に楽しめる体験型の展覧会。

大人から子どもまで、すべての方にオススメです。

星星

 

 

ちなみに、今展のメインの一つとも言えるのが、

展覧会のサブタイトルと同名の 《ときに川は橋となる》 という新作インスタレーション。

 

 

 

都現美の巨大吹き抜け空間の天井から吊された大きな暗幕。

その中に入ると・・・・・・・・・

 

 

 

中央には、水が張られた大きなシャーレがありました。

その水面を、全部で12あるスポットライトが照らしています。

上を見上げると、そこにはスクリーンが。

 

 

 

映っているのは、水面に反射した光。

水面が揺れることによって、

丸くなったり、煙のようになったり、さまざまな表情を見せてくれます。

時には、「本当はCGで作った映像なんじゃないの?」 と、

思わず疑ってしまうくらいに、幻想的な形になったりもします。

シンプルだけど、ずっと見続けていられるヤツ!

この新作を観るためだけに訪れる価値は十分にあります。

 

 

個人的に印象的だったのは、こちらの 《人間を超えたレゾネーター》 という作品です

 

 

 

白い壁に不思議な配色の光が投影されていますが、

実はこれは、普通の光を灯台に使われるレンズで分光しただけという、超シンプルなもの。

にもかかわらず、僕を含め、多くの人がこの光に吸い寄せられていました。

まるでコンビニの照明に集まる虫のように (笑)

人も虫も光が好きなんだなァ。

 

 

ちなみに。

展覧会は全面的に写真撮影がOKとなっています。

“映える” 作品が多いこともあって、展覧会は、会期初日から大盛況!

僕が訪れたのが土曜日ということもあったのでしょうか、

チケットを買うまでに、約30分待ちの行列が出来ていました。

もちろんその並びは、ソーシャルディスタンスが徹底されていたのですが。

会場に関しては、ソーシャルディスタンスが・・・・・・・・。

 

 

 

あちらこちらで、密が発生していました。

展覧会自体がサステナブルになるよう、

どうにか会場内のソーシャルディスタンスを実現させて頂きたいものです。

 

 

 

 

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もつれるものたち展

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現在、オラファー・エリアソン展が絶賛開催中の東京都現代美術館。

その1階展示室では、“もつれるものたち が開催されています。

 

 

 

 

こちらは、パリとサンフランシスコを拠点とし、

世界各地で展覧会やアーティスト支援を行う団体、

カディスト・アート・ファウンデーションとの共同企画で行われる展覧会です。
木や化石、道具、工芸品など、私たちの暮らしとは切り離せない “もの”。

その側面にスポットを当てる12人/組の作家を紹介する展覧会です。

 

例えば、トム・ニコルソン。

国内外の植民地主義をテーマに多くの作品を制作してきたオーストラリアのアーティストです。

 

 

 

今回出展されていたのは、《相対的なモニュメント(シェラル)》 というプロジェクト。

「シェラル・モザイク」 とは、第一次世界大戦中に、オーストラリア兵が、

ガザ付近のシェラルの町で発見した6世紀のビザンティン様式のモザイクのこと。

これらのモザイクは兵士たちによって剥がされ、

オーストラリアに運ばれ、オーストラリア戦争記念館の壁に埋め込まれたのだそうです。

そんなモザイクを新たに作り直して、

今も土地の所有が争われているガザへと返還しようというのが、彼のプロジェクト。

ハンドアウトの解説によれば、このプロジェクトを通じて、支配と移動の問題、

返還によって起こりうる変化や新たな政治的認識について考察しているのだとか。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ムズっ!

 

 

気を取り直しまして。

例えば、アメリカ生まれドイツ在住のアーティストで、

アート界だけでなく、各国の映画祭でも注目されているジュマナ・マナ。

 

 

 

ハンドアウトの解説によりますと。

映像と彫刻を主なメディアとし、特に植民地主義の遺産や、

暮らしと関わるシステムに表出する力関係を探求してきた彼女。

身体、考古学、産業構造、文化的環境を参照し、

融合するマナの作品は、彼女が関わる場所や移動に特徴づけられているのだそう。
今回出展されている 《貯蔵(保険)》 と題された彫刻たちは、

建築物の断片を想起させ、元の場所から移設された考古学的遺構のように置かれています。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

もうこの段階で、だいぶ頭にはてなマークが浮かんでいますが。

頑張って、ハンドアウトの解説に食らいつきます。

 

キャビネットのような形状は、レバント地方の農村建築に特徴的な貯蔵庫で、

いわば現代の冷蔵庫の祖先にあたるカビヤスに触発されているのだそうです。

それはしばしば家の中に作りつけられ、家族や村落の種子や穀物、油、ワインが蓄えられた。

粘土や消石灰、牛糞、干し草でできていて、

上部に空洞が、下部には穀物を詰めるための小さな穴がある。
実際のカビヤスより開口部を広げ、

人体のスケールにより近づけた彫刻たちは人格化されているようにも見える。

また、その形に抽象性をもたせることで鑑賞者の見方を広げ、

もの=身体に、人々が持つ習慣や、領域、系譜がいかに反映されるのかについての考察を促す。

現代の貯蔵方法を示唆するグリッド構造をもうひとつの特徴とする本作は、

人々の暮らしや知識が、生存の実践から、資本増加のための中央集権的な経済システム・・・・zzz

 

 

はっ!すいません。

解説があまりにムズすぎて、途中から寝てしまいました。

 

 

この他にも。

 

大型作品 《不確かな風向》 (1998) は、

風のエネルギーの流れによって絶えず変容する環境を示唆する。

大阪湾と六甲山の一連のエコロジカル・マッピングは、

当時の国土庁から委託された調査報告として作られた。

地震や都市災害の危険地域の特定や防災計画を目的に、

それぞれの土地の特性を複数の層に分けて可視化している。

4点の 《パーソナル・ランドスケープ》 (2000-2001)は、

フランスで訪れた都市の地図に、抽象的、幾何学的な図形などを描き加えたものである。

これについて作家は、「風景を目で見た印象でとらえるのではなく、

風景を構成している仕組そのものを主体的に判読すること」 と述べている。
科学と芸術を織り交ぜた地図作成という表現言語を発展させ、

独自の環境目録や、主観的な風景の制作を通じて、

地球温暖化、自然資源の枯渇や土壌汚染などの問題を提示している。

また、自然と文明の対立に異を唱え、土地環境、

自然の循環、人間活動の連関、その長期的かつ重要な相互作用を想起させる。

 

と説明された磯辺行久さんの作品や、

 

 

 

《正しい判断で知りなさい》 と題するシリーズの新たな展開としての本作は、

形ある知の証として、彼が受け継いだものを実際に用いて、

凝り固まった西洋主義的な知識の限界を指摘する。

展示台には、彼が祖母から受け継いだ木彫のウーメラ (投槍器) と、

彼の叔父が執筆した書籍 「ティム・ケンプ氏のオーラルヒストリー」 の写本が展示されているが、

それらはガラスケースによってアクセスが遮られ、沈黙している。

一方、壁面には、彼が先人から受け継いだ技法で、

赤黄土を吹き付けて転写したウーメラのコンポジションがある。

作品は、身体に内在する祖先との精神的なつながりに重点を置きながら、

ものとその表象、身体の関係を探求する。
彼がいとこのヘイリー・マシューと協働で制作した本作は、高齢者たちとの経験を分かち合うと共に、

それが自らの生にいかに息づいているかを共有するプロセスでもあった。

私的であると同時にコレクティブな彼の実践は、

祖先から受け継いだものを植民地主義的な言説から解放し、

新たな意味を見出しながら、共同体の遺産とその継承について探り続ける。

 

と解説されたデイル・ハーディングの作品などがあります。

 

 

 

自粛明けの頭には、少々・・・いや、かなりハードな現代アート展。

何よりも頭がもつれる展覧会です。

ここ最近流行りの (?) インスタ映えする現代アートではなく、
ゴリゴリの現代アートがお好きな方は、きっと満足できることでしょう。

星

 

そうでない方には、鑑賞料がやや割高に感じられるかもしれません。

 

 

さてさて、もつれるといえば。

AKB48チーム8のメンバーが各地の美術館を訪れ、写真を通じて、アートの力を発信していく。

読売新聞オンラインでスタートした新企画 「美術館女子」 に対して、

 

チャラチャラしているという意見があがり、現在、プチ炎上中ですが。

その記念すべき第1回の舞台・東京都現代美術館の展覧会は、全然チャラチャラしてなかったです。

 

 

ちなみに。

個人的に一番印象に残ったのは、

フィリピン生まれロンドン在住のピオ・アバドによるこちらの作品です。

 

 

 

白い台にズラリと並んでいたのは、全部で98種類のポストカード。

作品タイトルは、《ジェーン・ライアンとウィリアム・サンダースのコレクション》。

実はポストカードに使われている絵画は、

第10代フィリピン大統領マルコスとその妻イメルダが所有し、

後にフィリピン政府に差し押さえられたものなのだそうです。

ジェーン・ライアンとウィリアム・サンダースとは、二人がスイス銀行の口座名に使っていた偽名。

そういうことも含めて、2人の不正に関する記事が・・・・・・・

 

 

 

それぞれのポストカードの裏に記載されていました。

なんとも皮肉の効いた作品です。

なお、これらのポストカードは持ち帰ることが可能となっています。

ポストカード1枚、100円と考えたら、13枚で1300円。

あっ、余裕で鑑賞料の元が取れましたね。

 

 

 

 

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コートールド美術館展オリジナルグッズ人気順並べ替えクイズ

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昨年2019年秋に東京都美術館で開催され、その後は愛知県美術館に巡回。

今年の春からは神戸市立博物館での開催予定だった “コートールド美術館展 魅惑の印象派”

 

 

 

残念ながら例のウイルスの影響で、神戸会場での開催は中止となってしまいました。

実はその関連イベントとなるトークショーの進行役に抜擢されていたのですが、それももちろん中止。

まったくコロナってヤツは!

