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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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国宝太刀銘信房作と国宝太刀銘真光

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山形県鶴岡市にある致道博物館に行ってまいりました。

致道博物館


元々は、庄内藩主酒井家の御用屋敷だったものを博物館として公開したもので、
致道博物館という名称は、旧庄内藩の藩校であった致道館に由来しているのだそうです。

・・・・・という情報だけを頼りに訪れたので。
敷地内に、歴史的な建造物がいくつもあることに、まず驚かされました。

旧渋谷家住宅  倉


ちなみに、現在は工事中でしたが・・・

工事中


国指定の重要文化財である旧鶴岡警察署庁舎も移築され、致道博物館のシンボルとなっています。

旧鶴岡警察署庁舎


“ちょっとした江戸東京たてもの園のような博物館だなぁ”

と思いきや、致道博物館の敷地内にある建物のうち5軒は、博物館として使用されていました。
荘内藩に関する展示だったり、民具だったり、庄内地方の漁に関する展示だったり。
建物ごとによってカラーは、さまざまでした。
その中でも一番驚かされたのが、旧西田川郡役所内での展示です。

旧西田川郡役所


こんな外観なのに、アンモナイトや人骨など、
庄内地方から出土した考古的な資料が展示されています。
そのギャップに、ただただ戸惑わざるを得ませんでした (笑)
(2階は明治時代関連の展示です)


さてさて、そんな致道博物館のメイン会場となるのが、こちらの建物。

建物


こちらでは、月替わりで企画展が開催されています。
現在は、山形デスティネーションキャンペーンの特別展として、
“国宝太刀銘信房作と国宝太刀銘真光” が開催されていました。

致道博物館コレクションの中でも最も貴重な2振りの国宝刀を同時に公開する、とても貴重な展覧会。
“この機会に山形に行かなくて、いつ山形に行くんだ?!” と、
山形デスティネーションキャンペーンの目玉の一つになっている展覧会です。
星


確かに、国宝に指定されているだけあって、
どちらの国宝刀からも緊張感のようなものが発せられていました。
個人的には、 《太刀銘真光》 のほうに軍配。

太刀 銘真光


《国宝太刀銘信房作》 以上に、目を捉えて離さないものがありました。


軍配と言えば。
庄内藩酒井氏の藩祖に当たる酒井忠次が所用していた 《黒塗軍配団扇》 も展示されていました。

軍配


こちらの軍配は、なんとレンズ付!
さらに、カレンダーや方位磁針も付いています。
なんと便利な軍配なんでしょう (笑)


国宝刀や軍配以外にも、貴重な歴史資料が展示されていましたが。
個人的にもっとも目を奪われたのは、狩野探幽作の 《白衣観音図》 です。

白衣観音図


白衣を描き表す線の軽妙さが、絶品。
西洋美術で言えば、デュフィの線くらいに軽妙です。
その微笑をたたえた表情と、バックが満月 (光背?) であるところから、思わず綾波レイを連想。




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