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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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スピリチュアル・ワールド

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平成26年度東京都写真美術館コレクション展として、
東京都写真美術館の3階で開催中の “スピリチュアル・ワールド” に行ってきました。

こちらは、30000点を超す東京都写真美術館コレクションの中から、
“スピリチュアル・ワールド” な被写体をテーマにした作品にターゲットに絞って紹介する美術展です。

「そんなにスピリチュアルな作品ってあるのかしらん?」

と、企画自体に不安を感じていたのですが。
会場に入ってみて、想像以上にスピリチュアルな作品が多いことに驚愕。
まさしく、スピリチュアルなワールドが広がっていました。
星


スピリチュアルと一口に言っても、その形態はさまざま。
仏教あり、

土門拳『古寺巡礼』室生寺金堂十一面観音立像  土門拳 《『古寺巡礼』より 室生寺金堂十一面観音立像》


神道あり、

伊勢神宮
渡辺義雄 《『伊勢神宮』より 内玉垣南御門から蕃塀、瑞垣南御門を通して内宮正殿木階をみる


霊峰・富士山あり、

高木庭次郎 《白糸からの富士山》  高木庭次郎 《白糸からの富士山》


そして、なぜか温泉あり。

三好耕三『湯船』四万 群馬  三好耕三 《『湯船』より 四万 群馬》


確かに、どの写真も、目に見えないスピリチュアル (精神的) な世界をテーマにしていました。
しかし、冷静に考えてみると、目に見えないスピリチュアルな世界を、
目にしたものしか映し出せない写真を使って表現していること自体が、とても不思議な気がしました。
スピリチュアルな世界を表現するには、絵や彫刻のほうが適している気がします。
それでも、あえて写真で表現することを選んだ写真家の方々は、
きっと写真という表現そのものに、強く魅せられているのでしょう。
もしかしたら写真家の方々は、写真教 (?) の信者なのかもしれません。


さてさて、今回展示されている作品の中で特にインパクトが強かったのが、
内藤正敏さんが、恐山のイタコたちの姿を独自の視点で撮った写真シリーズです。

内藤正敏


画としても、十分インパクトがありますが。
タイトルも、インパクト満点。
その名も、 《『婆バクハツ!』》 シリーズです。


それと、個人的にもっと気に入ったのが、横尾忠則さんによるテクナメーションの作品群です。
テクナメーションとは、偏光板を重ねて回転させる事で光を変化させて見せる技術のことで、
一時期は、広告のツールとして、効果的に使われていたものだそうです。
・・・・・と言っても、伝わらないでしょうから、
youtubeで見つけたテクナメーションの動画をこちらに↓




で、この技術を、横尾さんがアート作品に昇華させたのが、こちら↓

皆は一人のために 一人は皆のために  《皆は一人のために 一人は皆のために》


・・・・・・こればかりは、実物の動きを観て頂かないと良さが伝わらないですね。
久しぶりに、自然と声を上げて驚いてしまう作品でした。
会場には、上で紹介した作品以外にも、横尾さんのテクナメーション作品が多数展示されています。
たくさんの横尾さんのテクナメーション作品に囲まれて、トリップしそうに。
もう少しで、スピリチュアルワールドから帰ってこれなくなるところでした (汗)




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