 

 

と、そんな “コートールド美術館展” に関して、

つい先日、明るいニュースが飛び込んできました。

なんとあの大好評だったミュージアムショップが、

6月30日までの期間限定でオンラインショップとして復活したとのこと。

 

 

 

マネやルノワールら出展作家21人の年表を、

シルクスクリーンでプリントしたオリジナルTシャツやトートバッグ、

セザンヌの 《カード遊びをする人々》 にちなんで制作されたプレイングカードなど、

話題となったあのオリジナルグッズの数々が、オンラインで購入できるそうです!

“図録・オブ・ザ・イヤー2019” でも見事2位に輝いた・・・・・・・・

 

 

 

あの図録も購入できるそうですよ。

買い逃した方は、この機会に是非!

 

 

さてさて、本日はそんなコートールド美術館展オンラインショップとの特別コラボ企画。

特に大好評のアイテムに関するクイズをお届けいたします。

題して、コートールド美術館展オリジナルグッズ人気順並べ替えクイズ

全問正解目指して頑張ってくださいませ。

 

 

Q1 ポストカードを人気順に並べてください。

 

 

 

ミュージアムグッズの定番、ポストカード。

“コートールド美術館展” では、全部で48種類のポストカードが販売されていました。

1番人気は、もちろん展覧会の主役とも言えるマネの 《フォリー=ベルジェールのバー》

というわけで、皆さまには2位~5位の人気順を当てて頂きます。

それでは、レディーゴー!

 















アンサーチェック!

 

 

 

正解は、以下の通り。

 

  2位 クロード・モネ 《花瓶》
  3位 エドガー・ドガ 《舞台上の二人の踊り子》
  4位 ピエール=オーギュスト・ルノワール 《桟敷席》
  5位 ピエール=オーギュスト・ルノワール 《春、シャトゥー》

 

5位がルノワールの 《春、シャトゥー》 とは意外な結果です。

正直なところ、この作品を展覧会で観た記憶がありません (笑) 
ちなみに、この作品はミニチュアキャンバスという商品では1番人気だったそうです。

 

なお、オンラインショップでは、ポストカードはセット販売となっています。

販売数のランキング順にセット組みをして作り、

価格もそれぞれに調整した、新しい試みをしたとのこと。

 

〈ポストカードランキング1~8位 8枚セット 1,224円(税込み)〉

 

 

〈ポストカードランキング9~24位 16枚セット 1,714円(税込み)〉

 

 

 

 

Q2 B2ポスターを人気順に並べてください。

 

 

 

コートールド美術館展のミュージアムショップで、特にインパクトがあったのがB2ポスター。

この時代にあえてポスター。

しかも、18種類も作成するという前代未聞の試みでしたが、

その大胆ながら絶妙なトリミングのセンスも相まって、大ヒットグッズに。

中には何種類もまとめて購入した方もいらっしゃったとか。

そんなB2ポスターのショップでの人気ベスト4をお当てください。

レディーゴー!

 

 















アンサーチェック!

 

 

 

正解は、以下の通り。

 

  1位 クロード・モネ 《花瓶》

  2位 エドゥアール・マネ 《フォリー=ベルジェールのバー》
  3位 エドガー・ドガ 《舞台上の二人の踊り子》
  4位 アンリ・ルソー 《税関》

 

ちなみに、6月16日現在のオンラインショップでの人気順は、

 

  1位 クロード・モネ 《花瓶》

  2位 エドガー・ドガ 《舞台上の二人の踊り子》
  3位 アンリ・ルソー 《税関》
  4位 クロード・モネ 《秋の効果、アルジャントゥイユ

 

となっているそうです。

マネの 《フォリー=ベルジェールのバー》 は、まさかの5位。

一体何が?!

 

 

Q3 缶バッジを人気順に並べてください。

 

 

 

展示作品から、ほぼ原寸で丸く切り抜いたキャンバス生地を、直径56mmの缶バッジです。

国内有数の最先端技術を使用し、

職人が一枚ずつ、手作業を交えながらプリントしたというこだわりの逸品。

その人気ベスト4をお考えくださいませ。

レディーゴー!

 















アンサーチェック!

 

 

 

正解は、以下の通り。

 

  1位 ジョルジュ・スーラ 《クールブヴォワの橋

  2位 クロード・モネ 《秋の効果、アルジャントゥイユ
  3位 ポール・セザンヌ 《サント=ヴィクトワール山と大きな松の木》
  4位 エドゥアール・マネ 《アルジャントゥイユのセーヌ河岸 

 

ちなみに、6月16日現在のオンラインショップでの人気順は、

 

  1位 ジョルジュ・スーラ 《クールブヴォワの橋

  2位 エドゥアール・マネ 《アルジャントゥイユのセーヌ河岸 
  3位 フィンセント・ヴァン・ゴッホ 《税関》
  4位 ポール・セザンヌ 《花咲く桃の木々》

 

となっているそうです。

 

 

さてさて、出題はこれまで。

皆さま、何問正解できましたか?

正解した方も、正解しなかった方も、

是非、“コートールド美術館展” の特設オンラインショップを覗いてみてくださいませ。

 

 

 

 

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ドローイングの可能性

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東京都現代美術館で開催中の “ドローイングの可能性” に行ってきました。

 

こちらは、展覧会の脇役になりがちなドローイングにあえてスポットを当てた展覧会です。

展覧会の冒頭を飾るのは、戦後美術を代表する画家・麻生三郎のドローイング。

 

(注:館内は一部の作品を除き、写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)

 

 

情念に満ち満ちたようなこってりとした絵画を描く麻生三郎ですが。

さすがに、ドローイングは、こってり感がなく、さっぱりと軽やかな印象でした。

 

 

さてさて、今回の展覧会は、終始こんな感じで、

さまざまな画家のドローイングを紹介していくものなのかと思いきや。

僕らがドローイングに対してなんとなくイメージする、

 「ドローイング=本画とは違って、さらさらっと描いたもの」 を紹介していたのは、この冒頭だけ。

展覧会全体としては、「ドローイング=線の芸術」  と捉え、

これまでドローイングという文脈で紹介されてこなかった作品にスポットが当てられていました。

 

例えば、こちらの作品。

 

 

 

どこかカンディンスキーを彷彿とさせるような。

一見すると、いわゆる普通のドローイングのように思えます。

作者は、石川九楊さん。

職業は、書家。

そう、実はこれらは書の作品なのです。

 

こちらは 《もしもおれが死んだら世界は和解してくれと書いた詩人が逝った ─追悼 吉本隆明》 という作品。

 

 

 

おそらく石川さん本人にしか読めないでしょうが、

こちらには、ちゃんと日本語で文章が書かれているそうです。

なんとか読んでみようと頑張ってみましたが、どうにも無理!

