本日紹介させて頂く展覧会は、
パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の “パスキン展 -生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子-” 。
日本では、実に16年ぶりとなるパスキンの本格的な回顧展です。
会期は、3月29日まで。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております)
『パスキン』 と聞いて、ブロンドヘアーや、
モップみたいなものを想像してしまった方もいらっしゃるかもしれませんが。
パスキンとは、もちろん画家の名前です。
ジュール・パスキン (1885-1930) は、藤田嗣治やモディリアーニ、シャガールと並んで、
エコール・ド・パリ (=主に1920年代にパリに集った異邦人芸術家たち) を代表する一人に数えられる画家です。
45年という短い生涯の間に世界中を旅し、独自の画風を模索したパスキン。
晩年に辿り着いた真珠母色が特徴的な油彩画は、
当時のパリっ子たちだけなく、今でも世界中の愛好家を虜にしています。
今回の展覧会では、そんな 「真珠母色の時代」 のパスキン作品が大充実。
心行くまで、真珠母色の世界に浸ることが出来ます。
今回、初めてパスキンファンが絶賛する 「真珠母色の時代」 の作品をまとめた形で鑑賞したのですが。
何よりも印象的だったのは、それらの作品に、独特の “気だるさ” が漂っていたことです。
ジュール・パスキン 《テーブルのリュシーの肖像》
1928年 油彩、カンヴァス 個人蔵
ジュール・パスキン 《ミレイユ》
1930年 パステル、厚紙 ポンピドゥー・センター蔵
©Centre Pompidou, MNAM-CCI, Dist. RMN-Grand Palais/ Philippe Migeat/ distributed by AMF
“気だるさ” と言っても、肉体的な疲れや精神性のものではなく。
休日に、なんとなく外出する気が起きず、家でまったり過ごしてしまう。
そんな感覚に似た “気だるさ” 。
幸福感と倦怠感が入り混じったような “気だるさ” です。
心地良い “気だるさ” ではあるのですが、
作品に浸った後は、さすがに濃いエスプレッソが飲みたくなりました (笑)
ちなみに、今回のパスキン展では、 「真珠母色の時代」 の作品だけでなく。
「真珠母色の時代」 に至るまでの作品も紹介されています。
その中でも特に印象的だったのが、最初期の素描作品でした。
ジュール・パスキン 《ミュンヘンの少女》
1903年 鉛筆、紙 パリ市立近代美術館蔵
©Eric Emo/ Musée d’Art Moderne/ Roger-Viollet
線の繊細さに、思わず息を飲みました。
そして、息を殺して見入ってしまいました。
おそらく1分くらい息を止めていたでしょうか。
死ぬかと思いました。
それほどまでに (←?) 、デリケートな作品です。
5位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在10位です)
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
パスキン展 -生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子-
↧