今年2014年は、日本に禅宗を広め、京都最古の禅寺・建仁寺を開創した栄西の800年遠忌にあたる節目の年。
それを記念して、現在、東京国立博物館では、
“開山・栄西禅師 800年遠忌 特別展「栄西と建仁寺」” が開催されています。
あの教科書でもお馴染みの国宝 《風神雷神図屛風》 が、
《国宝 風神雷神図屛風》 俵屋宗達筆 江戸時代・17世紀 京都・建仁寺蔵 展示期間:全期間
5年ぶりに公開!
さらには、5月18日の会期最終日まで、いつでも観られるとあって、話題の展覧会です。
というわけで、僕も 《風神雷神図屛風》 見たさに、足を運んできました。
展覧会の入り口で待ち受けていたのは、今回の展覧会の主役でもあるこちらの人物。
《明庵栄西坐像》 鎌倉時代・13~14世紀 神奈川・寿福寺蔵 展示期間:全期間
栄西さんです。
歴史の授業では、 「えいさい」 と習ったので、何の躊躇もなく、 「えいさいさん」 と読みましたが。
思わず、キャプションを二度見。
「ようさい」 となっていました。
実は、建仁寺では、古くから、 「栄西」 を 「ようさい」 と読んできたとのこと。
今回の展覧会は、それに倣っているのだそうです。なるほど。
展覧会の第一会場では、栄西による日本史最古の茶の本として知られる 《喫茶養生記》 の展示をはじめ、
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
毎年4月20日に建仁寺にて開催される四頭茶会の再現展示、
建仁寺ゆかりの禅僧たちに関する展示品などを通じて、
栄西と建仁寺が、日本文化の発展にどのような役割を果たしてきたのかが紹介されていました。
とても真面目な内容で、歴史の講義を受けているかのような印象です。
そんな第一会場で、個人的に一番目を惹かれたのが、
狩野山楽筆 《蓮鷺図襖》 と 《織田有楽斎坐像》 のコラボレーション。
福山雅治?
ついついスーパードライのCMを連想してしまいました (笑)
さて、続く第2会場も、第1会場と同様の展示かと思いきや。
博物館系の展覧会から、日本美術の展覧会へシフトチェンジ。
建仁寺や建仁寺派の寺院などが所蔵する宝物の紹介が、展示のメインとなっていました。
重要文化財の 《雲龍図》 を含む安土桃山時代の巨匠・海北友松の傑作群が揃い踏みする空間に圧倒され・・・
(《雲龍図》 は会期替えがあるので要注意。展示期間:8幅のうち 左4幅(上):3月25日(火)~5月6日(火・休)
右4幅(下):4月22日(火)~5月18日(日) 全8幅:4月22日(火)~5月6日(火・休))
伊藤若冲に曽我蕭白、長沢芦雪、白隠といった江戸の人気絵師たちの競演に目を奪われ・・・
(作品によっては展示替えがあります)
普段は京都の六道珍皇寺に安置されている等身大の 《小野篁像》 に目を見張り・・・
想定外に、美術作品をめいっぱい堪能することが出来ました。
隠れた名品から、ゆる~い作品まで、
バリエーションもさまざまで、気になる作品が多数ありましたが。
やっぱり最大のハイライトは、 《風神雷神図屛風》 です。
これまでに何度も本やテレビなどは目にしていたので、
実物を観たことがないものの、すっかり観た気になっていました。
しかし、改めて、実物を前にしてみて、
当たり前ですが、 「実物を観てみるものだなぁ!」 と強く実感。
こんなにも雲の描写が、素晴らしい作品だったとは!
それこそ、風穴が開けられ、雷に打たれるかのような観賞体験でした。
一見、サラサラッと描いているようなのに、
水蒸気の感じや軽さなど、雲の持つ特徴が余すことなく表現されていたのです。
閉館時間ですからと雷を落とされても、どこ吹く風で、ずっと眺めていたくなる作品でした。
(↑実際は、ちゃんと空気を読んで、閉館時間までに帰りましたw)
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特別展「栄西と建仁寺」
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