アラビア文字よりも読めない気がします。

そんな僕のような人のために、会場には、釈文が用意してありました。

釈文を読むに、A41枚に収まりきらないほどの長い長い文章が書かれているようです。

釈文と照らし合わせてみましたが、やっぱり無理でした。

 

展覧会には、新作も含め、2010年以降の作品が出展されていましたが。

1点だけ、それ以前に書かれた作品が紹介されていました。

 

 

 

「こいつ・・・読めるぞ!」

 

他の作品があまりにも読めなさすぎただけに、

ちょっとでも文字が読めて、妙に嬉しくなりました (笑)

そして何よりも、この作品があったおかげで、

石川九楊さんがちゃんと文字を書いていたことがわかりました。

この書き方を突き詰めた結果、今のスタイルが確立したのですね。

 

ちなみに。

書いてある文字はよくわかりませんが、

なんかカッコ良くて、なんか引き付けられるものがあります。

それが、石川九楊作品。

音楽に例えると、マキシマムザホルモンみたいな感じでしょうか (←?)。

 

 

さてさて、石川九楊さんの書の作品は、

まだドローイングといわれて、すんなり受け入れられましたが。

今回紹介されていた数々の作品の中で、

もっともドローイングのイメージから遠かったところにあったのが、戸谷成雄さんの作品です。

戸谷成雄さんは、日本を代表する彫刻家の一人。

会場では、彼の新作である 《視線体 — 散》 が紹介されていました。

 

 

 

無数の視線の集積が彫刻を作り出す。

 「視線体」 という戸谷さん独自の理論によって制作された作品です。

確かに、壁にランダムに配置されているわけでなく、

よく見れば、無数の線が空間に引かれているように感じられます。

今回の展覧会では、この作品を、『空間へのドローイング』 として紹介していました。

 

「いや、どこがドローイングだよ!」

 

と、一瞬、オーソドックスにツッコみそうになりましたが。

展覧会のタイトルは、“ドローイングの可能性”。

そういえば、ドローイングの新たな可能性を探る実験的な展覧会でした。

 

「いや、どこがドローイングだよ!

・・・・・と、決めつけるのはやめよう。

美術は常に新しい可能性から生まれる。そうだろ?」

 

と、ぺこぱ風にツッコむのが、

この展覧会での正しい楽しみ方といえましょう。
星

 

 

ちなみに、『ジャズ』 をはじめとするマティスの作品群や、

草間彌生さんの初期のドローイング作品も見応えがありましたが。

 

 

 

それ以上に印象に残ったのは、山部泰司さんの作品群でした。

 

 

 

レオナルド・ダ・ヴィンチへの関心から着想し、

木々の間を水が埋めつくす様子を線描で表現したという作品の数々。

他のどの作品とも一線を画す斬新なスタイルの絵なのに、どこか伝統も感じられます。

また、西洋画のようでもあり、東洋の山水画のようでもあり。

ドローイングかどうかという以前に、

どのジャンルにカテゴライズしていいのか、まったくわからない。

実に不思議な味わいのある作品でした。

 

お恥ずかしながら、この展覧会を通して、初めて山部さんのことを知りましたが。

作品が目に飛び込んできた瞬間に、一気に心を鷲掴みにされました。

こういった出逢いの可能性があるので、やはり美術館巡りはやめられません。

 

 

 

 

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美術館女子問題について

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どうも、アートテラーのとに~です。

このブログは、皆さまにエンタテインメントを届けるためのブログですので、

これまで極力、美術界の諸問題について真面目に意見を述べるというのは避けてきました。

ただ、今、美術館を少し騒がせているこのニュースに関しては、

やはりアートテラーという立場上、どうしても自分なりに感じたことを記しておきたくなりまして。

そこで、今日は、『ワイドナショー』 のパロディ企画、

『アートナショー』 というフォーマットで、個人の見解を話したいと思います。

この記事を通じて、誰かを責めたいわけでもないですし、議論を行いたいわけでもありません。

あくまでパロディ企画として、お読み頂ければ幸いです。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

すでにご存じの方も多くいらっしゃるでしょうが、

全国の公立美術館約150館が加盟する美術館連絡協議会と読売新聞オンラインが、

6月12日よりスタートさせた新企画 『美術館女子』 が、開始早々SNS上で炎上しています。

 

 

 

 

公式サイトの説明によれば、

「読売新聞で 『月刊チーム8』 を連載中のAKB48チーム8のメンバーが、

 各地の美術館を訪れ、写真を通じて、アートの力を発信していく」 企画とのこと。

 

この初回を読んだ一部の人々から、

 

 「○○女子と括るなんて性差別だ」

 「インスタ映えを狙いすぎて、作品が脇役になっている」

 

などの批判が続出。

『美術手帖』 や 『毎日新聞』  など一部のメディアが、

ジェンダー問題に造詣の深い社会学者や大学教授のコメントを載せ、

このニュースを報じており、騒動はいまだ止む気配がありません。

 

 

さて、ここからは、このニュースについての僕の見解です。

 

まず僕がこのニュースを知った経緯なんですが。

この一件が炎上したことを受けて、

アーティスの八谷和彦さんが、こんなツイートをしたようでして。

 

 

それに対して、僕の2年前の連載がプチ注目されました。

 

 

 

 

頼むから、僕を炎上に巻き込まないでくれと、

しばらくヒヤヒヤしてたのですが、おかげさまで火の手はやってきませんでした。

 

僕は、アートテラーとしてデビューしてから一貫して、

「美術館に一人でも多くの人に来てもらいたい!」 というスタンスで活動していますので、

このキャンペーン企画そのものに関しては、賛成派です。

 

ただ、サイトを拝見しましたけど、

正直、誰向けのキャンペーンなのかがよくわらかないですよね。

AKB48のファンに向けての企画であれば、

単純にタイトルを、『AKB48と巡る日本のミュージアム』  とか、

『BRK150 (=美術館連絡協議会) 総選挙』 とかにすれば、こんな炎上はしなかったと思うのです。

もしくは、どうしても 『美術館女子』 という企画名にしたかったのなら、

あいみょんをキャスティングしてたら、全然炎上しなかったと思うんですよね。

 

美術館が好きで、普段から美術館に通っている女性の方々が、

外から私たちはこんな風に見られているのか、こんな風に思われているのか、

というところに嫌悪感や悲しさを感じてしまったのが、今回の問題点の一つなのでしょう。

その気持ちはすごくよくわかります。わかるのですが・・・・・。

 

この記事を読んで、美術館に行ってみたいなと思った女性は少しはいると思うんです。

もちろんそれは女性に限らず、男性でもいいわけです。

美術ってよくわからないけど、綺麗な写真撮ってみたいな、

カフェに行ってみたいな、そんな気持ちに初めてなったのに、

これだけ美術ファンが騒いでいるのを見ると、まぁ、引いちゃいますよね。

“やっぱ美術館って、気軽な気持ちで行っちゃいけないんだ・・・” と。

もしかしたら、“美術ファンってなんか面倒くさいな” と思った方もいらっしゃるかも。

だからやっぱり企画に対して言いたい気持ちもわかるんですけど、

美術界や自分たちのイメージを悪くしないためにも、そこはグッと飲み込んで頂きたいなぁと。

 

僕は読売新聞で今連載させて頂いていますし、

これまでも読売新聞関係の仕事を数多くしてきました。

だからといってフォローするわけでもなく、

あくまで、個人的な想像に過ぎないですけれども、

そんなに世の中が騒いでいるように、女性を軽視していたわけではなかったと思いますよ。

ナイナイの岡村さんの例の一件と同じく、

悪気がなかったのが悪い、と言われてしまえば、それまでですけれども。

たまたまAKB48がキャスティングできただけで、

SixTONESやSnow Manがキャスティングできてたら、

たぶん 『美術館男子』 になっていたんじゃないですかね。

ジェンダーの問題にまで発展させるのは、行き過ぎのような気がしてなりません。

 

 

あとは、インスタ映えに関する問題ですね。

確かに、サイトを観ると、東京都現代美術館の魅力のアピールを、

インスタ映えの一点突破で行こうとしているところには、芸が無さ過ぎだろとは思いました (笑)

でも、「作品を背景にするな!」 という批判には、

正直なところ、それはしょうがないでしょ、と言いたいですね。

実は今年の春出版した 『東京のレトロ美術館』  に関して、とある書評サイトで、

 

「本人が前に出過ぎてせっかくの建物やお庭が背景になってしまってるのが残念。」

「主役は建物やお庭なのに、とに~さんがポーズ決めてて。主役が背景になってたのが残念!」

「元吉本の芸人さんだから、目立ちたがり屋なのかな?文章だけでもいいのに」

 

と書かれていまして (笑)

僕は自分からポーズを決めたわけではなく、

編集者さんとカメラマンの青山さんの指示通りにやっているだけだったのですが。

こんな風に書き込まれていて、だいぶ凹みました。

しかも、その人には、「とに~さんがもう少し控え目なら購入したかも」 と書かれていましたし。

 

買ってもないんかい!

 

買ってもないのに文句言われて、

しかも、買ってもないのにレビューしやがって!

・・・・・・あっ、すいません。話が脱線しました (笑)

 

まぁ、なので、背景にするなって言われても、

そこはもう、撮られる側としては、仕方ないですよ。

むしろ、背景にする以外の撮影方法がイメージできないです。

僕やモデルが背景となって、その前に美術館や作品が来れば、批判はされなかったんですかね??

