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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ウィレム・デ・クーニング展

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ブリヂストン美術館で開催中の “ウィレム・デ・クーニング展” に行ってきました。

ウィレム・デ・クーニング展


こちらは、ジャクソン・ポロックと並んで、
戦後のアメリカで開花した抽象表現主義を先導した画家ウィレム・デ・クーニングにスポットを当てた展覧会です。
今回のデ・クーニング展の核となるのは、ジョン・アンド・キミコ・パワーズの秘蔵デ・クーニングコレクション。
ジョン・アンド・キミコ・パワーズと言えば、
昨年、国立新美術館で開催された “アメリカン・ポップ・アート展” が記憶に新しいところですが。
あの展覧会でも公開しなかったデ・クーニングのコレクションを、今回は惜しげもなく公開しています。
このように、まとまった形で、彼らのデ・クーニングコレクションが公開されるのは、日本初とのこと。
とても貴重な機会なのです。

また、それ以外にも、豊田市美術館をはじめとする日本国内の美術館が所蔵するデ・クーニング作品、
ならびに、国外に貸し出すことはおろか、自館でもあまり公開しないというMoMA所蔵のデ・クーニング作品も。
やはり、とても貴重な機会なのです。

ここは、是非とも、それらデ・クーニング作品の一部を紹介したいところですが・・・

大人の都合で、作品画像は掲載できません!

・・・なので、ブリヂストン美術館のあるビルのウインドウ (?) の写真でご容赦くださいませ。

外周  外周


さてさて、とにもかくにも、デ・クーニングの作品のモチーフは、女ばかり。
今回出展されている作品のタイトルの一部を挙げてみても、
《ふたりの女》 に、 《歌う女》 に、 《水の中の女》 に、 《青い眼の女》 に・・・と、女ばかりです。
『ドキッ!丸ごと水着!女だらけの水泳大会』 以上に、会場は女だらけでした (笑)
こんなにも、女のことばかり考えている画家は、デ・クーニングをおいて他にはいないのではなかろうか。
それも、現実の女ではなく、想像上 (妄想上) の女。
女のことを考え、女のことを妄想し、女を描いた作品でブレイクする。
美術界のどぶろっくといったところです。






綺麗な女性像というわけでなく、あくまでデ・クーニング流の女性像。
抽象的すぎて、ほとんど女性には見えません。
もしかしてだけど、もしかしてだけど、
フェミニストな方なら、怒っちゃうんじゃないの?・・・とヒヤヒヤものです。

一応、弁護 (?) しておきますと。
デ・クーニングは、ただ暴力的に女性像を描きたかったのではなく。
ちゃんと女性像の伝統を抑えた上で、新しい絵画の表現にチャレンジしているのだそうです。
デ・クーニングの描く女性 (らしき何か) は、赤やピンクで描かれています。
これは、ルーベンスの女性像の影響なのだとか。

ルーベンス  《レウキッポスの娘たちの略奪》


確かに、ルーベンスの描く女性をミキサーにかけたら (?) 、デ・クーニングの描く女性像になる気がします。
ルーベンスのスムージー。
それが、デ・クーニング。


ちなみに、今回のデ・クーニング展に合わせて、
常設展スペースに展示されている作品も、いつもより抽象画が多くなっています。
さまざまな抽象絵画をまとめて観賞できるという意味では、足を運んでみるのもいいかもしれません。
星




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