LIXILギャラリーで開催中の “背守り 子どもの魔よけ 展” に行ってきました。
背守りとは、子どもの着物の背中につけられた飾り縫いのこと。
背に縫い目のない子どもの着物は背後から魔が忍び込むとされ、
魔よけの意味を込めて、母親が子どもの着物に縫い込む風習があったのだそうです。
その風習は、意外にも昭和の初めころまで残っていたのだとか。
今回の展覧会は、そんな忘れ去られた風習にスポットを当てたもので、
重要有形民俗文化財の着物も交えつつ、さまざまな着物に施された背守りを紹介しています。
シンプルなタイプの背守りもあれば、
刺繍タイプの背守り、
さらには、立体アップリケのような背守りまで。
さまざまなタイプの背守りがありました。
母の愛の数だけ、背守りはあるようです。 (←柄にもないことを言ってみる)
さてさて、数ある背守りの中で、特に印象に残っているのが、こちらの背守り。
見た目は、いたってシンプルですが。
縫い付けられているのは、当時はとても貴重だったという小裂です。
そんな貴重なものを、一体、何のために子ども服に??
実は、このようなタグみたいな背守りには、深イイ意味が込められています。
子どもが間違って井戸や囲炉裏に落ちてしまった時に、
この背守りならば、神様が掴んで引き上げてくれるのだとか。
また展覧会には、背守り以外にも、子どもの無事成長を願う衣文化の数々が紹介されています。
例えば、百徳着物。
子育ちのよい家や長寿の年寄りから端切れをもらい、
それら100枚の端切れを繋ぎ合わせて子どもに着せると丈夫に育つという風習から作られた着物です。
まさにパッチワーク。
ちなみに、写真の百徳着物は、100枚どころか250枚以上の端切れからなる超大作。
母の愛、深すぎ。
また、こちらは、迷い札。
携帯クリーナーではありません。
裏は白い布があてられており、そこに、住所氏名や親の名前が記されているのだそうです。
昔は、こういうものも母親が作ってくれていたのですね。
ちょっとホロっときました。
ちなみに。
展覧会会場のあちらこちらに、背守りの写真が飾られていました。
実物があるのに、なぜわざわざ写真を?
・・・・・でも、よくよく写真を観ると、一枚一枚がそれ自体で作品になっています。
と、それもそのはず。
なんと、これらの写真を撮影したのは、日本を代表する女性写真家の石内都さんとのこと。
しかも、昨年に紫綬褒章受賞後の初仕事として、この展覧会のために撮下ろした写真とのこと。
背守りファン (?) だけでなく、写真ファンにも見逃せない展覧会です。
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背守り 子どもの魔よけ 展
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