それはともかく、背景するなって本当に文句を言いたい人って、作者だと思うんですよ。

でも、レアンドロ・エルリッヒやチームラボみたいに、

むしろ写真を撮ってほしいと考えているアーティストもいるわけで。

背景問題に関しては、第3者が議論に加わるとややこしくなるので、

極論ですが、「文句を言っていいのは作者と美術館だけ」 ってことにした方がいいんじゃないですか。

 

料理の時もそうですけど、インスタ映えで問題になるのは、

写真を撮った後に、料理を食べなかった時に炎上するわけですよね。

アートもそれと一緒で、インスタ映えするだろうと思って、

作品を背景にして写真を撮ろうが、それをアップしようが、そこまでは問題ないと思うんです。

ただ、その後はやっぱりちゃんと食べて欲しい。

具体的に言えば、作品を観て、咀嚼して欲しいんですよ。

今回の記事でも、AKB48の子がちょいちょいコメントしてるのですが、

それが、どうもこの本人の口から出た言葉のように感じられないんですよね。

週刊誌のグラビアに掲載されてる言葉みたいな。

明らかに、編集部の人が付けてるだろ感。

それで、AKB48の子がアートを食べてないように映ってしまったのでしょうね。

だから、次回以降は、ちゃんと自分の言葉で伝えてもらえたらいいなぁと思います。

 

 

あと、最後に一個だけ。

サイトの途中で何度か、モノクロの都現美の外観が映って、

下から長文がスクロールするページが登場しますが、あのページいりますか?

急に 『かまいたちの夜』  みたいな感じで、なんか怖いし。

文章が嘘くさすぎて、マンションポエムみたいだし。

狙いが全然わからなかったです (笑)

 

 

何はともあれ、これをきっかけに、美術界が萎縮するのだけは勘弁して欲しいです。

是非これからもいろんなチャレンジをして頂きたい!

あと、なんなら僕がブレーンに入りますので、そういうお仕事待っています (笑)

 

 

 

 

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ぬくもりと希望の空間~大銭湯展

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現在、江戸東京たてもの園で開催されているのは、

東京の銭湯文化にスポットを当てた特別展 “ぬくもりと希望の空間~大銭湯展” です。

 

 

 

展覧会は、江戸東京の入浴事情からスタート。

 

 

 

今と昔でそこまで大きく違いがないかと思いきや、意外と違いはあったようです。

例えば、石榴口。

 

 

 

江戸時代の銭湯 (=湯屋) の洗い場と浴槽は、

この高さ90cmほどの 「石榴口」 で仕切られていたのだとか。

これは、浴槽の熱がなるべく外に逃げないようにするためのもの。

洗い場と浴槽を行き来するたびに、わざわざ石榴口をくぐらなきゃいけないなんて。

なんだか面倒ですよね。

 

そんな石榴口は、こちらの浮世絵にも描かれていました。

 

 

 

よく見ると、洗い場で女性がわりと派手めな喧嘩をしています。

 

 

 

一体、何があったのでしょう??

石榴口から駆けつける女性の野次馬根性たるや (笑)

ともあれ、どさくさに紛れて、オッサンが後ろでガン見していますよ。

まずはそっちをやっつけた方がいいような。

 

 

さて、展覧会のメインとなるのは、やはり銭湯の黄金期、昭和の銭湯事情です。

展示室には、世代の人には懐かしいアイテムが集結していました。

 

 

 

個人的に興味深かったのが、こちらのマシーン。

 

 

 

コインを投入口に入れて一定の時間起動させ、髪を乾かす機器とのこと。

昭和30年代後半頃に広まったそうです。

ちなみに、キャプションには、 《椅子付きヘアドライヤー》 とありました。

え?ヘアドライヤー付椅子でなくて??

ヘアドライヤーのほうがメインなのですね。

 

懐かしいアイテムといえば、もちろんコレも。

 

 

 

そう。ケロリンの桶です。

おなじみの黄色いのもありましたが、

白いケロリンの桶も紹介されていました。

実はもともとは白だったのだそう。

しかし、使い続けるとキズや汚れが目立つために、黄色に変更になったのだとか。

黄色いのにも理由があったんですね。

 

また、展覧会場には、実際の銭湯で使われていた看板や案内板も展示されています。

 

 

 

さらに、昭和時代、いかに銭湯が身近であったかを紹介する作品として、

 

 

 

かぐや姫の名曲 『神田川』 のレコードも展示されていました。

これまで数多くの展覧会を訪れていますが、

『神田川』 が展示ケースに並べられているのは、初めて目にする光景でした (笑)

 

数ある展示品の中で、どうしても気になってしまったのが、花王のフェザーシャンプーです。

 

 

 

気になって仕方がなかったのは、その広告写真。

 

 

 

「男だって使うべきよ」 とあるということは、

それまで、男の人はシャンプーを使っていなかったのでしょう。

だからといって、服を着たまま、シャンプーするなよ!

どうやって流すつもりだよ!!

いくらなんでも、シャンプーを知らなさすぎです。

 

 

さてさて、実は、江戸東京たてもの園の敷地内には、

足立区の千住から移築し、保存、公開している 「子宝湯」 の建物があります。

展覧会場ではパネルでその見どころを紹介していましたが。

 

 

 

せっかくなので、実際の 「子宝湯」 にも足を運んでみました。

 

 

 

内部は、こんな感じです。

 

 

 

思わずひとっ風呂浴びたくなる開放感。

展覧会と子宝湯のたてもののおかげで (せいで?)、

この日の夜は、久しぶりに近所にある銭湯を訪れました。

銭湯に行きたくなること必至の展覧会です。
星

 

 

ちなみに、子宝湯の中で、ちょっと気になる広告を発見しました。

 

 

 

貝は専門店で。

『何処よりも勉強』 はわかります。

しかし、さすがに 『何日も新鮮』 なわけはないだろ!

貝は足が早いので要注意です。

 

それと、こんな注意書きも発見!

 

 

 

「お使かいください。」

 

江戸東京たてもの園に移築されてしまったせいで、

この誤字は、きっと一生残されてしまうのでしょうね・・・・・・・。

 

 

 

 

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あそぶひと-人形と子どもの暮らし

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現在、目黒区美術館で開催されているのは、

“あそぶひと-人形と子どもの暮らし” という展覧会です。

本来は、4月22日~6月14日の会期で開催予定でしたが、

コロナウィルスの影響により、会期を6月20日~8月23日にズラしての開催となっています。

 

 

 

こちらは、アトリエ ニキティキの現代玩具コレクションから、

ドイツやスイスを中心としたヨーロッパの子ども向けの人形やドールハウスなどを、

全部で3つのテーマに分けて紹介する展覧会です。
星星

 

 

最初のテーマは、「はじめて出会う人形」

 

(注:A展示室は写真撮影禁止です。特別な許可を得て撮影しています。)

 

 

赤ちゃんのために作られた人形や、

成長した子どもが遊ぶための抱き人形などが、ズラりと並べられています。

世界各国の衣装に身を包んだ子どもたち。

まるでイッツ・ア・スモールドワールドのような光景が広がっていました。

 

初めてヨーロッパの人形をまとまった形で目にしましたが。

何よりも強く印象に残ったのは、その多くの表情が真顔だったこと。

 

 

 

笑顔でもなく、無表情でもなく。

真顔。

どこか達観しているような感じさえありました。

 

特に印象に残ったのは、ケテ・クルーゼによる人形たち。

 

 

 

真顔どころか、表情には、どこか諦めのようなものが浮かんでいます。

“大人って汚いや・・・”

何かを目にして、子どもながらにして悟ってしまったのかもしれません。

ちなみに、作者のケテ・クルーゼは、元女優とのこと。

3歳の娘に、「私も赤ちゃんが欲しい」 と言われ、

まずはジャガイモとタオルで人形を作ったのだとか。

しかし、当たり前ですが、時間が経てば、ジャガイモは腐ります。

そこから様々な材料で試作を重ね、オリジナルの人形を完成。

数年後、百貨店に自作の人形を発表した際には、大評判となったのだそうです。

 

今展では、ケテ・クルーゼ以外にも、数名の人形作家が紹介されています。

日本ではほとんど知名度がありませんが、

そんな人形作家たちを知れるのも今展の魅力の一つです。

個人的に覚えておきたいのが、サーシャ・モルゲンターラー。

 

 

 

子どもの時から画家や彫刻家を目指しており、

なんと9歳の時に、あのパウル・クレーにその才能を認められたのだとか。

のちに画家のエルンスト・モルゲンターラーと結婚し、

3人の子どもたちのために人形を作り始めるようになったそうです。

子どもの身体のプロポーションや左右非対称な表情など、

細部までリアルにこだわった彼女の人形は、とても人気が高かったのだそう。

欧米の多くの美術館に、彼女の人形がコレクションされているそうです。

 

確かに、マジマジと観てみると、サーシャの人形は、

プロポーションや表情が実にリアルに作られているのがわかります。

そして、それと同じくらいに、人形が着ている服も細部までこだわって作られているのがわかります。

そんなファッションセンスの高さにスポットを当てるべく、

一部のサーシャ人形は、ファッションショーのランウェイ風に展示されていました。

 

 

 

なんとも遊び心のある展示スタイル!

