現在、三鷹市美術ギャラリーでは、
“写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展” という浮世絵展が開催されています。
東洲斎写楽VS歌川豊国。
寛永期に役者絵の分野で競った二人のライバルの作品を軸にした展覧会です。
知名度だけみれば、圧倒的に東洲斎写楽のほうが勝っているでしょうが。
《三世沢村宗十郎の大岸蔵人》 錦絵大判
歌川豊国も作品では負けてはいません。
《沢村宗十郎の大星由良之助》 錦絵大判
同じくらいにダイナミックな印象を受けました。
そして、同じくらいに雲母摺りの背景が美しかったです。
(↑是非、会場で、そのキラキラ具合をお確かめ下さい!)
違うのは、モデルとなる役者の描き方。
歌川豊国は、モデルの魅力を引き出すように、デフォルメして描いているのに対し、
東洲斎写楽は、特にモデルの魅力を引き出そうとはせずに、ただ単にデフォルメして描いているような印象。
少し悪意すら感じます。
特に 《中山富三郎の宮城野》 に関しては、
《中山富三郎の宮城野》 錦絵大判
悪意がありすぎて、針すなおの似顔絵を彷彿とさせました。
さてさて、展覧会のタイトルは、 “写楽と豊国” となっていますが。
2人の作品しか展示されていないというわけではなく。
美人画でお馴染みの喜多川歌麿や、
《富本豊雛》 錦絵大判
昨年2014年に、没後150年という節目の年を迎え再注目されている歌川国貞、
《星の霜当世風俗(行灯)》 錦絵大判
葛飾北斎の兄弟子・勝川春英など、
《大童山文五郎》 錦絵大判
実に、さまざまな浮世絵師の作品が展示されています。
どちらかというと、サブタイトルの “役者絵と美人画の流れ” のほうに力点が置かれていたように思いました。
そういう意味でも、浮世絵ビギナーにもオススメな展覧会です。
三鷹市美術ギャラリーは、毎日20時まで開館している稀有な美術館。
仕事終わりに浮世絵鑑賞を楽しまれてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、個人的に出合えて嬉しかったのは、歌舞伎堂艶鏡の作品。
東洲斎写楽は、謎の浮世絵師としてお馴染みですが。
現在、7点しか作品が確認されていないという歌舞伎堂艶鏡も、隠れた (?) 謎の浮世絵師なのです。
《三世市川八百蔵》 錦絵大判
《三世市川八百蔵》 は、ちょっと石黒英雄似。
よく見ると、イケメンです。
壁ドンしそうな予感。
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写楽と豊国 ~役者絵と美人画の流れ~展
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