突然ですが、皆様、歌川国貞という浮世絵師はご存知でしょうか?
“歌川国貞・・・・・誰?歌川広重とか、歌川国芳なら知ってるけど。。。”
と思った方は、きっと多くいらっしゃるはず。
それほどまでに、知名度の低いマイナーな浮世絵師です。
が!!
それは、現代での話。
実は、幕末において歌川国貞は、
歌川広重や歌川国芳を凌ぐほどの人気を誇った実力派浮世絵師でした。
しかも、22歳のデビュー時から79歳で亡くなるまで、
常に浮世絵界のトップを走り続けていたという超メジャーな浮世絵師だったのです。
J-POP界で例えるなら、さしづめサザンオールスターズといったところでしょうか。
そんな歌川国貞ですが。
あまりにもメジャーな浮世絵師であったためでしょうか。
没後、あえてフィーチャーされる機会に恵まれず、いつの間にやら忘れられた存在になってしまったのです。
ちーん。
そして、月日は流れ、今年2014年。
いよいよ、没後150年にして、ようやく歌川国貞に再びスポットが当たる時がやってきました。
太田記念美術館にて、その画業の全貌に迫るかつてないほどの大回顧展が開催される運びとなったのです。
そんな “没後150年記念 歌川国貞” は、11月24日まで。
これは、浮世絵ファンならずとも、見逃せません!
さてさて、マイナーだマイナーだとは言いましたが。
きっと誰でも、歌川国貞の絵を、街中で一度は見かけているはずなのです。
実は、あの釜茹でスパゲッティー専門店の看板の元ネタ (?) は・・・
歌川国貞の 《東海道五十三次之内 京 石川五右衛門》 なのだとか。 (担当学芸員さん談)
確かに、言われてみると、口元の皺までそっくりそのままです。
こちらの作品は、後期 (10/31~11/24) に出展される予定なので、見比べてみてはいかがでしょう。
また、後期には、以前初めて目にした時に、
「こんなにカッコいいデザインの浮世絵が、江戸時代にあったの?!」
と、衝撃を受けた 《御あつらへ三色弁慶》 も出展予定。
こちらも合わせてお楽しみくださいませ。
もちろん前期 (~10/26) にだってオススメ作品はあります。
というか、オススメ作品だらけです。
数多くのヒット作を生み出してきた浮世絵師のベストofベスト展なのですから、当然です。
全部を紹介してしまうと、本当にキリが無いので、泣く泣く絞るならば。
ニュースでも取り上げられた今回が初公開となる歌川国貞の初期作品 《熊谷次郎直実》 や、
蚊帳の精緻な表現に思わず目を見張ること必至の美人画の傑作 《星の霜当世風俗 (蚊やき)》 でしょうか。
いや、でも、個人的には、背景のストライプと着物の文様が斬新な 《誂織当世島》 や、
刺青の表現と背景に描かれた建物のシルエットがカッコいい 《戻駕籠櫓三真意》 も捨て置けないです。
もっと言えば、浮世絵だけでなく、国貞の肉筆画もオススメしたいところです。
ちなみに、こちらの 《柳下美人》 に描かれている女性の着物の文様は、すべて狩野派の絵師の落款とのこと。
なんと斬新なセンスなのでしょう。
他にも、オススメしたい作品は、まだまだありますが、この辺で留めておきます。
最後に、これから行かれる方へ、一つだけアドバイスを。
今回の歌川国貞展は、デビュー作から最晩年の作までが、ほぼ時系列に展示されています。
晩年に近づけば近づくほど、歌川国貞の作品は、そのセンスが研ぎ澄まされていきます。
なので、展示の最初から全力で作品と向き合うのではなく、後半に体力を温存しておくのがベター。
ご参考までに。
1位を目指して、ランキングに挑戦中!(現在3位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
没後150年記念 歌川国貞
↧