あまりにも人形たちがフリーダムなので、

一瞬、本当に人形が動き出したのかと錯覚してしまいました (笑)

 

 

さてさて、ケテ・クルーゼやサーシャの人形をはじめ多くの人形が、

リカちゃん人形やバービー人形と比べると、一回り以上大きめだったので、

ヨーロッパには大きいサイズの人形しかないのかと思いきや。

 

 

 

逆に小さな人形はあるようでした。

中でもとりわけ小さかったのが、フラーデ社で作られているというこれらの人形。

 

 

 

どの人形も小さく、かつ精巧に作られています。

どの人形も可愛らしく、どの人形も水戸市のマスコットキャラみたいな髪型をしていました。

 

 

 

続きまして、展覧会の2つ目のテーマは、「人形の家 (ドールハウス)」

会場ではさまざまなタイプのドールハウスが紹介されていました。

 

 

 

大がかりなものもあれば、シンプルなものや個性溢れるものも。

また、壁の一面が開けられているものもあれば、屋根の一部が開いているものもありました。

こうしたドールハウスとともに紹介されていたのが、

ヨーロッパならではのキリスト教に関する人形セットです。

 

 

 

こちらは、キリストの生誕シーンを表した人形セット。

マリア様や幼いキリストはもちろん、

東方の三博士や祈る人々、動物たちもセットの中に含まれています。

この人形セットは、きっといいところの子が遊んだ人形セット。

その横には、そうでもない家の子が遊んだであろうキリストの生誕セットがありました (←偏見!)。

 

 

 

メンバー少なめ。

しかも、作り方もざっくり。

主役であるキリストとマリアにいたっては・・・・・・・・・。

 

 

 

ただ、観れば観るほど、味が出てきました。

逆に、これを商品として売ろうとしたこの会社の勇気と決断に、軽く感動すら覚えます。

 

また、キリスト教関連でいえば、

ノアの箱舟をモチーフにした人形セットも数点紹介されていました。

ヨーロッパではわりとポピュラーなようです。

 

 

 

動物たちがリアルに表現されたものもありましたが、

中には、動物たちがとてもシンプルに表現されたものも。

 

 

 

たべっ子どうぶつ??

もしくは、『まんが日本昔ばなし』 のエンディングに登場する動物たちのようです。

 

 

 

さて、展覧会の3つ目のテーマは、「あやつり人形」

紐を引っ張ると手足をバタバタ動かす “ハンペルマン” や、

 

 

 

パペットマペットのうしくんとカエルくんでもお馴染みの (?)  “ハンドマペット”、

 

 

 

BOØWYの歌でもお馴染みの (??) “マリオネット” をはじめ、

 

 

 

こちらのコーナーには、動かして遊ぶ人形の数々が展示されています。

いろいろと紹介したい人形はあるのですが、

前半から飛ばしすぎてしまったため、そろそろお別れの時間がやってきてしまいました (汗)

このコーナーを含め、展覧会全体の見どころをもっと知りたい方は、

目黒区美術館のFacebookページに、3体の可愛らしいパペットたちが、

展覧会を紹介する動画がアップされているので、是非そちらをご覧くださいませ。

https://www.facebook.com/megurokubijutsukan

 

 

 

 

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アートテラー・とに~氏、大型連載がスタート!

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こんばんは。 

ATN (=アートテラーニュース) のお時間です。

 

 今年4月より、読売新聞の夕刊の 「Pop Style」 面にて、

『モーソウ美術館』 という月1連載を開始したアートテラーのとに~氏ですが。

今月6月より、新たな新聞連載がスタートすることが、ATN取材班の調べで判明しました。

 

その新聞とは、報知新聞社が発行するスポーツ報知。

社長さんから直々に、1ページまるまる使って、

自由にアートの話で遊んで欲しいと、とに~氏にオファーがあったのだそう。

あまりにもビッグすぎるオファーに、とに~氏は身震いが止まらなかったそうです。

大学生の時から30歳になるまで、コンビニの夜勤をしていたというとに~氏。

明け方になったら、毎回梱包をほどいて、

ラックに並べていたあのスポーツ報知で、まさか連載を担当するなんて、

と、感慨もひとしおなのだそう。

アートテラーだけでは食べていけず、

コンビニで夜勤をしていた時のあの頃の自分に、この事実を教えてあげたいとのことです。

 

なお、気になる連載のタイトルは、『報知美術部 by アートテラー・とに~』。

アートに関係していれば、何でもありの連載なのだそうです。

1ページまるまる使って、1つのテーマを紹介する回もあれば、

複数のテーマを設ける回や、ミニコラムのようなものを掲載する回もあるとのこと。

そんな新連載がいよいよ始まるとに~氏のコメントが届いております。

 

 

「正直なところ、とんでもないオファーが来たなァ、と震えています (笑)

 

 これまでも、そして、今継続しているものも含めて、

 おかげさまで、たくさんの連載を担当してまいりました。

 基本的にはどれも、展覧会の見どころを伝えるとか、パブリックアートを紹介するとか、

 大まかなフォーマットが決まっていて、その中で、毎回、記事を考えていくというスタイルです。

 でも、今回の連載は、毎回自由。

 自分的には、新しいチャレンジとなります。

 しかも、普段の連載は文字数という縛りがありますが、

 今回の連載は、1ページまるまるなので、その縛りもないという。

 テレビ番組で例えると、毎回違う企画をやっていた 『めちゃイケ』 みたいな感じでしょうか。

 「守ったら負け」 の精神で、ジャンルにこだわらない、

 新しい “笑い” の可能性を追及していった 『めちゃイケ』。

 あの番組に倣って、この連載も 「守ったら負け」 の精神で、

 ジャンルにこだわらない新しい “美術” の可能性を追及していきたいと思います。

 

 本当に有り難いことに、この連載のために、一線で活躍する新聞記者さんたちと、

 報知新聞社で一番腕が立つという編成部員 (レイアウター) さんが付いてくださりました。

 なので、紙面が素晴らしいものになるのは、確か。

 あとは、僕はどれだけ面白い企画を考えられるかにかかっています (笑)

 

 なんでも、スポーツ報知が始まって以来となる美術をテーマにした連載とのことです。

 そういう部分では、プレッシャーもものすごくありますけれども、

 同じくらいに、多くの人に美術に興味を持ってもらえる大きなチャンスなので、ワクワクしています。

 ドキドキとワクワクが半々、いや、ワクワクがちょい勝ってる感じでしょうか。

 

 全力で取り組んでいますので、皆さまも是非、スポーツ報知をお手に取って頂けたら幸いです。

 ちなみに、スポーツ報知は、唯一アダルトなページのないスポーツ新聞です。

 女性の読者さんも安心して、スポーツ報知を手に取って頂けましたら。

 なお、連載は毎月最終木曜となっています。

 初回は、6月25日に掲載される予定です!

 

 

ちなみに、自他共に認める何でも屋のアートテラー・とに~氏。

今回のオファーも、一も二もなく引き受けたのかと思いきや、実は、少し躊躇があったのだそう。

というのも、とに~氏の父親は、典型的なアンチ巨人。

そんな父親の手前、お断りすることも一瞬検討したそうです。

ただ、こんな有り難い話を断るという選択肢はないということで、

一瞬だけ悩んだ後は、今回のオファーを快く引き受けたそうです。

とに~氏曰く、

 

「これからは、アンチ・アンチ巨人として生きていきます (笑)」

 

とのことです。

 

 



それでは、今夜のATNはこの辺りで。
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大宇宙展―星と人の歴史

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約100万冊にのぼる蔵書数を誇る東洋文庫ミュージアム。

 

 

 

そんな日本最大級、いや、アジア最大級の本の博物館で、

現在、開催されているのが、“大宇宙展―星と人の歴史” という展覧会です。

 

 

 

宇宙展ではなく、「大」 宇宙展。

宇宙にロマンを感じる僕としては、涎が出るような展覧会です。

どんなワクワクする展示品に出逢えるのだろうと、

展覧会を訪れる前は、天にも昇る気持ちでした・・・・・・・・・・・・・が。

 

 

 

よくよく考えたら、こちらは本のミュージアム。

展示のメインは、宇宙の写真でも、宇宙を描いた絵でもなく、天文学の本でした。

 

 

 

数式的なものもたびたび登場するため、

文系脳で理解するのは、かなりの無理ゲー。

難解すぎる天文学書を前にして、さぞかし僕の顔は青ざめていたことでしょう。

その姿を見た誰かが、「とに~の顔は青かった」 とか言ったとか言わなかったとか。
星

 

 

