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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE

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資生堂ギャラリーで12月25日まで開催中のアラーキーこと荒木経惟さんの新作展に行ってきました。

資生堂ギャラリーで


展覧会のタイトルである 『往生写集』 は、
平安時代の僧侶・源信が著した仏教書 『往生要集』 から想を得た荒木さんの造語。
ガンの手術や愛猫の死、そして東日本大震災の経験も重なり、
荒木さんは、自らの 「死=往生」 を意識するようになったのだそうです。

そんな往生写集展は、実は、資生堂ギャラリーの前に、
今年の4月~6月に豊田市美術館で、8月~10月に新潟市美術館でも開催されています。
しかし、巡回展というわけではなく、それぞれに異なるサブタイトルと出品作で構成された合同企画展。
ちなみに、豊田市美術館が、 “荒木経惟 往生写集 顔・空景・道”
新潟市美術館が、 “荒木経惟 往生写集-愛ノ旅” でした。
資生堂ギャラリーで開催されているのは、 “荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE”

アラーキー。


正確には、タイトル 「PARADISE」 の 「P」 は鏡文字表記です。
そんな文字はブログでは表現できないので、 「P」 にしておきます。
アラーキーさん、すいません。


展示は、全部で3つの新作シリーズで構成されていました。

東の空  銀座


1つめのシリーズは、東日本大震災後、亡くなった方への鎮魂を願うと同時に、
被災地の復活を祈りながら、荒木さんが毎朝自宅の屋上から撮り続けているという最新作 《東ノ空》
そして、もう1つのシリーズは、この夏撮り下ろしたという 《銀座》 です。
どちらも荒木さんらしからぬ、エロスが滲み出ていない作品シリーズでした。

《東ノ空》 は、ただ荒木さんの自宅からの景色を撮っているだけなのに、ジーンと胸を打つものがあります。
エロスは滲み出ていませんでしたが、代わりに (?) 優しさが滲み出ていたような気がします。


それとは対照的に、荒木さんのエロスが滲み出ていたのが・・・いや、滲み出るどころか駄々漏れしていたのが。

荒木さん  荒木さん


《PARADISE》 というシリーズ。
パッと見は、暗闇の中に色鮮やかな花が咲き誇る蜷川実花チックな作品のようですが・・・

パラダイス


実は、朽ちかけた花と人形が写されています。
全然、蜷川実花スタイルではありません。
完全なるアラーキースタイルです。

同じ被写体を同じカメラで撮っても、きっと荒木さんにしか、この官能性は出せないのでしょうね。
カメラ側 (映す側) にいるはずなのに、
写真には、ちゃんと荒木さんの放つエロスが映し出されている気がしました。
荒木経惟の半分はエロスで出来ています、と言っても過言ではないくらいのエロスの含有量なのでしょう。
星
しばらくは脳裏にこびりついて離れない強烈な写真作品が観られます。




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