本日ご紹介する展覧会は、サントリー美術館で開催中の “高野山開創1200年記念 高野山の名宝” です。
『山の正倉院』 とも賞される日本最大クラスの仏教芸術の宝庫・高野山。
そんな高野山の名宝の中から選りすぐりに選りすぐられた約60件を紹介する展覧会です。
右を見ても、高野山の名宝。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
左を見ても、高野山の名宝。
高野山の名宝のベストコレクション展と言っても過言ではないでしょう。
そんな今回の展覧会の最大の目玉は、国宝の 《八大童子像》 です。
国宝 《八大童子像》 運慶作
鎌倉時代 12世紀 (一部、南北朝時代 14世紀) 金剛峯寺蔵
(左から、指徳童子、恵光童子、矜羯羅童子、制多伽童子、烏倶婆誐童子、清浄比丘童子、恵喜童子、阿耨達童子)
なんと8躯が勢ぞろい。
地元の (?) 高野山でも、なかなかお目にかかれない光景なのだとか。
圧巻です。
一躯一躯の造形が素晴らしかったのは、言わずもがな。
仏像として観ても、純粋に彫刻作品として観ても、心に迫るものがありました。
また、どの童子像もオリジナリティに溢れ、キャラクターが立っていたのが印象的でした。
同じ8人組でも、興福寺の八部衆像は阿修羅像が一人目立っている気がしますが。
《八大童子像》 は、8人それぞれに個性があり、どの童子像も主役になれる器である気がしました。
グループ (?) としてポテンシャルが高いのは、興福寺の八部衆像よりも 《八大童子像》 でしょう。
なんだか、この展覧会を通じて、ブレイクしそうな予感です。
ちなみに、どの童子像もイイのですが、個人的に推したいのは、阿耨達 (あのくた) 童子。
彼だけ龍にまたがっています。
ワイルドだろぉ。
さて、 《八大童子像》 以外にも、
こちらも4人が勢揃い中の 《四天王立像》 や、
重要文化財 《四天王立像》 快慶作
鎌倉時代 12~13世紀 金剛峯寺蔵 (左から、持国天、増長天、広目天、多聞天)
絶妙なバランスで孔雀を乗りこなしている 《孔雀明王坐像》 など、
重要文化財 《孔雀明王坐像》 快慶作
鎌倉時代 正治二年(1200) 金剛峯寺蔵
まだまだ見逃せない仏像があります。
特に、 《孔雀明王坐像》 は、国宝の 《五大力菩薩像》 を背にして、迫力が倍増中。
この絵づらのインパクトは強烈でした。
(注:《五大力菩薩像》 のうち金剛吼菩薩像は、11月3日までの展示です)
仏教美術の展覧会というと、経典や書など、
歴史資料系の展示品が多く展示されている印象ですが。
今回の展覧会は、仏教絵画や仏教彫刻など、純粋に美術品としても楽しめる作品がかなり多いです。
この秋、是非とも抑えておきたい展覧会の一つです。
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高野山開創1200年記念 高野山の名宝
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