とはいえ、全部が全部、ちんぷんかんぷんだったわけではなく。

興味深い展示品も数多くありました。

例えば、10世紀ペルシャの天文学者スーフィーが著した 『星座の書』。

 

 

 

実は、こちらに描かれているのは、世界最古の星座絵なのだそう。

古代ギリシャのプトレマイオスによる天文学書  『アルマゲイスト』  をもとに、

スーフィーは、そこに登場する48の星座を絵図を交えて解説したのだそうです。

やがて、このアラビア風の星座絵は、

ヨーロッパに逆輸入され、古代ギリシャ風にアレンジされました。

それらが、僕らがプラネタリウムで見るあの星座絵の元になっているのだとか。

なお、展示の 『星座の書』 は、アンドロメダ座のページが開いてありましたが。

気になる他の星座に関しても、数点ほどがパネルで紹介されていました。

 

 

 

あんな絵が、こんな絵に。

ヨーロッパ人のアレンジ力、恐るべしです。

 

 

また、今回の出展作品の中で、最も長いこと、

鑑賞してしまったのが、《蘇州文廟宋天文図 (淳祐天文図)》

 

 

 

こちらは、世界最古とされる石碑天文図の拓本です。

もととなった石碑は1190年頃に、黄裳なる人物によって描かれたのだそう。

何よりも興味深かったのは、今の僕らが知っている星座とは全く違う星座の数々です。

 

 

 

天狗座。孫座。老人座。

弧天座にいたっては、射手座よりも射手座感 (?) がありました。

他に気になったのは、器府座なる謎の星座。

 

 

 

一体、夜空のどのあたりに、

こんなスペースインベーダーのような星座があるのでしょうか??

さらに、こんな星座も。

 

 

 

厠 (=トイレ) 座に、屎 (くそ) 座。

小学生的な発想を持ったヤツが考えた星座なのか。

それとも、星座を考えるのがだんだん面倒くさくなってきて、適当に付けただけなのか。

ともあれ、中国式がプラネタリウムに採用されなくてよかったです。

 

 

最後に、個人的にもっとも興味深かった展示品をご紹介いたしましょう。

 

 

 

こちらは、江戸時代の瓦版の写しの一つ。

1803年に起きたとある出来事を報じた瓦版です。

なんでも常陸国 (現在の茨城県)  の海岸に、

奇妙な 「うつろ舟」 なるものが漂着したのだそう。

その舟の中には、謎の文字が書かれており、

舟の中には、謎の箱を大事そうに抱えた謎の女性が一人乗っていたのだとか。

この 「うつろ舟」 は、もしかしたらUFOなのかも。

この謎の女性は、もしかしたら宇宙人なのかも。

真相は未だによくわかっていないそうです。

ちなみに、この瓦版によると、「うつろ舟」 の窓は障子だそうです。

大気圏を突入してきたこの障子は、きっと地球上には存在しない物質で作られているのでしょう。

 

 

 

 

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フィールド⇔ワーク展 日々のアトリエに生きている

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渋谷PARCOの真向かいにある渋谷区立勤労福祉会館。

 

 

 

その一階部分に、今年2月、

東京都渋谷公園通りギャラリーがオープンしました。

 

 

 

元々この場所には、トーキョーワンダーサイトという、

若手アーティストの育成支援や作品展示を行うアート施設がありましたが。

小池百合子・現東京都知事の主導により、

アール・ブリュットの作品展示や普及に力を入れるギャラリーへと方針変更されました。

ちなみに、アール・ブリュット (Art Brut) とは、

元々、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェによって提唱された概念。

提唱された当時は、幼児や精神病患者、囚人あるいは完全な素人などが、

誰に見せるわけでもなく、自分のために制作していた作品を指していましたが。

現在では、広く、専門的な美術の教育を受けていない人によるアートと定義されています。

 

 

これはあくまで個人的な意見なのですが。

アール・ブリュットは最近日本でも注目されていますし、

福島県のはじまりの美術館や広島県の鞆の津ミュージアムをはじめ、

アール・ブリュットを専門にする私立美術館が開館するのは、とても意義があることだと思っています。

公立の美術館でも、アール・ブリュットの作家を紹介したり、

アール・ブリュットに焦点を当てた展覧会が開催されるのも、とても意義があることだと思っています。

ただ、都立の施設で、アール・ブリュット専門ってどうなのでしょう・・・・・。

藝大や美大で真面目に美術教育を受けた人が、ないがしろにされているような。

逆差別のような気がしてしまうんですよね。

 

 

そんなモヤモヤした気持ちを抱えたまま、

現在開催中の展覧会、“フィールド⇔ワーク展 日々のアトリエに生きている” を観ましたが・・・・・・

 

 

 

普通に楽しめました。

アール・ブリュットであろうがなかろうが。

専門的な美術教育を受けていようがいなかろうが。

イイものはイイ。ただそれだけです。

星
 

 

こちらは、独自の手法で創作を続けている5名の作家を紹介する展覧会。

彼らの作品、つまり 「ワーク」 と、

 

 

 

その作家の生活や創作の現場、つまり 「フィールド」 を映した写真を併せて紹介する展覧会です。

 

 

 

ちなみに、会場にある写真をすべて撮影したのは、

Mr.Childrenのジャケットや窪田正孝のフォトブックなども手がける人気写真家・齋藤陽道さん。

齋藤陽道さんは、「ろう者の写真家」 として紹介されることもありますが。

“ろう者だから”、“ろう者なのに” というのは関係なく、

被写体の生き様や性格を優しい目線で捉えた素敵な写真を撮る人物です。

そんな齋藤さんの撮り下ろし写真が観れるだけでも、この展覧会を甲斐がありました (しかも無料)。

 

 

 

今回紹介されていた作家の中で、

特に作品に心を惹かれたのが、蛇目 (へびめ) さん。

 

 

 

一見すると、よくある抽象画のような印象を受けますが。

 

 

 

キャンバスの表面が少々・・・・・いや、だいぶボコボコしています。

どのように制作された作品なのでしょう??

その答えは、齋藤さんが撮影した写真の中にありました。

 

 

 

アクリル絵の具を何層にも塗り重ねて、

それが固まったのちに、彫刻刀で削り出していたのですね。

漆を塗り重ねたあとに削る堆朱のアクリル絵の具ver.といったところでしょうか。

 

 

 

他の何とも被っていない質感。

そして、他の何とも被ってないカラーセンス。

パッと見は、グチャグチャのようにも感じるのですが、

観れば観るほど、この削り方が唯一の絶対解であるような。

不思議な説得力がありました。

 

どの作品も良かったですが。

個人的には、きゃりーぱみゅぱみゅ感のあるこちらの作品がお気に入りです。

 

 

 

それから、もう一つ、特に印象に残っているのが、こちらの作品群。

 

 

 

ロシアン・アヴァンギャルドを彷彿とさせるこれらの作品は、

澤田隆司さんと福祉事業所・片山工房の理事長である新川修平さんの協同により制作されたもの。

澤田さんが自由にコントロールできた身体のわずかな動き。

それは、右足首のスナップだったそうです。

澤田さんが色を選び、その絵の具が入った容器をキャンバスの上で蹴ります。

すると、当然絵の具は流れ出します。

その向きや角度、加減を、澤田さんは声と身振りで新川さんに指示。

それを繰り返して完成したのが、これらの作品なのだそうです。

 

 

 

「ペンキの入った容器を蹴って、キャンバスを動かしてるだけじゃん。」

・・・・・・と言ってしまえば、それまでなのですが。

澤田さんの作品も、蛇目さんの作品と同じく、

色、形、角度など、これしかあり得ないという不思議な説得力がありました。

 

 

最後に、余談ですが。

東京都渋谷公園通りギャラリーのロゴは、

『人』 と 『!』 をモチーフに、多様性の中で発見する驚きや気づきを表しているのだそう。
また、あみだくじのようなシルエットにすることで、

偶然の出会いや自分では想像もできない世界に巡り会えること、

道 (選択肢) を抜けた先に発見があることを表現しているのだそうです。

そんな想いを込めたロゴが、渋谷区立松濤美術館のロゴと妙に似ていました。

 

 

 

ともに渋谷駅徒歩圏内にあるアート施設。

紛らわしいこと、この上ありません。

 

 

 

 

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The power of things

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横浜市と並んで、日本屈指のアートな街。金沢市。

その中核をなす金沢21世紀美術館のほど近くに、

先日6月21日に、新たな私設美術館が誕生しました。

 

 

 

その名は、KAMU kanazawa (カム カナザワ)

若手アートコレクター・林田堅太郎氏が、満を持して開館した現代アート美術館です。

そのこけら落としを飾るのが、“The power of things” という展覧会。

KAMU kanazawaコレクションの中核をなす3人のアーティストにスポットを当てた展覧会です。

星

 

 

美術館は、全部で3フロアで構成。

1フロアにつき、1人のアーティストが紹介されています。

最上階、3階で紹介されていたのは、

世界中から注目を集める陶芸界の若き鬼才・桑⽥卓郎さん。

 

“陶芸って何か地味じゃない?”

