「三菱一号館美術館に、一体、何があったの (笑) ?!」
そんな衝撃なポスターが発表されたのは昨年のこと。
それ以来、気になっていた “ルドンとその周辺―夢見る世紀末” に、ようやく足を運べました。
ちなみに。
派手派手ポスターは、さすがに現在は使われておらず。
今では、すっかりスッキリしたポスターに様変わり。
しかーし、このポスターでも、遊び心は、地味に健在。
ポスターの写真に映り込んでいる後ろ姿の男性は、三菱一号館美術館の館長さんなのだとか (笑)
さてさて、ポスターの話題は、それくらいにしまして。
美術展そのものについて、簡単に解説を。
この美術展で紹介されているのは、岐阜県美術館が誇る世界有数のルドン・コレクション。
《Ⅱ.沼の花、悲しげな人間の顔》(『ゴヤ頌』) や、
《蜘蛛》
・・・などなど。
ルドン独自の幻想世界が広がっている作品の数々が展示されています。
(ルドンって、こんな人 ⇒ その記事は、こちらをクリック)
また、ムンクや、
モロー、
エミール・ベルナール
…といったルドンの同時代の巨匠たちの作品も、
「その周辺」 というざっくりとした (かつ、失礼な) くくりで展示されています (笑)
ただ、岐阜県美術館のコレクションが何枚も束になろうとも、
この美術展の目玉は、何と言っても、 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 という一枚。
この美術展に合わせて三菱一号館美術館が新規収蔵した作品です。
(岐阜県美術館コレクションは、壮大な序章に過ぎなかった・・・)
こちらは、ルドンのパトロンだったロベール・ド・ドムシー男爵の城館を飾った壁画の一枚。
ルドンは、36㎡にも及ぶ巨大な壁面を18分割し、
およそ3年の制作期間を経て、すべての壁画を完成させたそうで。
現在は、そのうちの16点が残されているのだとか
その16点のうち15点は、オルセー美術館が収蔵しているのですが、
残りの1点、この 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 だけは、ドムシー男爵城館で、大切に保管され続けていたそうです。
そんな超貴重な一枚を、所蔵品に加えることが出来たわけですから、
こんな風に喜びを爆発させたのも、納得というものです (笑)
さてさて、実際に、 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 を観た率直な感想は、
「スゴイ!!!」
の一言。
横1.6×縦2.5という大きさに、
物理的に圧倒されたことも、あるのでしょうが。
作品そのものが持つ華やかさ・オーラに、圧倒されました。
これまで観てきた花卉画の中では、ダントツでNo.1です。
他の花卉画と 《グラン・ブーケ(大きな花束)》 の大きな違いは、
《グラン・ブーケ(大きな花束)》 に描かれている花は、必ずしも満開ではないということ。
むしろ、枯れかかっていたり、元気のないような花もチラホラ。
絵の中で、一番背の高いヒマワリも、どこか病的です (笑)
そのおかげで (?) 、元気に咲いている花の生命力が際立っているような気がしました。
さらに、元気な花と萎れた花を同じ画面で描くことで、
蕾から開花、そして枯れる…という一連が想起させられ、
花卉画なのに、 「パァ~~」 というような動きが感じられました。
パステルの淡い色調も魅力の一つなので、
正直、この絵の素晴らしさは、印刷物やweb画面では、絶対に伝わりません!
是非とも、ご自身の目で実物を確かめてみて頂きたいと思います。
もちろん、一連のルドン作品も見応えあり。
最初は、こんな暗い絵ばかりを描いていたルドンが、
画家としての人生をキャリアアップさせるにつれて、
《グラン・ブーケ(大きな花束)》 をはじめとして、こんな絵や、
こんな明るい絵を描くようになります。
まさに、 “最初、すごく暗かったけど段々明るくなってきた芸術家”(出典:アメトーーク) です。
ピースの又吉みたい。
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ルドンとその周辺―夢見る世紀末
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