~前回までのあらすじ~
国宝の多い生涯を送って来ました。
「日本全国にあるすべての国宝を目にする。」
そんな目標を掲げた結果、約3年間で590件の国宝を目にすることが出来ました。
目標達成まで、残り500件。
これが多いのか。少ないのか。
・・・・・いや、普通に多いよ。
♪行くぜ、東北~
今回は初の東北での国宝ハンティング。
しかし、今回の旅の最大のピンチは、東北に行く前に起こりました。
23時10分新宿発の高速バスの出発時刻に間に合うように家を出たのですが、まさかの中央線トラブル。
電車がようやく運転を再開したのは、約20分後。
ようやく僕が新宿駅に着いたのは、23時5分のことでした。
新宿駅から高速バスのバス停までは、歩いて10分。
どう考えても間に合いません (汗)
とりあえず、バス会社に電話です。
「すいません。電車のトラブルで、今、新宿に着きました」
「そうですか。でも、バスは定刻で出発しますので」
「・・・・・えっ?はっ?」
というわけで、西新宿を全力疾走。
ここで間に合わなかったら、予定が全部パーになってしまいます。
♪そりゃたまらんらん (泣)
大人になって、ここまで全力疾走したのは初めて・・・というくらいに走って、なんとか間に合いました。
四ツ谷で線路内に立ち入ったヤツを、僕は一生許さないでしょう。
さて、高速バスに乗って、やってきたのは、山形県の鶴岡市。
鶴岡での交通手段は、例によってレンタサイクルです。
(高速バス&レンタサイクルという組み合わせが、国宝ハンターの定番スタイル)
嬉しいことに、鶴岡市観光案内所では、無料で自転車を貸し出していました。
その自転車に乗って、まずは致道博物館へ。
こちらでは、現在、 “国宝太刀銘信房作と国宝太刀銘真光” という展覧会が開催中。
山形デスティネーションキャンペーンに関連して開催されているもので、
めったにお目にかかれないという致道博物館が所有する2振の国宝をまとめて展示している特別展です。
何、その国宝ハンター的に美味しい展開。
ということで、 《太刀〈銘信房作/〉》(ジャンル:工芸品) と、
《太刀〈銘真光/〉》(ジャンル:工芸品) を無事にハンティングしました。
ちなみに、 《太刀〈銘信房作/〉》 は、小牧長久手の合戦の際、酒井忠次が恩賞として徳川家康より賜わった刀。
《太刀〈銘真光/〉》 は、長篠の合戦の際、酒井忠次が恩賞として織田信長より賜わった刀とのことです。
よっ、もらい上手!
続いては、出羽三山の一つである羽黒山を目指します。
えぇ、自転車で。
その距離、約17㎞。
漕げども漕げども、羽黒山は遠し。
無の境地で漕ぎ続けること、1時間強。
ついに、それらしきものが見えてきました。
「きっとこの鳥居をくぐった先に、羽黒山があるに違いない!」
自然と自転車をこぐ足に力が入ります。
そして、鳥居をくぐり、長くゆるやかな坂を登りきると、そこには、こんな看板が。
字が薄れていて、よく読めませんでしたが。
よく読めないながら、羽黒山まであと2.5㎞以上あることは判明しました。
あの大仰な鳥居にダマされました。。。
体力をすっかり使い果たしてしまったので、
ゆるゆるへとへと自転車を漕ぎ続けること、さらに15分。
どうにかこうにか羽黒山に到着しました。
そして、こちらのホンモノの (?) 鳥居をくぐると、そこには・・・
樹齢350~500年の杉並木の光景が広がっていました。
その光景は、あまりにも神秘的。
しばし立ち尽くしてしまいました。
この杉並木を分け入っていた先にあるのが、 《羽黒山五重塔》(ジャンル:建造物) 。
東北最古の塔です。
そのあまりにも凛とした美しい佇まいに、
しばし立ち尽くしてしまいました (本日2回目) 。
《羽黒山五重塔》 を観るために、鶴岡まで足を運ぶ価値は大いにアリ。
これまで6件の国宝の五重塔と4件の国宝の三重塔を観てきましたが。
それらを抜いて、 《羽黒山五重塔》 が国宝の塔のトップに躍り出ました。
果たして、 《羽黒山五重塔》 は、国宝の塔のトップの座を最後まで守り続けることが出来るのか。
次のチャレンジャー塔 (←?) に期待です。
ちなみに、山形での国宝ハンティングに出掛ける前に。
サントリー美術館の “徒然草 美術で楽しむ古典文学” で、
《宝積経要品〈足利尊氏、同直義/夢窓疎石合筆〉》(ジャンル:書跡・典籍) をゲットしています。
今現在の国宝ハンティング数 594/1090
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
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第八十二話 国宝ハンター、全力疾走する!
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