 

そう思っている方も、少なくはないでしょうが。

そんな方が、きっと桑田さんの陶芸作品を目にしたら、ド肝を抜かれるはず。

 

なんじゃこりゃぁあ!!

 

 

 

“あれ?陶芸って、どんなんだっけ??” と、

良くも悪くも、陶芸の概念がぶっ飛ぶことでしょう。

「陶芸=使い勝手のいいもの」 と思い込んでいましたが。

 

 

 

桑田さんの陶芸作品を観続けていると、

”あれっ?そもそも陶芸が使い勝手がいいものって誰が決めたんだろう?” と、

根本から揺さぶられる気がします。

 

まず何よりもインパクトがあるのは、そのフォルムです。

もしかしたら、本人は真面目に制作しているのでしょうが。

なんかフィンガーチョコレートみたいなのが、ぶっ刺さってたり。

 

 

 

蛭子さんの漫画の登場人物ばりに汗をかいているようであったり。

 

 

 

あまりにも見た目がカオスなため、ふざけ倒してるようにしか思えないのです。

もちろん、いい意味で。

それから、色合いもインパクト大!

わびさび感は皆無。

ソニプラで売ってる外国のお菓子みたいな色をしています。

 

 

 

この器でお茶やお酒を飲んだら、どんな味がするのでしょう??

あくまで勝手なイメージですが、

バブリシャスの風味が足されるような気がしてなりません。

 

 

その下のフロア、2階で紹介されていたのは、

イギリス・マン島出身の女性アーティスト、ステファニー・クエールの作品の数々です。

 

 

 

彼女は豊かな自然に囲まれた農場で働き、

そこで生活しながら、作品を制作しているのだそう。

 

 

 

生の粘土を捏ねて作られた彼女の作品は、どこか未完成のような印象を受けます。

まるでサササッと作られたような。

即興性のようなものが感じられます。

音楽でいえば、ジャズのような。

絵画でいえば、デッサンやドローイングのような。

とはいえ、決して、適当に作られた雑な印象を受けるものではありません。

それぞれ動物から、生命力がありありと感じられるのです。

そこが、彼女の作品の何よりもの魅力と言えましょう。

 

 

 

彼女が生み出した動物は、ちゃんと生きていました。

もはや剥製よりも、生命力を感じられるほどです。


 

さてさて、美術館の顔となる1階で紹介されているのは、レアンドロ・エルリッヒ。

金沢21世紀美術館の一番人気の作品 《スイミング・プール》 の作者としてもお馴染みの人物です。

そんなエルリッヒの新作が金沢の地に、新たに常設されるだなんて!

今以上に、金沢がアートの街として盛り上がることでしょう。

 

 

・・・・・・・・でも、どこにエルリッヒの作品が??

キョロキョロしていると、スタッフさんが 「あの非常口の中ですよ」 と教えてくれました。

確かに、言われてみれば、普段目にする非常口の誘導灯よりも一回り大きい気がします。

何より、その下にある脚立が不自然でした。

 

 

 

スタッフさんが脚立を押さえてくれたので、

脚立をズンズンとのぼり、誘導灯の中を覗いてみます。

すると、その中には、こんな光景が広がっていました!

 

 

 

 

初見なら驚いたのでしょうが。

以前、森美術館で開催されたレアンドロ・エルリッヒ展で、

同様の作品を目にしていたので。そこまでは驚けませんでした (笑)

エルリッヒの作品は、出オチ勝負みたいなところがありますね。

とはいえ、まさかこれでエルリッヒの作品が終わりというわけは・・・・・・・さすがに無いようです。

ちゃんと大型の体験型の作品が、しかも、新作が、

この美術館のオープンのために制作されたとのこと。

それが、こちらです。

 

 

 

パッと見、幕に覆われていますね。

いや、パッと見どころが、普通に膜に覆われていました。

どうやらコロナの影響で制作がストップしていたるのだろう。

7月中旬以降を目途にお披露目されるそうです。

そんなことをスタッフさんにサラッと告げられました。

入館料を払った後に。

 

“・・・・・・・・・・・・・・いやいやいや!

 一番はエルリッヒの作品が観たくて訪れたんですけど!

 そんなこと一切HPに書いてなかったんですけど!!”

 

という言葉が飛び出そうになるのを、なんとか飲み込みました。

もう少しでKAMI付くところでした。

 

 

 

 

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ゲストキュレーターへの道 #1

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今から遡ること約4ヶ月前。

以前お仕事でご一緒した富山県美術館の学芸員、E藤さんより一通のメールが届きました。

 

「ご無沙汰しております。お元気でしょうか?

 今回も是非とに~さんにお願いしたいことがあり、メッセージを送信させていただきます。

 富山県美術館では、今年の9月から11月にかけて、

 収蔵品のベスト版的な展覧会の開催を計画しております。

 いわゆるコレクション展なのですが、ただ作品を並べるだけではなく、

 多方面で活躍される方にお声がけし、作品とのコラボレーションを行い、

 作品の新たな見方や鑑賞の楽しさを発見していただきたいと検討しております。

 そこで、ぜひとに~さんにも参加作家の一人として、展覧会に関わっていただきたいのです。

 

  『ここにしかない美術室』 のコンテンツを立体的に展示室に展開するイメージです。

 是非とに~さんにご参加いただきたく強く願っています。」

 

 

 

 

これまでたくさんの展覧会を観てきましたが。

 

自分が観る側でなく、

出展する側の人間になる日が来ようとは!!

 

 

予想だにしなかったまさかのオファーに、衝撃が走りました。

 

・・・・・とはいえ。

“『ここにしかない美術室』 のコンテンツを、

立体的に展示室に展開するイメージ” の意味が、イマイチよくわかりません (笑)

そこで、3月某日、E藤さんと直接お会いして、改めてオファーの内容を伺うことに。

 

E藤さん曰く、富山県美術館のコレクションの中から、

僕が注目する、あるいはツッコミを入れたい作品を選んで欲しいとのこと。

そして、僕が提案する面白い鑑賞方法をディスプレイで作成し、作品と一緒に展示したいとのこと。

例えば、 『おばちゃんファッションぽい作品』 のネタのように、

 

 


服のシルエットを型抜きした紙を、実際の造作として作ってみて作品と共に展示してみるとか。
また例えば、『名画IPPONグランプリ』 のように、

 

 

 

富山県美術館のコレクションに対して、

小学生たちが考えたオモシロ回答を出力し壁面に貼るとか。

とにかく、僕が面白いと思うものを自由にやってもらいたいとのことでした。

 

 

身に余る光栄であると同時に。

これまで、さんざん “もっとこういう風に展示したら面白いのにー” だとか、

“僕だったら、こんな風に展示するね” だとか、好き勝手ほざいてきただけに、プレッシャーもひとしお。

しかし、こんなチャンスは最初で最後だと思うので、

「全力でやらせて頂きます!」 とオファーを引き受けることにしました。

 

 

というわけで、まずは作品の調査に。

E藤さんと日程を調整して、富山県美術館を訪れる日を4月8日に決めました。

 

 

・・・・・・・・・・が、しかし。

その前日4月7日に、緊急事態宣言が発令されました。

当然、富山県美術館での調査は中止に。

それどころか、展覧会そのものも中止となる可能性が浮上しました。

どうする?どうなる?僕のゲストキュレーターデビューは??

 

 

それから約1ヶ月半後。

緊急事態宣言が解除されたことを受けて、

E藤さんより、展覧会が予定通り開催される運びとなったとの連絡がありました。

県外への移動自粛が解除される6月19日以降に、

改めて富山県美術館に調査に来て頂きたいとのこと。

 

 

そこで、6月26日に、数ヶ月ぶりに東京を飛び出し、富山県美術館を訪れました。

 

 

 

E藤さんや館長を含め、富山県美術館の皆さまと挨拶を交わした後、

シュルレアリスムの作品を中心に、富山県美術館コレクションの数々を見せて頂くことに。

どの作品をチョイスしようか。

展覧会で作品を観るのとは違って、いつになく真剣に作品と向き合いました。

 

そして、その後は、会場となる予定の展示室へ。

 

 

 

事前に、今回の展覧会で、僕に与えられるスペースは10×10mと聞かされていましたが。

実際にそのスペースを目にしてみると、

イメージしていた以上の広さがありました。

この空間を埋めるのですね。

しかも、面白く。

これは間違いなく、アートテラー史上、最も難易度の高いオファーです。

 

 

一通り、調査を終えた後、E藤さんに、

なんとなく思い付いた展示プランを伝えてみました。

 

「美術館で×××をやったら、面白くないですか??」

「マティスの切り絵のシリーズを使って、○○○のパロディをやってみたいのですが」

「あと、△△△の作品を□□□で売ってるものと一緒に並べて展示してみるのはどうでしょう?」

 

どれも無茶ぶりに近い提案なので、一笑に付されるかと思いきや。

 

「どれも面白そうですね。やりましょう!」

 

とのこと。

えっ、美術館でそれやっちゃうの?!

