皆様、突然ですが、資生堂の社名の由来をご存知でしょうか?
正解は、中国の 『易経』 の一節 「至哉坤元 万物資生」 。
「すべてのものは大地の恵みから生まれる」 という意味があるのだそうです。
この “万物資生” の意味を視覚化したのが、
資生堂のシンボルマークの 「花椿」 であり、主要なデザインモチーフである 「唐草文様」 なのだとか。
そんな “万物資生” の世界観を、
美術作品で表現した展覧会が、10月12日まで資生堂ギャラリーで開催されてます。
その名も、 “せいのもとで lifescape” 。
この展覧会名を考えたのも、展覧会全体をキュレーションしたのも彫刻家の須田悦弘さん。
2012年に開催された “須田悦弘展” があまりに面白かったので、
彼が初めてキュレーションを務める展覧会に、期待は高まるばかりです!
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
出展作家は、人間国宝の志村ふくみさんとその娘・洋子さん、
珠寶さん、宮島達男さん、クリスティアーネ・レーアさんの5名。
それぞれ展覧会に合わせて制作された新作が展示されています。
特に圧巻だったのは、志村母娘が染めた糸を用いたインスタレーション作品 《經》 です。
紬織の人間国宝である志村さんが染めた糸を、
あえて紡がないという、この斬新で大胆なアイディアは須田悦弘さんによるものだとか。
確かに、元も子もない意見なのかもしれませんが、
紡がないほうが、インド茜で染られた色そのものの美しさがダイレクトに伝わりました。
この作品が生み出すグラデーションは、繊細で幽玄。
必見の美しさです。
また、自然界に存在する植物の種子や茎、動物の毛を使って、
緻密に計算された建築のような構造物を生み出すクリスティアーネ・レーアさんの作品も必見です。
個人的にもっとも惹かれたのは、 《Little Dome》 という作品。
素材は、なんと西洋のぺんぺん草だそうです。
作品そのものに構造的な美しさを感じますが、作品が作り出す影も同じくらいに美しかったです。
影が美しかったと言えば、タンポポの綿毛を素材にした 《Little Surface》 も。
展示ケースで守られていますが、思わず息を止めて見入ってしまいました。
さらに、忘れてならないのが、宮島達男さんの新作 《Changing Time with Changing Self-Flower》 です。
今回も、やっぱりデジタルカウンターを用いた作品でした。
“一人だけ、植物がモチーフじゃないじゃん!” とツッコみたくなりましたが、
しばらく眺めていると、白く光るデジタル数字たちが、まるで散らされた花びらのように見えてきました。
床に映し出された光も含めて、幻想的です。
今まで見た宮島達男さんの作品の中で、一番良かった気がします。
ちなみに。
5名の作家の作品とともに、須田さんの作品も4点展示されています。 (うち新作は1点)
2点はわかりやすい場所に展示されているのですが・・・
例によって、残り2点は、見つけにくい場所に展示してあります (笑)
是非、頑張って探してみてください。
ヒント:1点は、資生堂ギャラリーのある東京銀座資生堂ビルのお隣・東京銀座資生堂ビルのどこかに・・・
どうしても見つけられなかった方は、
「須田悦弘さんの作品が見つかりませんでした (>_<) 」 係
までご一報くださいませ (笑)
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せいのもとで lifescape
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