今年も神奈川県民ホールでは、約1300㎡という広大なスペースを使った現代アート展が開催されています。
今回、白羽の矢が立ったのは、身近にあるものを題材にして、
そのものが持つ新たな可能性を引き出す作品に定評のあるアーティスト・八木良太さんです。
“八木良太展 「サイエンス / フィクション」” と銘打たれた今展覧会は、八木良太さんの過去最大規模の個展。
氷で出来たレコードから実際に音が流れる作品 《VINYL》 や、
カセットテープのテープを巻いて球体と、それを再生させる装置からなる作品 《Sound Sphere》 など、
八木良太さんの代表作の数々が、約1300㎡という広大なスペースに展示されていました。
《Chroma Depth》 のように、ビジュアル的にも 「おぉっ!」 と驚ける作品もありますが。
基本的には、パッと見ただけでは 「んん??」 となてしまう作品が多いです。
素材が身近なものであるだけに。
例えば、こちらの 《Sky/Sea》 という作品。
一見すると、水槽にレコードが浮かんでいるだけの作品です。
いや、一見どころか、二見三見しても、水槽にレコードが浮かんでいるだけの作品です。
近くにいたスタッフさんに尋ねてみると、
どうやらレコードの表面には海上の音が、水に触れている裏面には海中の音が録音されているとのこと。
その説明を聞いて、初めて作品のコンセプトが理解できました。
それを知った上で観てみると、なかなかに面白い作品です。
と、このように八木さんの作品を楽しむためには、コンセプトを知ることが必須。
スタッフさんに聞けば、優しく説明してくれますので、是非、聞かれてみることをオススメします。
もし、話しかけるのが苦手なシャイな方は、
展覧会の受付でもらう会場マップに、作品の簡単な説明が記載されていますので、そちらを要チェックです。
今回出展されていた数々の八木作品の中で、ある種の感動を受けたのが、新作の 《Takoyaki Sequencer》 。
なんと、こちらは、 (おそらく) 世界初のたこ焼き器の楽器です (笑)
たこ焼き器上部にカメラが設置され、その映像から、
たこ焼きの位置をリアルタイムで解析処理し、たこ焼きの配列を音に変換するという作品です。
なんという才能の無駄遣い!
「ありそうでなかった」 というよりも 「なくてもいいけどあったらあったで面白い」 という発想です。
ちなみに、会場では、発泡スチロールの玉で代用されていましたが。
たこ焼きを作る一式が用意されていることからも想像できるように、
実際は、本当にたこ焼きを焼いて、それで音を奏でるのだそうです。
いつかそのパフォーマンスを観てみたいものです。
きっと、音よりも匂いに意識が向いてしまうでしょうが (笑)
他にも紹介したい作品は、たくさんありますが、それらは是非、皆様自身の目で。
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八木良太展「サイエンス / フィクション」
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