提案した自分が一番ビックリしています (笑)

 

 

さてさて、ゲストキュレーターへの道はまだまだ1歩を踏み出したばかり。

ここから実現に向けて、具体的にいろいろ動いていきます。

果たして、どんな展示になるのか?

ハプニングなく、無事に開幕まで辿り着けるのか?

今後、定期的に 『ゲストキュレーターへの道』 をお送りいたします。

乞うご期待!

 

 

“TADのベスト版 コレクション+(ぷらす)”

2020年9月19日(土)~11月3日(火・祝)

 

 

 

 

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2020・春 大拙と語る

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金沢市にある鈴木大拙館に行ってきました。

 

 

 

こちらは、金沢出身の仏教哲学者、鈴木大拙 (1870~1966) の足跡を伝える文化施設です。

 

 

 

金沢以外の日本人には、あまり馴染みがないかもしれませんが。

鈴木大拙は、ハイデガーやユングとも交流を持ち、

今や世界共通語となった 『ZEN(=禅)』 を初めて海外に広めた人物。

「D. T. Suzuki」 として世界的に知られています。

 

 

 

そのため、美術館の英名も、「D. T. Suzuki Museum」 となっています。

また、鈴木大拙館の建物は、国際的に活躍する建築家・谷口吉生氏の設計によるもの。

東京国立博物館内にある法隆寺宝物館や豊田市美術館、MOMAの改修など、

数々の美術館を設計してきた谷口氏の建築の中でも屈指の名建築と呼び声が高いのが、

この鈴木大拙館なのです。

 

 

美術館に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、長く一直線に伸びる内部回廊。

 

 

 

その途中、右手部分からは、玄関の庭が一望でき、

鈴木大拙館のシンボルツリーであるクスノキを望むことができます。

 

 

 

そんな回廊の先にあるのが、 「展示空間」。

現在こちらでは、“2020・春 大拙と語る” が開催されています。

鈴木大拙の著作や書、直筆のメモ、

さらに、愛猫のミミを抱いた写真が展示されていました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

鈴木大拙ファンにはたまらない展示品なのでしょうが、

鈴木大拙ファンでなければ、何の感慨もわかない展示品ばかり。

一体、今、僕は何を見させられているのかね??

まるで禅問答のような展覧会でした。

星

 

また、展示空間の隣は、学習空間。

こちらでは手に取って読める鈴木大拙の書籍が多く用意されています。

学習を深めたい人は、こちらの部屋をどうぞご利用くださいませ。

 

 

さて、展示空間をあとにすると、

鈴木大拙館のメインビジュアルともいうべき・・・・・・

 

 

 

「水鏡の庭」 が現れます。

これまで何度となく、本やネットで目にしてきた光景。

想像していた以上に、水盤が広かったのが何よりも印象的でした。

 

 

 

さらに、しばらく水面を眺めていると、

急に水盤の真ん中あたりで、「ジャボン!」 という音が。

 

 

 

そこから、水紋が発生し、

水盤全体にゆっくりと広がっていきます。

 

 

 

最初は、「魚か何かがいるのかな?」 と思いましたが、

その後も定期的に、同じ場所がジャボンジャボンしていました。

どうやら、魚や何やらの生き物がいるわけではなく、そういう機械仕掛けであるようです。

わびさびがあるような、無いような。。。。。

 

 

ちなみに、水鏡の庭に浮かんでいるように見える建築は、「思索空間」 とのこと。

来館者は、この空間で、思い思いに思索するのだそうです。

 

 

 

ふと上を見上げると、天井にはぽっかりと一つの円が。

 

 

 

禅といえば、円。

円といえば、禅。

この円には、何か深い意味が込められているのかもしれません。

 

 

さてさて。

深い意味が込められているのかも?

といえば、今回の展覧会のチラシも。

 

 

 

チラシの右下にご注目。

何やら、折り方が掲載されていました。

 

 

 

この通りにチラシを折ると、ホラこの通り。

チラシが箱になります。

 

 

 

・・・・・・・・・・だから何?!

 

チラシを折って、箱にすべし。

これもまた禅問答なのでしょうか。

あまりに高度すぎて、凡人の僕には理解できませんでした。

 

 

 

 

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日本を超えた日本建築 ― Beyond Japan―

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石川県立美術館に、

 

石川県立美術館

 

 

金沢商工会議所会館に、

 

 

 

そして、昨日紹介した鈴木大拙館に、

 

 

 

 

金沢市を歩くと、いくつもの谷口吉郎・吉生親子の建築を目にすることができます。

実は谷口親子にとって、金沢市はとても縁の深い街。

金沢市内の九谷焼の窯元に生まれ、高校卒業まで金沢で過ごしたという谷口吉郎。

金沢の景観まちづくりにも尽力した功績から、金沢の名誉市民第一号となっています。

 

そんな谷口吉郎のかつての住まいの跡地に、

昨年夏にオープンしたのが、谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館。

国内ではまだ珍しい建築専門のミュージアムです。

 

 

 

設計は、もちろん谷口吉生氏。

内部は、豊田市美術館のようでもあり、法隆寺宝物館のようでもあり、

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館でもあり、京都国立博物館の平成知新館のようでもあり。

 

 

 

・・・・・・・・・・・要するに。

これまで通りの谷口吉生建築です。

それ以上でも、それ以下でもなく。

 

 

こちらのミュージアムの一番の目玉となるのは何と言っても、

2階に常設展示された谷口吉郎設計による 「游心亭」 の広間の完全再現。

游心亭とは、叙々苑の最高ランクのお店・・・・・ではありません (←それは、游玄亭です!)。

迎賓館赤坂離宮の和風別館の名称。

谷口吉郎が手掛けた和風建築の最高峰ともいわれる、

「游心亭」 の広間が金沢建築館では、1分の1スケールで完全再現されています。

 

 

 

広さは、実に47畳。

中央のテーブルは、外国の要人たちと会食する場合に備えて、掘りごたつ式となっています。

ただし、このテーブルは床下に収納できるそうで、全面を畳敷きにすることも可能とのこと。

ということは、もし、外国の要人たちとここに泊まるとしたら、

布団を並べて、修学旅行のように寝ることもできるのでしょうね。

その際はやっぱり、枕投げをしたり、好きな異性の大臣を告白したりするのでしょうか。

0時過ぎてもまだ寝ないで、喋っていると、

菅官房長官が見回りしにきて、説教したり・・・・・・って、いつまで変な妄想を続けているのでしょう。

話をもとの 「游心亭」 に戻します。

 

 

 

広間に隣接しているのは12畳からなる 「ニの間」。

こちらは余興の場として使われているようです。

 

また特徴的なのが、天井の傾斜。

この傾斜は広間や二の間の外まで続いています。

 

 

 

これは、外の景色を取り込むための工夫とのこと。

なお、実際の 「游心亭」 は目の前に、水庭が広がっていますが。

ここは、2階。

 

 

 

水庭ではなく、谷口吉生建築には欠かせない水盤で再現されています。

これはこれで風情があって素敵でした。

 

また、こちらの常設展示室では、

「游心亭」 の茶室も、やはり1分の1サイズで完全再現されています。

 

 

 

パッと見は、趣のある大人しい上品な茶室なのですが。

ふと上を見上げると・・・・・・・

 

 

 

3種類の天井が大胆に組み合わされており、

意外とアヴァンギャルドな一面も持ち合わせていました。

 

 

なお、「游心亭」 の再現展示は、写真撮影可能となっています。

さすが、谷口吉郎が手掛けた和風建築の最高峰。

どこを撮っても画になります。

 

 

 

金沢の中心地からは少し離れた位置にあるのは、ネックですが。

建築ファンなら、押さえておきたい美術館の一つでしょう。

星

 

 

ちなみに。

地下1階にある企画展示室では、現在、

“日本を超えた日本建築― Beyond Japan―” という展覧会が開催中。

 



谷口吉生さんを筆頭に、槇文彦さんや安藤忠雄さん、
隈研吾さんら、日本を代表する建築家8人 (組) が海外で建てた、
あるいは建てる予定の建築、それぞれ1点を模型とパネルで紹介した展覧会です。
伊東豊雄さんの台中国家歌劇院とか、SANAAのルーヴル・ランスとか、
大半が、他の建築展で何度か目にしたことがあるプロジェクトの紹介でした。
建築好きにはちょっと物足りない展覧会かもしれません。
 
 
 
 
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