現在、永青文庫では、 “国宝の刀 ― 伝えられた武士(もののふ)の心” が開催されています。
展示の目玉は、何と言っても永青文庫が所蔵する国宝の刀4口すべての一挙展示。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
展示ケースの左から、国宝の刀、国宝の刀、国宝の刀、一つ飛ばすことなく国宝の刀。
圧巻です。
どの刀も、国宝に相応しいオーラを放っていましたが。
一際、まぶしさを感じたのが、 《刀 金象嵌銘 光忠 光徳(花押) 生駒讃岐守所持》 です。
こちらは、細川家16代の細川護立が初めて購入した刀だそうで、
なんと10代の頃に、母親に小遣いをねだって手に入れたものなのだとか。
自分は、10代の頃にMDウォークマンをねだったことがありますが、だいぶ可愛いものです (笑)
しかし、10代で国宝クラスの刀を目利きしてしまったとは。
細川護立…恐ろしい子!
こちらの 《太刀 銘 豊後国行平作》 も、護立が入手しています。
もともとは、細川幽斎が所有していたのだそうですが。
細川幽斎が褒美として烏丸光廣に贈り、
その後、時代を経て、烏丸家から中山大納言家に所有が移ったのだそうです。
昭和に入って、護立が入手したことで、 《太刀 銘 豊後国行平作》 は再び細川家に戻ってきました。
なんかご苦労様です。
ちなみに、国宝 《短刀 無銘正宗 (名物庖丁正宗)》 も、
国宝 《短刀 銘 則重》 も、
細川護立によるコレクション。
さすが、筋金入りの目利きです。
今回の展覧会では、これら国宝の刀4口を筆頭に、
永青文庫が所蔵する刀剣と刀装具の名品の数々が一堂に紹介されています。
「刀剣はちょっと・・・」 という方 (特に女性) でも、
細かい細工が施された刀装具の名品たちには、きっと目を奪われることでしょう。
小物好き、ステーショナリー好きな方にもオススメです。
画像では、あまりに細工が細かすぎて伝わらないので、
こればかりは、是非実物を生で観て頂きたいと思います。
さて、国宝ハンター的には、永青文庫が所蔵する国宝の刀がまとめて観られてラッキーだったのですが。
個人的に気に入ったのは国宝の刀ではなく、重要文化財の 《太刀 銘 守家造》 です。
刀紋が、まるで月にかかる叢雲のようで、
眺めていると、心がザワザワと騒ぎ立ちました。
刀身の景色に吸い込まれてしまい、しばらく目を離すことが出来なかったです。
ちなみに。
永青文庫の学芸員さんに、刀を観賞する時のポイントを一つ伝授して頂きました。
それは、 「地金に注目する」 とのこと。
例えば、 《短刀 無銘正宗 (名物庖丁正宗)》 の地金に注目してみると・・・
金属の肌に、微妙な表情や風合いがあるのが見て取れます。
《太刀 銘 守家造》 の地金は、どうでしょうか。
こちらの金属の肌にもまた、微妙な表情や風合いを感じ取ることが出来ます。
画像では、あまり伝わらなくて恐縮ですが、
実際に地金に注目し味わうように観賞してみると、目に吸い付くような感じがしました。
一応、ためしに、我が家の刃物、包丁の地金を観賞してみました。
あぁもう、てんでダメです。
安い地金です。
同じ金属の肌でも、こうも違うのかというくらいに違いました。
やはり一級品の刀の地金は別格なのですね。
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国宝の刀 ―伝えられた武士(もののふ)の心
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